映画『バイオハザード』(2026)をIMAXで見ました。内容の概観・感想と、IMAXで見た感想を簡単に書きます。細部には言及しませんが、概観・感想からほんのりと内容の想像はつくかもしれません。
・ごく普通のやや情けない配達員が、病院で時間外の荷物運搬を頼まれてしまい、とんでもない状況に巻き込まれながらその荷物を届けようとするシンプルなストーリーです
・次々と起こる絶望的な状況の中で怪異から逃げながら荷物を届けようとする様子がリアルに描かれており、観客は、主人公と一緒に、時には主人公目線で「最悪な状況」を体験します
・リアルな怖さと荒唐無稽さが混在しています
・そこはかとないコメディ感はありますが、笑うような感じではないです
・銃を手に入れるが弾がなくて探す、とか、化け物が自分に向かってすぐそこまで来ているが銃をうまく使えない、という様子が描かれます
・逃げたいのに門に鍵がかかっている、ということが何度も起きます
・「90分間逃げろ」というキャッチコピーのとおり、90分間緊張感が続きます。ドキドキさせるために作られたような映画です。上映時間は105分となっています
・主人公の背景ドラマ的なものも描かれますが、これといった着地はありません
・「ゾンビ映画」というより「サバイバルホラーアクション」といった印象です
・バイオハザードにおいてはこれまで見たことがないクリーチャー?が出てきます。全般的にかなりグロいです
本作を面白いと思えるかどうかには、以下の要素が関係し、どれを重視しているかによって好み・評価・感想は変わってくると思います。人が「面白い」「面白くない」と言っているときは、何についてそう思っているのかを理解する必要があると思います。
・原作ゲームそのままの実写化になっているどうか?
→本作は、ただの一般人配達員を主人公としたオリジナルストーリーです。
・原作の世界観は踏襲されているか?
→本作は、「感染者を化け物に変えてしまうウイルスが広がってしまった街」という意味ではその舞台設定を踏襲していますが、そこに巻き込まれてしまった一般人の視点を描いています。
一方、原作ゲームに出てくるアイテムや進行システムの引用があります。
・「ドラマ」はあるか?
表のドラマ(メインプロットのドラマ)
→「様々な絶望的な状況に対処し逃げながら荷物を届けようとする」様子は、十分過ぎるほどドラマがあります。
裏のドラマ(サブプロットのドラマ)
映画は通常、「地球を救う」「敵に勝つ」などのメインのストーリーの裏に、主人公の抱えている問題とその解決(着地)も描かれることが多いです。それは、メインの出来事への対処を通して主人公がどう変化したのかを描いており、メインプロットのドラマとサブプロットのドラマが関係しながらうまく有機的に描かれると映画に深みが出ます。
例:
メインのストーリー(プロット):「地球を救う」
裏・サブストーリー(プロット):「主人公が(地球を救うミッションを通して)家族との関係性を改善する」
など
→本作では、主人公の背景ストーリーや厄災への対処を経た心情の変化は多少描かれますが、最後特に着地はしていないです。(ただし、「彼がバイオハザードに巻き込まれ対処していく内容」が「彼が個人的に抱えている問題への心情の変化」のある種のメタファーになっているとする分析も見られます)
・演出は適切か?
→本作では、緩急のペースの変化をつけながら、肩越しや一人称視点のカメラワークも使用し、観客は主人公の巻き込まれる「最悪の状況」を彼と一緒に、時に彼の目線で体験しているようなリアルで迫力のある演出になっています。
ただ、「一つのイベントが終わったら次に進む」という進行システムは、リアルというよりゲーム的に感じます。
・演技は適切か?
→銃を手にしても使い方がわからないような、ただの一般人の雰囲気をよく表現していると思います。しかし「ただの特徴のない一般人」ではなく、リアクションの大きいややキャラの立った一般人を芝居としてうまく表現しています。
本作を面白いと言っている人は概ね、本作の「演出」又は「演出」+「原作の世界観からの引用」に着目しているように思います。
本作を面白くないと言っている人は概ね、「原作の実写化ではない」ことや「裏のドラマはあまり描かれていない」部分、あるいは結末に着目しているように思います。
私個人的には、原作がそのまま実写化されることに思い入れはなく、「裏のドラマ」はあまり描かれておらず「主人公がとんでもない状況に巻き込まれながら荷物を届けようとするだけのストーリー」だなと思いつつも、「次々と起こる絶望的な状況の中で怪異から逃げながら荷物を届けようとする様子がリアルに演出されている」ために、ドキドキしながら楽しく見ることができました。
私は元となったゲーム『バイオハザード』(1996年)は、途中までやったものの時間がかかることで挫折したと記憶しています。ミラ・ジョボビッチの映画版『バイオハザード』はいくつか見ました。つまり、さほど『バイオハザード』特にゲームの『バイオハザード』には詳しくないです。
その観点で言えば、本作『バイオハザード』(2026)は原作ゲームからの引用はあるものの原作ゲームには出てこない一般人の視点で描かれたオリジナルストーリーで、話はシンプルで、演出はしっかりしていてドキドキ楽しめるため、原作ゲームや過去の映画版を知らなくても楽しめると思います。
10代前半でこの映画を見たいと思う人は結構いるのではないかと思いますが、『バイオハザード』(2026)はR15+となっています。R15+とは、15歳以上が見ることができる、という年齢制限です。保護者同伴でも15歳未満の人は観覧できません。
『バイオハザード』(2026)は、『バイオハザード』シリーズ史上初めて、「Filmed For IMAX」とのことです。
参考
https://www.imax.com/ja/jp/movie/resident-evil
シネタス調布のIMAXのスクリーンで見ました。
ここは池袋グランドシネマサンシャインのIMAXやTOHOシネマズ新宿のIMAX同様「IMAXレーザー」方式ですが、池袋グランドシネマサンシャインのIMAXのスクリーンが巨大かつ「IMAXレーザー/GTテクノロジー」を採用しており通常のIMAXより上下が広く投影されるのと比較すると、シネタス調布のIMAXは「通常のIMAXレーザー」と言えるのではないかと思います。
シネタス調布のIMAXのスクリーンはさほど「巨大」ではないです。大き過ぎず小さ過ぎず、ちょうどよかったです。「巨大」なスクリーンで見たい人は少し不満を感じるかもしれません。
私の席は「k16」で、前後の中央よりやや後ろ、左右のほぼ中央、プレミアシートの前です。スクリーンの見え方もちょうどよかったです。