コンテンツビジネスに関する見本市 コンテンツ東京2023を見た印象

CONTENT TOKYO 2023
コンテンツ東京2023を見た印象

先月末に東京ビッグサイトで行われたコンテンツ東京2023を見に行き、少し間が開きましたがいくつか印象を書いておこうと思います。

CONTENT TOKYO 2023

コンテンツ東京は、5つの専門見本市から構成され、コンテンツビジネスを支えるあらゆる要素が出展する大規模国際総合展です。
https://www.content-tokyo.jp/ja-jp/about.html

以下の5つの展示会によって構成されていて、全てが東京ビッグサイトの東展示棟にエリア分けされて集まっていました。

ライセンシングジャパン〈キャラクター&ブランド 活用展〉
映像・CG制作展
クリエイターEXPO
広告クリエイティブ・マーケティングEXPO
先端デジタルテクノロジー展

事前登録をすることで無料で見ることができます。

今回私は映像・CG制作展を中心に、先端デジタルテクノロジー展やクリエイターEXPOのいくつかの展示を見たり、ライセンシングジャパンをざっと見て回りました。また、いくつかのカンファレンスも聴講しました。コンテンツ東京2023と同時にメタバース総合展とXR総合展も同じ場所で行われていて、先ほどの5つも含めそれぞれの展示会の名前がついていますが、これらはカテゴリー分けと捉えることもできます。

それぞれの見本市(展示会)の印象

見るブース(会社)をほぼ決めて見にいきましたので、目に入る内容にもバイアスがかかっていると思いますが、次のような印象を持ちました。

映像・CG制作展

映像・CG制作展ですので当たり前ですが、映像制作会社の出展が目立ちました。これまでInter BEEのようなどちらかというと業界向けの印象のある機器展やSIGGRAPH(シーグラフ)のようなCG表現に関するやや学術的な印象のある展覧会は見てきましたが、映像制作会社がこういった場所で宣伝するようになったことから、映像制作ビジネスが一般的になったと感じました。

ゲームだけでなく映像・映画、建築など様々な領域でスタンダードになりつつあるUnreal Engineを開発しているEpic Games Japanのブース内デモンストレーション(解説)はお客さんがたくさん集まっていました。

VTuber事務所のカバー株式会社のブースは、他企業とのコラボ案件などを説明するパネルがメインで、ビジネス展示会ならではという印象でした。

ライセンシングジャパン〈キャラクター&ブランド 活用展〉

ゆるキャラ系が多い印象でしたが、アニメキャラクターなど様々なキャラクター(のビジネス展開)を展示、宣伝していました。

先端デジタルテクノロジー展/メタバース総合展/XR総合展

メタバース、バーチャルプロダクション、バーチャルスタジオ系の展示が目につきました。

メタバースはいまだVR版セカンドライフといった域を出ていない印象でした。

背景の大型ディスプレイにロケーションなどの映像を投影し、あたかもそのロケーションで撮影したかのように撮影するバーチャルプロダクションを宣伝する会社もいくつかありました。

バーチャルスタジオに関しては、私は20年以上前にテレビ局の中でバーチャルスタジオ用CGの制作もしましたが、今も運用のしかたは基本的には当時と変わっていないように見えました。

カンファレンス

カンファレンスを聴講して自分の関心あるテーマについて専門家の取り組みや意見を聞くのは楽しいです。

クリエイターエコノミー × DAO

日本初のエンタメDAO『SUPER SAPIENSS』が目指すクリエイターエコノミーの形

CONTENT TOKYO 2023

登壇者

堤 幸彦さん (株)オフィスクレッシェンド 演出家 映画監督
本広 克行さん (株)プロダクションI.G 映画監督・演出家
佐藤 祐市さん (株)共同テレビジョン 第一制作部 ゼネラルディレクター
森谷 雄さん (株) アットムービー 代表取締役・プロデューサー
國光 宏尚さん (株) フィナンシェ 代表取締役CEO・ファウンダー

これまでのような製作委員会方式ではなく、DAO(分散型自律組織)
のプラットフォームを通じてクラウドファンディングを行った「スーパーサピエンス」という映画制作プロジェクトの紹介でした。

オンラインサロンとは違い、トークンを購入したサポーターが権利を持ちここでは「共犯者」と呼ばれ、制作に関われるとのことです。

映画監督・演出家である堤 幸彦監督、本広 克行監督、佐藤 祐市監督が共同で制作指揮をとり、プロデューサーの 森谷 雄さんと共に進行しているとのことです。

現在、堤 幸彦監督の『キラー・ゴールドフィッシュ』のプロジェクトが進んでいて、年内の大部分完成を目指し、年末に共犯者向けに公開予定で、ウェブトゥーン化も進めているとのこと。

本広さんは堤さんのサポートをしつつ何らかの側面を引き継ぎつつTikTokに向けて作る予定とのことです。

生成AIでコンテンツ・クリエイティブが進化する

ジェネレーティブAIで変わるコンテンツ制作とクリエイティブ

CONTENT TOKYO 2023

登壇者

深津 貴之さん note(株) CXO
Jerry Chiさん Stability AI Japan(株) Head of Japan
徳力 基彦さん note(株) noteプロデューサー

カンファレンスの会場は大きなホールでしたが、聴講者(お客さん)の入場時に、満員予定のため前から詰めて座るようにアナウンスがありました。昨今の生成AIのブーム下で関心の高さが伺えます。

会場でのざっくりした挙手アンケートでは、聴講者は、クリエイター系と発注側半々だったようです。

生成AIの特徴、画像生成AIの現状、AIを活用する上でのリスクや注意すべき点などについて紹介されました。

生成AIの特徴として、1、人間の言葉で命令できること、2、色々なことが1つのモデルでできること、3、コンテンツを作成できること、についてそれぞれ詳しく解説がありました。

画像生成AIについては、画像の周りを足す例など様々な例が紹介されました。

AIを活用する上でのリスクや注意すべき点については、統計的バイアスが含まれる可能性がある点や入力に際してセキュリティ上の意識が必要という点について話がありました。

また、クリエイティブ業界にこれから起こる変化として、作る人が増えるのでクリエイティブのクオリティが上がる点や、キュレーターやプロデューサーとしてのスキルセットが必要になることが話されました。

世界的ヒットコンテンツ制作の秘訣

世界で日本コンテンツが勝ち残るための価値想像と可能性

森井輝さん THE SEVEN CCO/プロデューサー

森井さんの、是枝監督の助監督見習いをしたり、フリーランスで制作部として11年間仕事をする中でキル・ビル1に参加したり、株式会社ロボットに12年間勤務した中で『海猿』『MOZU』『今際の国のアリス』を手がけ、その後昨年の8月にTBSの100%子会社THE SEVENに入社した経緯が話され、これまで見聞きしてきた海外のやり方を、最初から世界展開を目指すTHE SEVENのコンテンツ制作に活かそうとするビジョンが話されました。