ニューヨークフィルムアカデミーの授業 Screen Writing(脚本)

Screen Writing(脚本)の授業内容 概要

ここではニューヨークフィルムアカデミーのScreen Writing(脚本)の授業について紹介します。

Screen Writing(脚本)の授業では、それぞれの練習撮影プロジェクトのためのストーリーや、セメスター1フィルム(Semester 1 Film=セメスター1の最後に制作する作品)、イヤー1フィルム(year 1 Film=1年目の最後に制作する作品)、Thesis(卒業制作)など、要所要所のプロジェクトのためのスクリプト(脚本)は、Screen Writingの授業で開発していきます。実際に書く作業は授業外の時間で行います。

▶︎MFA Filmmakingコースの概要はこちらの投稿をご覧ください。

▶︎セメスター1フィルムについてはこちらの投稿をご覧ください。

▶︎イヤー1フィルムについてはこちらの投稿をご覧ください。

▶︎卒業制作についてはこちらの投稿をご覧ください。

授業では以下のことを勉強します。

・脚本に関わる概念や用語について
・ログラインから始まるストーリー開発の方法
・ストーリーの構成方法(三幕構成)
・フォーマットに則ったスクリプト(脚本)の書き方
・それらに基づいて授業外の時間で書いたログラインやスクリプトなどの読み上げや講評

 

脚本に関わる概念や用語について

コンフリクト(Conflict)、ステーク(Stakes)、キャラクターアーク(Character Arc)といった概念や、フラッシュバック(Flashback)、モンタージュ(Montage)といった用語を学びます。

ログラインから始まるストーリー開発の方法

まずは、ログラインを書きます。これは「どういう人物が何をする」ストーリーなのかを完結に表現する1つの文です。これがわかりやすく魅力的であることが重要とされ、ハリウッドのプロデューサーは、まずはログラインが魅力的かどうかで製作するかどうか判断するともいわれています。

ストーリーの構成方法(三幕構成)

アメリカの映画学校で学ぶストーリー構成は三幕構成です。日本ではストーリー構成の概念/手法として「起承転結」が用いられ、この2つは「三幕構成」が3つのパート、「起承転結」が4つのパートですので、一見異なる概念/手法に見えますが、実のところ3幕構成の2幕目、ACT2は前半と後半に分かれていますので、パート分けとしては似ています。それでも、3幕構成はその中でいくつかのストーリー上のポイントがあり、単に3パート又は4パートに分かれているわけではありません。

インストラクターによってポイントの分け方や使うキーワードが違いますが、一般化している考え方が基本となっており、概ね以下のような構成となっています。私なりにややアレンジして整理しています。「三幕構成」「three act structure」で検索すると色々出てくると思います。

この構造は面白いストーリーを作る上での有効な指針になりますが、ハリウッドの映画がどれも同じように感じる原因にもなっていると個人的には思います。

ACT 1
1)    Introduction of the world and the protagonist’s problem and flaw
 背景となる世界観、主人公の問題や欠陥の紹介

2)    Inciting Incident
 発端となる出来事

3)    Act 1 Turning Point
 第一幕のターニングポイント

ACT 2
4)    First major obstacle
 最初の大きな障害

5)    Crisis, the Second major obstacle
 危機、2つ目の大きな障害

6)    Mid Point, False Victory
 ゴールに近づいたと見えるが、物事が悪い方向へ向かう

7)    Lowpoint
 希望が失われる

ACT 3
8)    Epiphany/Rally/Plan
 ひらめき、盛り返し、プラン

9)    Climax, the protagonist’s important decision
 クライマックス、主人公の重要な決断

10)  Resolution
 解決

 

参考書として、ブレイク・スナイダーの「Save the Cat」からビート・シートというストーリー構成法も習います。

英語版


Save the Cat: The Last Book on Screenwriting You’ll Ever Need (English Edition)

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日本語版


SAVE THE CATの法則 SAVE THE CATの法則

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フォーマットに則ったスクリプト(脚本)の書き方

脚本のフォーマットは決まっており、用紙は縦位置で英語ですので横書きです。Final Draftというソフトが業界標準と言われているようですが、Celtxというフリーソフトを授業で知り、私はずっと使っています。元はパソコン用ソフトで、後にオンラインプリプロダクションツールとなりましたが、スクリプトを書く機能は引き続き無料で使えます。

Celtxウエブサイト
https://www.celtx.com/index.html

旧パソコン用ソフトについての説明(Celtxウエブサイト)
https://support.celtx.com/hc/en-us/articles/203337040-What-is-the-status-of-the-old-Celtx-Desktop-software-

Celtxのフリープランについての説明(Celtxウエブサイト)
https://support.celtx.com/hc/en-us/articles/207082088-What-s-included-in-the-Free-Basic-plan-

それらに基づいて授業外の時間で書いたスクリプトの読み上げや講評

書いてきたスクリプトはインストラクターとクラスメート用にプリントアウトをしておきます。学校内に自由に使えるパソコンがあり、プリンターも無料で使えます。それぞれのスクリプト内の登場人物の役をクラスメートに頼み(指名し)、読み合わせをし、クラスメートからも意見をだしつつ講評します。事前にメールで提出しておいて、授業中メールで配布されパソコン上で読む場合もあります。

ScriptとScreenplayの違い

学校の授業では脚本の意味でScriptと表現しており、上の説明中では「スクリプト(脚本)」と書きましたが、作家としても活動をしているアメリカ人に確認したところ、「Script」は広い意味で使われ「Screenplay」は映画やテレビ用のものに使われる、とのことでしたので、「Script」は日本語の「台本」に相当し「Screenplay」は映画やテレビ用の「脚本」に相当するようです。

テレビ用と書きましたが「脚本」という場合は主にドラマの「脚本」を表し、その他のバラエティなどの番組では「台本」と表現されると思います。