映画業界、卒業後のキャリアについて学ぶニューヨークフィルムアカデミーの授業

卒業制作用撮影と前後して受講する、業界、卒業後のキャリアについて学ぶ授業

ここでは、ニューヨークフィルムアカデミーの2年間のMFA Filmmakingコースのセメスター5で受講する「Master’s Professional Development」と、それとやや関連して、少しさかのぼりますがセメスター3でのゲストレクチャーについて書こうと思います。

業界、卒業後のキャリアについて学ぶ授業「Master’s Professional Development」

「Master’s Professional Development」は私なりに意訳すれば、「修士プロフェッショナルガイダンス」です。サブタイトルが「Navigating The Industry」だったと思います。キャリアパスの情報・考え方や心構えなど、卒業後どのように業界の中で仕事をしていくかについて、時に卒業生をゲストに迎えて実際の様子や考え方を聞きつつ学ぶ内容です。

インターンでカバレッジを書く仕事をした卒業生がゲストに来ました。

カバレッジとは、プロデューサーのところに毎日のように送られてくる売り込み用の脚本を読んで、ストーリーの要約と評価をつける仕事です。プロデューサー自身が多量の脚本を読まなくてもいいようにする目的で、企画開発職のインターンが行うことが多いようです。

私が留学を検討していた時に参考にした、当時映画学校AFIの学生だった木野下 有市 (きのした・ゆういち)さんの記事に、カバレッジを体験したクラスメートのことが書かれています。

▶︎ハリウッドの就職事情、インターン探しで見えた米国エンタメ業界

▶︎AFIのほか、アメリカの映画学校についてはこちらの投稿をご覧ください。

また、この授業では、アメリカにおける人種問題を改めて意識することがありました。

ある時黒人の講師(女性)に対して黒人のクラスメート(男性)が、「黒人がこの業界で活躍していくことの難しさに不安があるがどう思うか。」と質問をしました。たしかその時の答えは、黒人である自分もずっと仕事をしているし本人次第だ、というようなものだったと思いますが、黒人学生の質問から、そういった気持ちが黒人の中にあるということに改めて触れた事として印象に残っています。

▶︎映画制作と黒人についてはこちらの投稿もご覧ください。

ゲストレクチャー

セメスター3では、外部のプロデューサー兼ディレクターを招いた数日間のレクチャーもありました。

「600万ドルの男」(The Six Million Dollar Man)(プロデュース、脚本)、「地上最強の美女バイオニック・ジェミー」(The Bionic Woman)(プロデュース、監督)、「V」(プロデュース、脚本、監督)など多数のテレビドラマシリーズを手がけたケネス・ジョンソンによる短期間のレクチャーです。(脚本、監督などは別の人が担当した回もあります)

Vを実現させていく上での様々なエピソード披露しつつ、映画業界に入るためのアドバイスをすることが、この授業の一つのテーマだったと思います。

すでに高齢ですが、温和でエネルギッシュな人でした。