日本のサバイバルゲーム、デスゲーム系映画・ドラマ(ネタバレあり)

日本はサバイバルゲーム、デスゲーム系の映画やコミックが多くないか?

Netflixの日本ドラマ『今際の国のアリス』(いまわのくにのアリス)をアメリカ人の知人から教わり、見てみました。失業中で家族からも疎まれている若者がデスゲーム(失敗すると死ぬゲーム)に巻き込まれる話です。

『今際の国のアリス』についてはこちらの投稿もご覧ください。

刺激のある設定が目につきやすいためか、日本ではサバイバルゲーム、デスゲーム系の映画やコミックをしばしば目にします。好き嫌いは分かれると思いますが、こういった映画やコミックが生まれるのにはいくつか理由があるのではないかと思います。

・制作側は、刺激的なストーリーが作りやすい
目標達成に失敗した場合に何かを失うリスクをステークといい、ストーリー作りでは高いステークが良いとされますが、失敗したら命を失うとなればステークは非常に高いです。主人公をはじめとする登場人物たちは、否応なく文字通り命がけで目の前の状況に対処していくことになり、それが物語を牽引します。

・観客の現実生活での不安や不満の感情の矛先、はけ口として機能している
映画の観客やコミックの読者は、刺激的なストーリーに惹かれる以上に、現実の競争社会で不安や不満を抱えており、その感情の矛先、はけ口としてサバイバルゲーム、デスゲームのストーリーに惹かれるのかもしれません。ただし、本当に身の危険を感じるほどに追い込まれている場合はデスゲームの話を見たくはないかもしれませんが。

サバイバルゲーム、デスゲーム系の日本の映画・ドラマ リスト

網羅はできていないと思いますが、サバイバルゲーム、デスゲーム系の映画やドラマをリストアップし、過去に見たものも含めいくつか見てみました。以下紹介します。

映画によっては、内容が「ゲーム」のカテゴリーからやや離れるものであったり、強制的に参加させられるストーリーだったり、自分から参加する人もいるストーリーだったり、映画の演出方法も様々です。また、ゲームを成立させるための舞台設定もそれぞれです。デスゲームではなくギャンブルやお金に絡む内容のものも含みます。全てを見たわけではありませんので、認識が間違っているものもあるかもしれません。

『バトル・ロワイアル』(2000年12月16日公開)

・小説の映画化 コミックもあり
・デスゲーム

■ストーリー
ある中学生のクラスが無人島で最後の一人になるまで殺し合いをするクラスに選ばれ、主人公の男子生徒は、早々に命を落とした親友が好きだった女子生徒を守りながらゲームから脱出しようとする。

「ゲーム」という表現が適切かわかりませんが、理不尽な殺し合いをさせられるデスゲームとなっています。生徒それぞれの性格・特徴や普段のいじめや恋愛に関する人間関係が生き残るための行動に影響し、殺し合いという極限状況の中でも、誰が誰のことを好きというような会話が出てきます。

一方、生徒から嫌われ、ナイフで刺されたこともある以前の担任がその殺し合いを進める役割として参加しますが、その彼もある思いを抱えており、嫌われている娘に最後に電話で話すセリフに、この映画のテーマが表現されているのかもしれません。

多くのデスゲーム系の映画やコミックのストーリー中、ゲーム参加者(参加させられている人たち)へゲーム内容を説明する映像や音声が、命をかけたひどいゲーム内容に比較してやけに明るい口調であったり使われる文字がひらがなであったりする演出がしばしば見られます。この映画でもゲーム内容を説明するビデオのお姉さんが子供番組のような明るい調子の喋り方をします。こういった演出はこの映画が最初でしょうか。

ビートたけしさんが元担任を演じており、ハマり役だと思います。この映画で主演の藤原竜也さんは、後述の『カイジ』や『インシテミル 7日間のデス・ゲーム』でも主演をつとめています。また、ビデオのお姉さんを『新世紀エヴァンゲリオン』の惣流・アスカ・ラングレー役の宮村優子さんが演じています。

『バトル・ロワイアルII 鎮魂歌(レクイエム)』(2003年7月5日公開)

・オリジナル ノベライズあり
・デスゲーム

『ライアーゲーム』(ドラマ)(2007年4月14日~6月23日)

・コミックのドラマ化
・お金を奪い合うゲーム

『リアル鬼ごっこ』(2008年2月2日公開)

・小説の映画化 コミック、ドラマもあり
・デスゲーム

『カイジ 人生逆転ゲーム』(2009年10月10日公開)

・コミックの映画化
・カードゲーム、デスゲーム

■ストーリー
自堕落なアルバイト暮らしをしている青年が、知人の連帯保証で借金を背負い、勝てば借金がチャラになるというゲームに参加し、理不尽で卑劣なゲーム内容に怒りつつ勝ち進み生き残っていく。

カードを使ったじゃんけんやビルの高いところを結ぶ鉄骨渡りなどの、わかりやすいゲーム内容と、主人公の感情や勝った戦略のネタバラシをセリフや解説アニメ(ストーリー中のものではなく、映画の観客用のもの)で表現してわかりやすいことが特徴です。盛り上がる部分は音楽でも盛り上げています。最初のじゃんけんは負けても工事現場で強制的に働かされるだけですが、鉄骨渡りは失敗すれば落下して死亡するデスゲームです。3つ目もカードゲームで、負けると地下労働となっています。

『ライアーゲーム シーズン2』(ドラマ)(2009年11月10日~2010年1月19日)

・コミックのドラマ化 シーズン1の続編
・お金を奪い合うゲーム

『ライアーゲーム ザ・ファイナルステージ』(2010年3月6日公開)

・ドラマの続編 劇場版
・お金を奪い合うゲーム

『デス・ゲーム・パーク』(ドラマ)(2010年4月20日~)

・小説の映画化
・デスゲーム

『リアル鬼ごっこ2』(2010年6月5日公開)

・映画第1作の続編
・デスゲーム

『インシテミル 7日間のデス・ゲーム』(2010年10月16日公開)

・小説の映画化
・デスゲーム

『バトル・ロワイアル3D』(2010年11月20日公開)

・3D映画版
・デスゲーム 

『人生逆転ゲーム』(2010)

・デスゲーム

『GANTZ』(2011年1月29日 日本公開)

・コミックの映画化
・デスゲーム(異形の化け物との戦い)

■ストーリー
電車に轢かれて死んだはずの大学生2人が謎の黒い球体「GANTS」のある部屋で目覚め、異形の星人たちとの戦いを強いられる中、それぞれ自分の存在意義に向き合う。

『GANTZ PERFECT ANSWER』(2011年4月23日 日本公開)

・映画2部作の完結編
・デスゲーム

『カイジ2 人生奪回ゲーム』(2011年11月5日公開)

・コミックの映画化第2弾
・ギャンブル

カイジの2作品目はギャンブルがテーマでデスゲームではありませんが紹介します。

■ストーリー
また借金を負って地下労働をする青年が、仲間の期待を負って地上でギャンブルをしようとし、新しい協力者も得てモンスターパチンコ台に挑戦するが、過去のゲームの関係者たちもそれぞれの思惑を抱えて現れ翻弄される。

今回は基本的に裏カジノでの大型パチンコをめぐる話で、そこに挑む主人公と、彼の周りに現れる過去のゲームの関係者の誰を信用していいか駆け引きの内容となっています。前作の役者に加え個性派の役者も増えてコミカルな要素も加わり、リアルで緊張感のあるシリアスさよりも、わかりやすくサクサク見られる内容となっています。

前作同様、登場人物の感情や戦略のネタバラシをセリフや解説アニメ(ストーリー中のものではなく、映画の観客用のもの)で表現してわかりやすくなっています。

『フクナガVSヨコヤ』(ドラマ)(2012年2月)

・『ライアーゲーム』のスピンオフドラマ

『ライアーゲーム 再生(リボーン)』(2012年3月3日公開)

・お金を賭けたゲーム

『アリス IN ライアーゲーム』(ドラマ)(2012年3月5日~8日)

・『ライアーゲーム 再生』のスピンオフドラマ

『リアル鬼ごっこ3・4・5』(2012年5月12日、19日、26日公開)

・デスゲーム

『ビンゴ』(2012年9月22日公開)

・小説の映画化
・デスゲーム

『リアル鬼ごっこ THE ORIGIN』(ドラマ)(2013年4月10日〜6月26日)

・小説のドラマ化

『人狼ゲーム』シリーズ

人狼という複数人参加の会話によるパーティーゲームを元にしています。細かいルールははしょりますが、人狼は、概ね以下のようなゲームです。

参加者は、人狼数人と残りの村人の役割に分かれ、村人は誰が何の役割か分かりません。毎晩人狼は村人を一人殺し、昼にはそれぞれ嘘を言ったりして駆け引きをし、毎日全員が集まり、人狼と思われる者を投票で決め、処刑します。間違って村人を処刑してしまう場合もあります。全ての人狼が処刑されれば村人の勝ち、村人の人数が人狼の数以下になったら人狼の勝ちです。村人の中には特殊な役割を持つ者がいて、駆け引きを複雑に(ゲームとしては面白く)しています。

デスゲームは作り手側が刺激的なストーリーが作りやすいと書きましたが、人狼を元にしてデスゲーム映画としたのは一つのアイディアだと思います。他にも制作上のメリットがあると思います。

・(ストーリーしだいだが)ロケーションが少なくてすむ

・人狼ゲームの行われる場所が屋内であれば、撮影上、天気の影響を受けづらい

しかし、上記のメリットと同時に、映画にする上での難しさ、ハードルも抱えていると思います。いくつかあります。

・人狼ゲームのルールが複雑なため、人狼のルールに馴染みがない観客にはストーリーがわかりづらい

・人狼ゲームが概ねことばの駆け引きで進んでいくため、その駆け引きを映画の見どころにするためには演出力と演技力が必要で、それがないと単に感情的になったり殺したりする話になってしまう

人狼のルールを知らない観客にも理解してもらって映画を楽しんでもらうためにも、演出力が必要になるだろうと思います。

・ストーリー中、初めてこのゲームに参加させられた登場人物はルールについていけず混乱するが、その混乱した様子が嘘である場合には、その登場人物がうまくミスリードするのかミスリードが下手か、適切に演出、演技する必要がある

ストーリー中では役割の割り当ては無作為ですが、観客側からは、どの役者がどの役割を割当てられ、どのタイミングで退場するかを想像する見方をできますね。

『人狼ゲーム』(2013年10月26日公開)

・小説の映画化 ドラマ、コミックもあり
・デスゲーム

『人狼ゲーム ビーストサイド』(2014年8月30日公開)

・デスゲーム

■ストーリー
突然知らない場所の無人の建物で目覚めた高校生10人が、殺す役割(人狼)2人とそれ以外の役割(村人他)を割当てられたゲームに参加させられる。

変わった映画だと感じます。

カメラワークは、多くの映画では観客にカメラマンの存在を感じさせないように撮影すると思いますが、この映画では意図的かどうかわかりませんが手持ちカメラで手ブレし、フォーカスがずれたり一人の表情をずっと追っていたり急なズームインやズームアウトもするため、ストーリーの中にカメラマンがいるかのように感じます。

シーンの切り替わりで音楽が途中で途切れたり荒削りな編集となっていますが、その荒削りさが、ラフなカメラワークと合わさり独特な生々しさを出しています。

音楽について指摘しましたが、基本的には音楽は少なめです。

上記の特徴の中で見るせいか、演技というよりただキレて叫んだりめそめそする様子も自然でリアルに感じ、映画というより、殺し合いのゲームのドキュメンタリー番組を見ているような印象です。

『今際の国のアリス』でアリスを演じている土屋太鳳(つちやたお)さんが、この映画でも主演の脈絡なく歌を歌う奇行をする人物を演じています。この歌は土屋太鳳さんが作詞・作曲したようです。

『神さまの言うとおり』(2014年11月15日公開)

・コミックの映画化
・デスゲーム

『脳漿炸裂ガール』(2015年7月25日公開)

・ボーカロイド楽曲の映画化
デスゲーム

『人狼ゲーム クレイジーフォックス』(2015年12月5日公開)

・デスゲーム

『ドクムシ』(2016年4月9日公開)

・小説を元にしたコミックの映画化
・デスゲーム

『人狼ゲーム プリズンブレイク』(2016年7月2日公開)

・デスゲーム

『シンデレラゲーム』(2016年10月1日公開)

・小説の映画化
・カードゲーム デスゲーム

『人狼ゲーム ラヴァーズ』(2017年1月28日)

・デスゲーム

『トモダチゲーム』(ドラマ)(2017年4月)

・コミックのドラマ化
・借金返済のためのゲーム

『トモダチゲーム 劇場版 FINAL』(2017年9月2日公開)

・借金返済のためのゲーム

『人狼ゲーム マッドランド』(2017年7月15日公開)

・デスゲーム

『人狼ゲーム インフェルノ』(2018年4月7日公開)

・デスゲーム

『カイジ ファイナルゲーム』(2020年1月10日公開)

・ギャンブル

『人狼ゲーム デスゲームの運営人』(2020年11月13日)

・デスゲーム サスペンス

■ストーリー
人狼ゲームの運営側のスタッフの一人が、ゲームに集められた人の中にかつて家庭教師をした教え子を見つけ、昔からの知り合いであるスタッフ以外の運営スタッフ達には気づかれないように助けようとする。

運営側とゲーム参加者側の両方が描かれます。ストーリーはゲームの進行を追いながらも、助けようとする人に直接接触できない中、ゲームの進行を予測しながら他の運営スタッフ達には気づかれないように、指示する内容や指示する方法を色々考え実行していく様子が見どころとなっています。

『今際の国のアリス』(ドラマ)(2020年12月配信)

・コミックのドラマ化
・デスゲーム

■ストーリー
失業中でやる気がなく家族からも疎まれている若い男が数少ない友人たちと渋谷にいる時、突然周囲から自分たち以外の人が消え、失敗すると死ぬゲームに他の参加者といっしょに参加させられ、それぞれのゲームを生き残っていく中で生きることの意味に向き合う。

主人公たちが渋谷にいる時に突然自分たち以外の人が消え、デスゲームに参加せざるを得ない状況になります。原作を読んでいませんのでシーズン2以降どうなっていくのか分かりませんが、シーズン1を見た限りでは、このゲーム世界は一種のパラレルワールドのように見えます。たくさんの人がいる都会でデスゲームが行われたら大混乱になってゲームどころではなくなるでしょうし、今作はドラマのため上映時間が長く、場所も内容も異なるいくつものゲームが出てきますのですので、パラレルワールドにするのは一つのアイディアだと思います。