『今際の国のアリス』シーズン2:各話のあらすじ、ゲーム内容、印象的なセリフ

『今際の国のアリス』シーズン2
あらすじ、ゲーム内容、印象的なセリフ、特徴と感想

Netflixのデスゲームドラマ「今際の国のアリス」のシーズン2が配信されています。ここではシーズン2各エピソード(話)のあらすじとゲーム内容、印象的なセリフ、このドラマの特徴や感想のほか、結末とジョーカーの意味についての考察を書こうと思います。

Netflixの「今際の国のアリス」シーズン2のニュースページ
https://about.netflix.com/ja/news/alice-in-borderland-season-2-lands-1-spot-on-global-non-english-tv-list-in

「今際の国のアリス」の企画・制作会社ROBOTのシーズン2紹介ページ
https://www.robot.co.jp/special/aliceinborderlandseason2/

▶︎「今際の国のアリス」のシーズン1についてはこちらの投稿をご覧ください。

『今際の国のアリス』シーズン2 ストーリー

青年が巻き込まれたデスゲームのステージが上がり、ゲーム世界の住人となった人々の作ったゲームをクリアしていった末に、この世界の真実が明らかになる。

各エピソード(話)のあらすじ、ゲーム内容、印象的なセリフ
 
エピソード1

アリス、ウサギ、チシヤ、クイナ、昼間の渋谷スクランブル交差点に立つ。「ビーチ」のメンバー達が何台もの車で来る。ルール説明がないままどこからかライフルで射撃され、皆逃げる。スペードのキングの図柄の巨大な旗(複数の旗をつなげたもの)を下げた飛行船が飛んでくる。ライフルを持った男(スペードのキング)が現れる。タッタとアンが車で駆けつけアリスたちが乗り込む。チシヤ乗り遅れる。アリス達の車をスペードのキングも車で追って撃ってくる。ハリウッド映画ばりのカーチェイス。車がクラッシュ。アリス、ウサギ、タッタ、クイナ、なんとかまいてビルに逃げ込む。

車を調達するタッタとクイナ。食料を調達するアリスとウサギは客と店員のマネごとをする。死んだ親友達のことを思い出すアリス。父親のことを思い出すウサギ。彼女の父は国際的な登山家だったが、単独無酸素登頂に関する虚偽疑惑の中、山へ行き帰ってこなかった。「今でもあの世界を憎んでる」というウサギに、アリスは「俺が命掛けてもウサギを守るから一緒に帰ろう」と言うが、うサギは「ごめん」と言う。車調達組が2人をピックアップする。敵に襲われないために別のゲームに参加することにする。情報も得られるかもしれない。

車で港のそばのコンテナが積まれている場所に行く。参加者は5名。テーブルに腕輪が置かれ、装着を促すメモ。ニラギがいる。入る。コンテナで囲まれた広場にクラブのキングチームが入ってくる。裸の男、クラブのキング、キューマ。「俺たちはこの国の国民だよ」

印象的なセリフ
アリスの父「人殺すゲームがそんなに楽しいか?」

【ゲームの場所】昼間の渋谷の街全体

【GAME】スペードのキングがライフルを撃ちつつ追ってくる
【難易度】スペードのキング
【ルール】ルールの説明なし

 

エピソード2

ロックバンドのライブ。クラブのキングチームがかつてのバンド仲間と分かる。「俺はこのメンバーのリーダー」とキューマ。「ゲームは俺たちが作った」「あなた達国民と直接戦い合うってこと?」とウサギ。「そう。絵札のゲームはすべて国民との生死を懸けた対戦ゲームだ。負けたほうが全員死ぬ」キューマからルールが説明される。相手の点数を奪ったり点数を獲得するゲーム。点数は腕輪に表示される。「すべてのゲームをクリアしたら元の世界に戻れるのか?」とアリス。「真実が知りたきゃ、まずは俺と真剣勝負しろ」とキューマ。

アリスのチーム、いい滑り出し。敵のような存在だったニラギともハイタッチするが陰で咳き込み血を吐くニラギ。相手メンバーは仲がよく、のほほんとしている。陣地を守っているタッタのところへ相手チームの4人が4方向から走ってくる。タッタが最初に触った人は点数移動で死ぬが、他の人にポールを触られたので逆転される。その後も点数は開く一方。起死回生の案として、無効状態のままのアリスが突撃するが、あまりうまくいかなかった。ウサギは諦めずアイテムをゲットする。しかし他のメンバーは諦めている。具合の悪いニラギ、ウサギを襲う。アリスは相手チームの陣地へ行く。

印象的なセリフ
キューマ「これは命懸けのゲームだ。負けたほうが死ぬ。君の生きざまを見せてくれ」
ニラギ「ゆがんでいたから嫌われたのか、嫌われたからゆがんだのか」

【ゲームの場所】迷路のような広大な昼間の港湾コンテナエリア

【GAME】「すうとり」
【難易度】クラブのキング
【ルール】制限時間2時間 お互いの点数を取り合って、最終的に点数の多いチームがゲームクリア

 

エピソード3

タッタの回想。車の整備工場で先輩に怒られてばかり。「おい、ここ締まってねーぞ。馬の位置も悪い。事故るぞ」飲み屋でぐちを言うタッタ。別の日、タッタがジャッキを抜いたら馬が倒れて先輩が下敷きになる。手が使えず仕事をやめるらしいと言うヒソヒソ話を耳にするタッタ。

回想から戻る。タッタが自分の腕を犠牲にして腕輪を外し、アリスがこっそり持ち合計点でキューマに挑み、勝つ。アリスとキューマが話す。「すべてのゲームをクリアしてもこの世界の国民になるだけで、元の世界には帰れないのか?」「君がそう感じたのなら きっとそれが真実だよ」ウサギ、クイナに起こされる。タッタ死ぬ。

場面変わって夜。中央刑務所。建物内にテーブル。「首輪を装着して、二階中央監視所にお上がりください」参加者の男、首輪つける。上に上がると15人くらいの参加者。チシヤもいる。首輪の後ろにトランプのマークが表示される。自分では見えない。制限時間1時間の5分前に独房に入り自分の首輪の後ろのマークを答える。答えられなければ死ぬ。参加者の中にハートのジャックが一人潜んでる。ハートのジャックがゲームオーバーになったらクリア。いくつかのペアやグループができてお互い教え合うが、陥れようとされて死んでいく。チシヤとペアを組んだ人は精神的に参ってもう降りるといって死ぬ。チシヤ「オレピンチじゃん」

印象的なセリフ
キューマ「早く見つかるといいね 誰かのマネじゃなく 君にとっての本当の生きる意味が」

前半のゲームは引き続き「すうとり」

後半のゲーム

【ゲームの場所】夜の刑務所(ゲーム世界のためゲーム参加者以外無人)

【GAME】「どくぼう」
【難易度】ハートのジャック
【ルール】自分の首輪の後ろに現れたマークを当てましょう

 

エピソード4

バンダとペアの男マツシタに取り入って自分のマークを教えてもらおうとするチシヤ。ダイヤだがハートだと嘘を教えられる。コトコとペアの男ヤバ、俺はあいつ(バンダ)がジャックだと思う。チシヤ、コトコに話しかける。「俺のはクラブだよね」コトコ答えない。コトコ、ヤバにクラブだがダイヤと嘘を教える。バンダとペアの男マツシタ、バンダにハートだがスペードと言う。時間になりそれぞれ独房に入る。それではお答えください、と合成音声。爆発音が聞こえる。マツシタ、独房から出てくる。「勝った」高笑いする。チシヤも出てくる。「やっぱり君がハートのジャックだったんだね」バンダも出てくる。ヤバも。ヤバとバンダ、マツシタに刃物を突きつけ「この国の秘密をすべてしゃべってもらう」建物から出てくるチシヤ。飛行船が爆発する。

場面変わって、カイト(亀山海斗)のフィルムカメラの自撮り。無法地帯となっているコミュニティ。

場面変わって、落胆するアリス。ゲームをすべてクリアしても元の世界には帰れないのかもしれない。アンやチシヤを探しに出るクイナ。亡くした友人達を回想するアリス。ヨモギを採るウサギ。ウサギに促され一緒に狩りに出るアリス。獲物が取れない。物音がして見に行くと人が大勢死んでいる。死ぬ間際の男(カイト)が、「フィルム」と言って息絶える。キャンピングカーの中に写真の現像液やフィルム。再生するとアンも映ってる。「都心から離れるほど、街が植物化してる」「東京の外に出てみる」映像は続く。あるコミュニティへ行き、ある女に花火の話を聞く。「あれは実は…」言いかけた時スペードのキングに銃撃され殺される。カイト息絶えて映像終わる。そこへ地響き。飛行船が来る。銃撃され、逃げる。アリス、おとりになって森の中を逃げウサギとははぐれる。スペードのキングが迫る。刀のようなものにはばまれ意識を失う。目覚めると義足の女ヘイヤが現れる。アグニが彼を担いできた。

印象的なセリフ
カルベ「人生ってのはな、行き詰まっているようで必ずその曲がった先に道が細~く続いてるもんなんだよ」

前半のゲームは引き続き「どくぼう」ただし夜は開けている

後半のゲームは都市全体でスペードのキングの続き

エピソード5

森の中でアリスを探すウサギ。アグニ「スペードのキングをしとめる。お前も手伝え」ヘイヤの回想。高飛車な女子高生だった。街で花火を目撃。夜のスタジアムでゲーム。地響き。地面が次々に爆発しヘイヤ逃げるが爆発に巻き込まれる。目覚めると鉄の棒が足に刺さっている。そばで熱湯が湧いている。足を抜いてダクトへ這い出る。

ヘイヤの回想中のゲーム

【ゲームの場所】夜のスタジアム

【GAME】「かまゆで」
【難易度】スペードの7
【ルール】ゲーム会場が倒壊するまでに脱出できればゲームクリア

 

アグニ、ボーシヤのイメージを見る。朝起きてスペードのキングを倒しに出る。コンパスのとおりなら吉祥寺駅周辺だが森の中。首をつっている人を見つける。再びヘイヤの回想。意地でも生き延びる。一方、ウサギ、家に入って物色するが、食べられそうなものはない。女と少年に会う。部屋で父親を回想するウサギ。森の中を歩くアン。「どこまで続くのこの森」

ウサギ、少年を連れてゲームに参加。海沿いの夜の工場(コンビナート)。アリスがいる。ゲーム「ちぇっくめいと」モニターにスペードのクイーンが出てくる。クイーンチーム4名と挑戦者チーム16名からはじめ、背中にしょった光るボタンを押されると相手側の一員となり、最後人数が多かったチームの勝利となる。ボタンを装着しゲーム開始、クイーンチームが優勢になると、みんな挑戦者チームには戻らなくなる。とうとう、アリスとウサギと少年だけになる。スペードのクイーンはアリスを狙う。

印象的なセリフ
アリス「生きるために理由なんかないよ」

【ゲームの場所】夜のコンビナート

【GAME】「ちぇっくめいと」
【難易度】スペードのクイーン
【ルール】クイーンチームはクイーンが王様。少年が挑戦者側の王様に指名される。クイーンチーム4名と挑戦者チーム16名からはじめ、背中にしょった光るボタンを押されると相手側の色に変わり、そのターンは動けなくなり、次のターンでは相手側の一員になる。王様はチームを変わることができない。交互に全部で16ターン。1ターンの持ち時間は5分。16ターン後に人数が多かったチームの勝利

 

エピソード6

引き続き夜のコンビナート。ウサギがスペードのクイーンを阻もうとするが倒される。相手はウサギのボタンの色を変えずにアリスを追う。(アリスを自分側にして、ウサギは挑戦者チームのままで死ぬように)ウサギ、3人青にし、仲間になるよう説得しようとする。あんたそんなに元の世界に戻りたいのか? あそこは最悪だった、と男。私は元の世界に帰りたい!とウサギ。一人こちら側に寝返る。その後、逆転する。クイーン、「ゲームをクリアした時にだけ、その答えがわかる」「私は最後まで自由に生きたいの」スペードのクイーンが身を投げ、レーザーで撃たれる。

アリスとウサギ、他のメンバーと別れ夜の街を歩く。破壊された廃墟?に入る。温泉が湧いていて入る。ゾウも入っている。アリスとウサギ、キスする。

ビルに蔦が絡まり荒廃した都市を歩くクイナ。母親の病室を見つける。乱れたベッド。誰もいない。お母さんと二人の写真を手に取る。おかんに会いたい。

森の中で座るアン。シカの死体を見つける。回想。検視官の仕事。「まだ希望はある」建物の上空に飛行船。

昼間の最高裁判所。新たなゲーム。チシヤがいる。「へえ あんたがダイヤのキングだったんだ」元ビーチ幹部、ナンバー2のクズリュウ。数字を選び、平均点に0.8をかけた値に最も近い人が勝ち。頭の上に天秤。負けると硫酸が注がれる。クズリュウの回想。弁護士だった。顧客と意見が合わない。工場が投棄した汚染物質による環境問題が原因で周辺住民から20名の死者が出たことに対して和解額を提示し直すことを提案するが、却下される。企業が和解金を払わなかったせいで、まともな治療を受けられず、亡くなっていったよ。チシヤの回想。チシヤは医者だった。自分の担当する患者の少年への移植の順番が、院長の知り合いの孫に先に移植するために後回しになり、担当する少年亡くなる。そんなことが何度もあったことが示唆される。回想から戻る。最後はクズリュウとチシヤの一騎打ち。クズリュウは自ら負け(死)を選択する。

夜、寝ているアグニにキスして発つヘイヤ。

アリスとウサギ。ここまで来れたんだから、何があっても最後まで戦おう、とウサギ。

クイナ、アン、ヘイヤ、それぞれ決意とともに次に向かう。

印象的なセリフ
ボーシヤ(クズリュウの回想)「こんなろくでもない世界を生きてんだ。理想まで捨てたらおしまいだろ」
クズリュウ「ようやく、自分の生き方を決められたのかもな。君のおかげだ」

【ゲームの場所】昼間の最高裁判所屋内

【GAME】「てんびん」
【難易度】ダイヤのキング
【ルール】制限時間3分の間に0から100の中から数字を1つ選ぶ。全員が選んだ数字の平均値に0.8を掛け、この値に最も近い数字を選んだ人が勝者。勝者以外の4人が1ポイント減点となり、これを1回線とする。減点が10ポイントに達した時点でその参加者はゲームオーバー。最後に生き残った1人がゲームクリアとなる。ただし敗者が出るたび新ルールが追加される。

 

エピソード7

植物に覆われたビル群。足をひきずりながら歩くニラギ。自殺しそこねた男に殺してくれと言われ、口に銃口をねじ込むが殺さない。「最後まで苦しみもだえてくたばれ」

難易度クラブのクイーン「たーげっと」。クイナとアンが会う。光るボール投げのゲーム。その他のゲームも行われる。アンとクイナは燃えて落ちる飛行船を背に歩く。

植物が絡まり荒廃した都市(渋谷)で、死体から武器を調達するアリス。荒廃したスクランブル交差点に立つアリス。チシヤが来る。チシヤが自分語りを始めようとしている時、撃たれる。ニラギが来る。ニラギが挑発するが、アリスは挑発に乗らない。ウサギが来る。ニラギがウサギを撃ったとき、チシヤが盾になって犠牲になる。アリスはニラギを撃つ。ニラギ、生きてる。

スペードのキングの飛行船来る。銃声。逃げる人々。クイナとアンが来る。スペードのキングの銃口に狙われ、あわやというとき、車が突っ込んできて爆発。スペードのキング生きていて撃ってくる。アグニ、アン、ウサギ、クイナ、ヘイヤが囮になる。アリスがコンビニにスプレーのガスを充満させる。アリス以外やられ、瀕死。アリス、シーラビ(スペードのキング)をおびき寄せるが、警戒してドアから入ってこない。アグニが飛びかかり、倒れ込んで来る。爆発させる。アグニ、立ち上がる。アリス、ギリギリ生きている。アグニが息も絶え絶えなシーラビの前に立つ。シーラビ、銃をアグニに渡す。シーラビの回想。かつて自分が銃を渡される側だった。アグニ「お前を憎んだことは一度もなかったよ」シーラビを撃つ。アグニ、自分の頭に銃口を向ける。が、ボーシヤの幻影が現れる。許しを請うのは俺のほうだった。親友に嫌な役目を押しつけて。達者でいてくれよ、と言い、笑顔を投げかけて去っていくボーシヤ。爆発で一層廃墟となった渋谷の空を落ちていく飛行船。

横たわるアグニ。這うヘイヤ。「あかん、もう立てへん」とクイナ。アン、「あと1つなのに」と言い息絶える。

アリスの腕の中でウサギ目覚める。最後のゲームへのエントリーを促す放送。チシヤもニラギも倒れてはいるが死んでない。その前を歩くアリスとウサギ。渋谷の高層ビルの上にハートのクイーンの飛行船。建物に入り、屋上に出る。ティーガーデンのような場所に入る。ミラ「ようこそ最後のゲーム会場へ」

印象的なセリフ
ニラギ「俺たちの中には結局エゴしかねえんだよ。自分さえよけりゃそれでいいんだよ」「てめえはよかったな、大勢側の人間で」
アリス「俺はもう、弱くて自分勝手な俺には戻りたくねえ」
チシヤ「自分が誰よりも卑しくてむなしい人間だって責められてるみたいで、怖かったんだよ」
アン「またどっかで会ったら友達になろう」

【ゲームの場所】昼間の屋内球技場?

【GAME】「たーげっと」
【難易度】クラブのクイーン
【ルール】(映像中で説明はされない)

 
その他のゲーム
綱上り(クラブのジャック)
麻雀(ダイヤのジャック)
迷路脱出(ハートのキング)

 

エピソード8

横たわるアグニ。うめくヘイヤ。死んだアンと息絶え絶えなクイナ。チシヤ、ニラギも倒れている。上空から見下ろす、植物に覆われ荒廃した渋谷。高層ビルの屋上にティーガーデン。

クロッケーを3セットして途中棄権せずにやり終えることがゲームクリアの条件。ウサギ、出血している。早く進めようとするアリスだが、お茶にしようと言うミラ。「このゲームが終わったら元の世界に帰れるのか?」とアリス。ミラ、適当な作り話をしてはぐらかしたり、アリスの感情を逆撫ですることを言ってゲームクリアできないように仕向ける。「俺は答えが知りたい」「そんなに知りたい?」「今あなたが見ている世界は現実ではない、幻覚」「あなたは大切なお友達を亡くした。そのショックで記憶を失った」「私はあなたの主治医、加納未来。精神科医。あなたは私のカウンセリングを受けている」

病院。ミラのカウンセリングを受けているアリス。ウサギも患者としてそばにいる。「さあ、先生に話してみて。あの花火を見た時、本当は何があったのか」回想。渋谷のスクランブル交差点で悪ふざけをしていて、カルベとチョータは車にひかれた。「俺のせいであいつらは」「全部思い出したようね」「途中棄権の意思を確認できればゲームは終わる」「この薬を飲むと落ち着くわ」飲もうとするアリスをウサギが押し、アリス倒れる。目を覚まさせようと自分の手首を切るウサギ。アリス倒れたまま。ではゲームは終わりね、とミラ。ウサギの手に手を伸ばすアリス。「俺はウサギともう一度手をつなぎたい」「俺はウサギを守りたい」困惑するミラ。ゲームを続けよう、とアリス。

ティーガーデンに戻る。夕日。またクリケットをする。見ているウサギ。夜になる。最後はミラが勝つ。「3回、途中棄権せずにあなたたちはゲームをやり終えた。おめでとう、アリス」「ゲームが終了しました」とアナウンス。「なあ、結局ここは何なんだ?」「2つの選択肢どちらを選んでも答えは分かる。あなた自身が何者なのかもそこで分かる」ミラ、レーザーに撃たれ倒れる。「おめでとうございます。ただいまをもちまして今回のゲームがすべてクリアされました」飛行船爆発する。花火が上がる。

【ゲームの場所】渋谷の高層ビルの屋上のティーガーデン

【GAME】「くろっけぇ」
【難易度】ハートのクイーン
【ルール】クロッケーを3セット途中棄権せずにやり終えることがゲームクリアの条件。途中棄権すればゲームオーバー

 

生き残ったプレーヤー全員に、この国の国民となる永住権を手にするかしないかの選択肢が与えられる。みんなそれぞれの選択を言う。ウサギ「私は永住権を手にしない」アリス「俺も手にしない」

場面変わってカルベの店。他愛ない会話。これは幻影? 俺のせいで、ごめん、と言うアリス、カルベにたしなめられる。

渋谷のスクランブル交差点。アリスとカルベとチョータが待ち合わせした最初の場面。ウサギ、ニラギ、クイナ、チシヤ、ボーシヤとアグニ、タッタそれぞれもそこに居合わせた。アリス達がふざけて交通事故が起きる。アン歩いてくる。花火のようなものが上がり流れ星が空を横切る。ヘイヤもそれを見ている。渋谷が爆発する。アリス目覚める。破壊された渋谷に倒れている人達と、救助隊。東京上空で隕石が爆発して渋谷を中心に甚大な被害が発生したことを伝えるアナウンサー。犠牲者の中に聞いたことのある名前が読まれる。

病室で寝ているアリス。「苅部と張太が死んで、なんで俺だけ…」レスキュー隊に発見された時、1分間も心臓が完全に停止してたらしい。「兄貴も1分だけ今際の際にいたんだよ」と弟。その間の記憶はない。同じ病院でチシヤもベッドに横たわっている。隣にニラギが横たわっていて咳をする。「これからはもう少しマシな生き方ができそうな気がする」とチシヤ。ヘイヤ、車椅子で移動中アグニが寝ているのを見つける。お知り合いですか?「あ、いえ」蘇生するアン。看護婦に付き添われるクイナ。車椅子の母親に会う。抱き合う。父親もいる。

自販機で飲み物を買うアリス。ウサギも買う。「あの、どっかで会ったことありましたっけ?」「さあ」ナンパする。「天気もいいし、中庭で散歩でもどうかな」「うん」

中庭のテーブルにトランプのカード達。風で吹き飛ぶが、ジョーカーのカードが残る。

印象的なセリフ
ウサギ「答えは誰だって違う。生きる意味なんてあってもなくてもいい。ずっと迷いながら一緒に歩いてきたじゃない。それだけでよかった」
ミラ「人生ってゲームみたいなもの。もっと楽しみなさい」
カルベ「お前の命を最後まで全力で使い切って見せろよ」

結末とジョーカーの意味についての考察
 
結末について

ストーリーを素直に捉えれば、アリスが体験したゲームは、彼が渋谷で隕石爆発に巻き込まれ心肺停止状態だった1分間の脳内の走馬灯的出来事で、蘇生したあとはその出来事を覚えておらず、実際にはゲームの運営者はおらずそれも脳内の想像ということだと思います。

体験していたのがゲームだったのはアリスがビデオゲーム好きということから来ていると思います。しかし、ゲーム世界で彼が出会った人達も現実世界で隕石爆発に巻き込まれた人達で、その一部は災害から生き帰りますが、アリスは彼らを知らないため、彼らは1分間の心肺停止状態の時にアリスとは別の脳内体験をしていたのではなく、なぜか他人どおしで脳内体験が共有されていて、彼らもアリスのゲーム好きに由来する同じゲームをしていたと捉えられる描き方となっています。

実際、ストーリー中、ゲームがアリスではなくそれぞれの参加者の視点で描かれている部分もあります。アリスが脳内で体験したことがアリスだけの体験であるならストーリーは終始アリスの視点で描かれるはずで、別の人の視点で描かれている部分は整合性が取れなくなってしまいます。他人どおしで脳内体験が共有されていたのは、ストーリー上の都合、あるいはその理由はぼかしてある部分だと思います。

ジョーカーのカードについて

最後、病院の中庭のテーブルにトランプのカード達が置かれていて風で吹き飛びますが、ジョーカーのカードが残ります。この演出についてはいくつかの解釈ができると思います。

このジョーカーのカードが出る状況は、原作とドラマとでやや異なります。

原作では、最後のミラとのゲームが終わってゲームクリアし、ゲーム世界の「永住権」を手にするかどうかをみんなが選んだあとお茶会のテーブルの上にジョーカーのカードが置かれています。また、原作ではジョーカーのカードだけでなく登場人物としてジョーカーの影が出てきますが、アリスは彼を「今際の国の全ての命を支配する唯一の存在だが神でも悪魔でもなくただの中間管理職」だと認識します。

ドラマでは、たまたま病院の中庭で休憩していた人たちがトランプをしていたのかもしれませんが、カードをテーブルに残して全員いなくなることは考えづらいので、やはり原作での描き方がヒントにはなりそうです。

誰がテーブルにカードを置いたのか?

ジョーカーのカードを誰がテーブルに置いたのか、可能性としては以下のどちらか又は両方だと考えられます。

1、ゲーム(アリスが体験したゲームに限定しない)の管理者が置いた
2、誰が置いたかは描かない、映像上または映画制作上の演出

上で「両方」と書いたのは、「ゲームの管理者」が「運命・自然の理」のメタファーで、誰が置いたかは具体的には描かず映像上の演出となっている場合です。

ジョーカーのカードの意味しているもの

ジョーカーのカードの意味はいくつかの解釈ができると思います。

●隕石の爆発で心肺停止の状態から生き残ったことを表している
アリスが体験してきたゲームでは、ゲームをクリアして生き残った時に、クリアしたゲームのジャンルと難易度を表すトランプのカードが置かれていることになっていました。とすれば、隕石の爆発で心肺停止の状態から生き残ったことをジョーカーのカードで表しているのかもしれません。

●今後どれだけ生きられるかはわからないという暗示
また、セリフ中で語られていたことがあるほかはシーズン1のエピソード1でしか明確に表現されていませんが、ゲームをクリアするとトランプの数字の分だけ生きる権利「ビザ」を受け取っていました。ジョーカーには数字がないため、隕石爆発から生き残ったものの今後どれだけ生きられるかはわからないという暗示かもしれません。

●現実世界も一種のゲームだというメッセージ
これは上記につながります。

●病院のシーンもまだゲーム内で、つかの間のインターミッションに過ぎない
この場合は「ゲームの管理者」は上で書いた「運命・自然の理」のメタファーではなく、まだ見ぬ「ゲームの管理者」ということになります。

●続編に繋げられるための映画制作上の仕掛け
上記につながりますが、もしかしたら原作とは異なるオリジナルの続編に繋げられるための映画制作上の演出かもしれません。ただし、アリスが最後このカードを見かけるのであればその可能性がありますが、実際にはさしあたりは続編の予定があるわけではないと思います。

今際の国のアリス シーズン2の特徴と感想
 
●シーズン1のゲームは夜ばかりだったが、今度は昼間も多い
●ゲームの難易度が上がっているが、カーチェイス、夜の森の銃撃戦、廃墟の銃撃戦、夜のコンビナートで鉄骨を飛んだりして戦いながら追いかけっこをするなど、撮影の難易度も上がっている
●走る走る:シーズン1に比べて屋外のゲームが多く、とにかく走ることが多い
●語る語る:シーズン1同様に印象的なセリフが多いが、状況や心情をセリフで言う傾向がある。台本を喋っている印象。会話や回想が多い
●ルールの説明が映像とナレーションで行われる。ストーリー中の参加者のためであり、視聴者のためでもある
●セリフの多さも相まってシーズン1よりもキャラクタードリブン寄りだが、テンポを悪くしている印象
●音楽、音響が素晴らしく使い方が的確だが、音楽を利用してシーンのイメージを作っている印象
●植物に覆われた荒廃した都市の表現をはじめ、より高度で複雑なVFXとプロダクションデザイン

 

といったところです。

▶︎ストーリーの「プロットドリブン」「キャラクタードリブン」の解説とそれぞれの映画の例についてはこちらの投稿をご覧ください。

関連

▶︎日本のサバイバルゲーム、デスゲーム系の映画・ドラマについてはこちらの投稿をご覧ください。