2人組VTuberヒメヒナのカバー曲「ロキ」の楽しさ

2人組VTuberヒメヒナのカバー曲「ロキ」の楽しさ

だいぶ前の動画ですが、2人組VTuberヒメヒナの、2018年11月9日に投稿されたカバー曲MV「ロキ」が、映像としてクオリティも高く、歌詞は原曲からアレンジしつつ彼女たちの魅力が存分に出た楽しいMVだと思いますので書こうと思います。

ヒメヒナ(HIMEHINA)

ハイテンションなおしゃべりが止まらない田中ヒメと、おっとりした性格でやや天然な鈴木ヒナのコンビがいいバランスとなっています。「顔が似てる友達」とのことです。

HIMEHINA YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCFv2z4iM5vHrS8bZPq4fHQQ

「田中」と「鈴木」という、ポピュラーな苗字にしているのが面白いです。ユニット名は二人の名前をそのまま使ってヒメヒナとしています。ヒメヒナの公式ウエブサイトでは「HIMEHINA」と書かれており、アルファベットで書くのが正式なようです。

当初は田中工務店というところが運営母体でしたが、2022年5月に法人化してStudio LaRa(株式会社LaRa)となりました。

VTuber(バーチャルユーチューバー)と書きましたが、公式ウエブサイトでは「バーチャルアーティスト」と表現されています。一方、彼女たちは自分たちをジョジ(女児)と表現しています。

歌動画、ゲーム実況、様々な企画動画を中心に投稿しており、歌動画はカバー歌、オリジナル曲半々くらい投稿しています。

デュエットを基本としている彼女たちは、「はおー、ヒメヒナでーす」という挨拶のハモリの声もいい感じです。

「はおー」、と言っているとおり、中国テイストを盛り込んでいます。中国にもLaRa China(旧「工務店China」)があり、スタッフが日本人と中国人の混合であることにつながっていると思います。

特にヒメの方は衣装のデザインと、髪のお団子が中国風となっています。

VTuberのデザインは、2Dであれ3Dであれ、多かれ少なかれデザイン化される時にデフォルメされますが、中でもヒメヒナのモデルのデザインは胴体部分が細めになっており、特徴的です。

人間の身体は関節部分が動く時に、皮膚が伸びたり、シワになったり、肉が潰れたりしながら柔軟に変形してその動きを成立させています。CG動画でそれを表現するのは一定の手間がかかり、特にモーションキャプチャーでリアルタイムに動きを反映させたい場合はそういった変形をせずに動かせるほうがシンプルです。

ヒメヒナの二人は腕を大きく振りながら動くことが多いですが、大きい動きをしても見た目上破綻しづらいような配慮になっているのではないかと思います。

「ロキ」

「ロキ」はみきとPによる楽曲で、2018年2月27日に静止画イラストがついたMV(ミュージックビデオ)がYouTubeに投稿されました。2022年10月9日現在再生回数が64,310,065 回となっています。アップテンポでキャッチーな楽曲で、多くのカバー動画が投稿されています。

歌詞は、特に流れのあるストーリーではなく、ロックンロールな生き方?の断片が表現されているように思います。

歌詞の断片を抜き出すと、以下のような内容です。

昼夜逆転

テレキャスター背負ったサブカルボーイがバンド仲間にやっほー

アルバイトはネクラモード

対バンにはATフィールド

いい曲書いてる?

動員ふえてる?

知名度あるけど人気はそんなにないから色々大変ですね

いい歳こいて自意識まだBOY

など。

ヒメヒナによる「ロキ」

私は、ヒメヒナのこのMVで「ロキ」という曲を知りました。

ヒメヒナの「ロキ」はCGによって作られた空間の中で3Dモデルのヒメヒナの2人が動きまわり歌い踊り、それを捉えるカメラも実写のMVに慣れたカメラマンが撮影していると思われるカメラワークで、高いクオリティが特徴です。

CGによる背景は、ネオンの光るニューヨークかどこかの街の一角、異国風の昼間の街、どこかの地下、森の中など、MVらしく次々と切り替わっていきます。さほど作り込まれているわけではありませんが、アニメ調のヒメヒナの3Dモデルとのバランスがよく、時折ピンク〜むらさきのカラコレもしているため映像として見た時にクオリティ高く見えます。

カメラは手持ちカメラ風で常に動きがあり、ハイアングル、ローアングル、ロングショット、フルショット、バストショットなど、変化のあるカメラワークで、曲のノリと合っていると思います。

歌詞は元の歌詞から少しアレンジしています。

バンド仲間にやっほー → バンド仲間にはっおー

信者→死んじゃう

教祖はオマエだ→ココロは人間だ

10年後にメイクは落ちてんだよ→10年後もバーチャルはぴちぴちだぞ

など。

たくさんの人がカバーしている原曲の魅力を活かしながら、彼女たちならではのアレンジも加え、楽しいミュージックビデオとなっていると思います。

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