バーチャルYoutuberの動画に見る、楽しく学べる英語

バーチャルYoutuberの動画に見る、楽しく学べる英語

バーチャルYoutuberグループのホロライブのグループチャンネルで、「【超グローバル】英語でコミュニケーション!」と題された動画がアップされ、動画として面白いのと同時に英語を楽しく学べる方法(タレント本人達にとっても、視聴者にとっても)だと思いましたので書こうと思います。

バラエティ番組としてもしっかり作られているのも印象的です。

【超グローバル】英語でコミュニケーション!

ホロライブと多言語展開

ホロライブは、ホロライブEN(イングリッシュ)とホロライブID(インドネシア)の存在によって、積極的にグローバルな展開をしようとしているのが見て取れます。

タレントのキャラクターデザインは動物をモチーフとしていたりファンタジー系だったりしますが、基本的なくくりとしては、JP(日本・日本人)メンバーのほか、英語を主体とするホロライブEN(イングリッシュ)や、母国語のインドネシア語だけでなく英語も話せるホロライブID(インドネシア)もあり、ホロライブENやIDのメンバーはそれぞれのタレントごとにカタコトから流暢までレベルの差はありますが日本語も話せます。

他の言語を話せるタレントもいます。ホロライブENの小鳥遊キアラ(タカナシ・キアラ)は、母国語がドイツ語ですが、ホロライブENのメンバーとして英語で活動している他、日本語も話せます。

そういった状況の中、JP、EN、IDのタレントどおしがコラボを通じてコミュニケーションしたり、タレントと海外の視聴者との間で、ことばの壁を超えて理解して楽しもうという気運が生まれているように見えます。

例えばJPのタレントの動画も海外の視聴者に楽しまれているようで、それを受けてタレント側も海外の視聴者を意識して英語で話したりしています。

日本の義務教育にしばしば感じるような無味乾燥な英語学習と違い、理解したりコミュニケーションを取りたいからことばの壁を乗り越えようとして楽しく学ぶ理想的な言語学習の場になっていると感じます。

「【超グローバル】英語でコミュニケーション!」の内容概要

ホロライブのスタッフである友人A(えーちゃん)の進行で、ホロライブJPのタレント3人が、日本語も話せるホロライブENの森カリオペに対して、お題として出された単語や文章を英語で表現し、それを聞いたカリオペがリアクションしたり何の事を言っているのか当てるゲーム形式の動画です。サブタイトルは「カリオペに伝えよう」となっています。

日本の義務教育がしばしば無味乾燥と書きましたが、このゲーム形式の動画で行われていることは、留学での英語の授業に近い印象です。

動画に出てくるメンバー

友人A(えーちゃん)は裏方スタッフながら、やや抑えめのアニメキャラ風アバターを使い、バーチャルYoutuber的な存在としてホロライブのタレントの動画にも度々登場しています。英語も結構話せます。

森カリオペは、英語を主体としたホロライブENのメンバーですが、日本語もかなり話せます。

JPのタレントは、1期生の夜空メル、1期生&ゲーマーズの白上(しらかみ)フブキ、4期生の角巻わための3人です。この3人は、「義務教育で英語を勉強したけれど、あまり流暢には話せない」日本人の代表のような英語力で、それがこの動画を面白く、また有意義にしています。

動画の内容

1、英語で自己紹介
外国語でのコミュニケーションの初歩の定番は自己紹介です。

ここで面白いのは、夜空メルが、My mame is Mel Yozora.と表現し、白上フブキが、I’m Fubuki Shirakami.と表現し、角巻わためはHello, everyone. hololive 4th generation Watame Tsunomakiと、文章にせずステージ登場時のような表現をし、それぞれが言い方を変えている点です。たまたま本人達がそう表現したのか、ある程度演出というか、教育上の配慮が入っているか不明ですが、なかなかいいと思います。

2、日本語の単語、文章を英語に翻訳してカリオペに伝えよう!
まずは単語がお題として与えられ、それを英語を駆使して説明し、何の単語か森カリオペが当てるゲームです。英単語そのものを言ってもいいということだと思いますが、発音が適切でないと伝わらない様子もまた面白いです。

例えば、夜空メルが「眼鏡」を伝える時に、最初から「グラス」と言いますが、森カリオペにはすぐには分からなかったようです。眼鏡はglassesなのですが、大きく2つ、難しさがあります。

1つめは、glass と単数系で表現すると「ガラス」又は「コップ」の意味になり、メガネは左右2つのレンズがあるためglassesと複数形にする必要があること。

2つめは、glassもgrass(草)も、日本語で発音すると「グラス」になってしまうため、英語として適切に使い分けるためには、LとRを適切に発音する必要があることです。

動画中でもメルが「グラス」に続いて「フェイス オン グラス」(顔をグラスに)と表現したことで、カリオペは、Face on grassと理解したように見えます。

その後メルが自分の顔に眼鏡を表示するという「ずる」をしてカリオペが理解するというくだりがあったり、そのあたりはバラエティ番組として面白くなっている部分だと思います。

その後もそれぞれのタレントが表現に苦労する様子が描かれます。特に文章を表現(日本語の文章を英訳)する時は、英単語を羅列してしまい、しかしカリオペの察しの良さで伝わってしまい、それらの様子が動画として面白いと同時に、自分ならどう表現するだろうかと考えながら見ることができます。

動画の感想・考察

スピーキングの練習として効果的
英語を話す時には自分の言いたいことを瞬時に英語で表現して伝える必要があります。会話の最中にわからない表現があっても辞書を使って調べるようなことはできず、自分の知っている単語やセンテンスを駆使して表現する必要があり、英語を学習中だと、なかなかいい表現が出て来なくて、アー、アー、など言葉につまりながら頭をフル回転させることになります。

その様子をアニメキャラクター風のバーチャルYoutuberが番組内で行うことでエンターテイメントにもなっていると同時に、英語の学習としても、タレント本人にも視聴者にも、この動画を通して本来の表現を覚えるきっかけになるのではないかと思います。

実際の英語学習では、うまく表現できなかった内容について、本来何と表現するべきだったのか正確な英語表現を先生に聞いたり辞書で調べて確認し、次に同じことを言う機会にそれを思い出して表現し、忘れたらまた確認し、を繰り返して覚えていきます。

動画ではゲームとして一回だけでしたが、コミュニケーションの一環としてゲーム形式で楽しみながら英語にふれるきっかけとして、この動画は面白いと思いました。

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