映画学校での英語の苦労

入学時点での英語力不足

ここでは映画学校での英語の苦労についてお話しします。

私は、当初予定していた映画学校の出願時期には学校の指定するTOEFLのスコアに達せず語学学校を延長し、幸いにもNew York Film Academyは入学時期が年2回あるのですが、次の出願時期にもまだスコアが少し足らず、交渉して面接してもらって入学しました。

映画学校入学後の英語の苦労

映画学校に入ってからも英語で苦労しました。英語「を」学ぶのと英語「で」学ぶのは大きく違います。

語学学校では当然、学生がその言語、例えば英語なら英語を学習中という前提で授業をしますが、大学や大学院は学生が英語を使える前提で授業や連絡が行われます。

私はインストラクター(先生)の言っていることの6割から7割程度しか理解できず、あとは文脈から推測し、「いつまでに何をする」という情報だけは最低限おさえておけるように、あやふやな場合はクラスメートに確認して明らかにするようにしていました。

脚本の授業は難関でした。ログライン、ストーリーの構成、登場人物の性格やコンフリクト、セリフ、セリフの言外の意味などについてディスカッションしながら自分の制作するショートフィルムのストーリーを開発していきますが、おそらく日本語で取り組んだとしても深い洞察が必要と思われるそれらを、完璧ではない英語力で行う必要があります。

ログラインとは「どういう人物が何をする」ストーリーなのかを完結に表現する1つの文です。脚本を書く上での第一段階ですが、これがわかりやすく魅力的であることが重要とされます。

コンフリクトとは対立、衝突、葛藤などのことです。

英語のチューター

New York Film Academyには英語に関する相談のできるチューターがいて、私の場合は授業でというより普段の生活の中で英語に関して疑問に思ったことを度々質問しました。

授業中に理解できないことがあっても、分からない表現をメモしておいてあとでチューターに聞くというのは無理ですので、分からないことはクラスメートに聞いたりして乗り切っていました。

学校からの呼び出し

しかし私の英語力の不足を見咎めた脚本のインストラクターが学校側に報告し、私は呼び出しを食らいました。

管理セクションの部屋へ行き、3人程のマネージャークラスの人から授業についていけるか聞かれ、確かその時は「60%から70%しか理解できないのであとは文脈から理解するようにしている」と伝えましたが、結局、必要に応じてチューターに相談するということで話しは終わりました。

その後の上達

英語は英語を使う生活の中でも上達すると思います。入学してしばらくたった頃、あるクラスメートから私の英語が上達したと言われました。

もっともそれは英語力のせいだけではないとは思います。その時の体調によっても会話のスムーズさは変化し、相手との関係に慣れてくると、コミュニケーションはスムーズになるためです。

いずれにしても、様々な国から来た人達と英語でコミュニケーションしながらショートフィルムを作れるくらいにはなりました。というより、様々な国から来た人達と英語でコミュニケーションしながら何度も何度も授業をうけたり撮影を経験したことで、上達したのだろうと思います。