アメリカの映画学校卒業後のOPT

The Warmth of Paper_postbox
アメリカの映画学校卒業後のOPT

ここでは、アメリカの映画学校ニューヨークフィルムアカデミー卒業後のOPTについて書こうと思います。

OPTとは

アメリカ以外でも同様だと思いますが、学生ビザでは一定の条件で許可される場合を除き基本的に就労はできません。

しかし卒業後にOPTを利用すれば合法的に働くことができます。OPT(Optional Practical Training)というのは所定の留学終了後の外国人に与えられる労働許可で、申請して認可される必要があり、就ける仕事は留学で専攻した分野に関連した職種に限られます。期間は通常1年間です。

就職は難しい

OPTでフルタイムの仕事につくこと、つまり就職をすることは、本人のスキルや英語力、どの程度募集情報や人脈を持っているかによると思いますが、簡単ではないと思います。

特に留学生の場合は、OPTの認可期限(1年)で働ける期間が終了し、短期間のグレイスピリオド(帰国前の準備のためにアメリカ滞在を許可される期間)を経て帰国する必要があるため、採用する側はその前提で採用する必要があります。

ずば抜けたスキルがあれば別かもしれませんが、長期的な計画で採用することができないため雑用的な仕事が多くなるかもしれませんし、そもそも短期間しか来られない人は採用しないかもしれません。

また、OPTからH1-Bなどの就労ビザ取得に結びつけたいと考えることもあると思いますが、こちらもハードルがあり、OPTを始める時期も影響してきます。

▶︎OPTからH1-B取得に結びつけたい場合の注意点についてはこちらの投稿をご覧ください。

フリーランスもできる

しかし、学校からの説明ではフリーランスやボランティアもできるとのことだったため、私はフルタイムの仕事に応募しつつも、結局フリーランスやボランティアで仕事をしたり、卒業制作の修整作業などをしてOPTの期間を過ごしました。

仕事のために認可されるOPTですので、何もせずにアメリカに滞在しているのは認められない前提となっており、フリーランスの場合でも規定以上の就労が必要になります。仕事やボランティアに際して、規定の書類に雇用主のサインをもらっておく必要があります。

仕事の探し方 私のした仕事

私の場合は旧クラスメートなどから仕事の話が来ることが多かったです。私自身が自分の撮影で外部からクルーを雇ったのと同じように、ロサンゼルスエリアは学生映画の案件が多く、私の関わった仕事も学生映画か、たまに外部の中規模なプロジェクトの場合もありました。

私はものを作ったりVFXを手掛けることができますので、プロダクションデザインやVFXの仕事をする案件が多かったです。

プロダクションデザイナーは、映画制作にあたって、特に撮影時のセットなどに関わるデザイナーで、大規模なプロジェクトであれば、関連するスタッフを監督管理する責任者でもあります。

▶︎アメリカの映画制作時の役職についてはこちらの投稿をご覧ください。

しかし小規模なプロジェクトでは、監督と打ち合わせしつつ、プロダクションデザイナー自身が必要な小道具を探して購入やレンタルをしたり、自分で小道具を作る場合もあります。撮影時にはそれらを撮影ロケーションに運び、飾り付けたり小道具を置いたりしてセットを作っていきます。

SF映画であればデザイン画を描いたりする場合もあるかもしれませんが、低予算かつ小規模な学生映画などではデザイナーと言ってもデザイン画を描いたりすることはなかったです。

▶︎私がプロダクションデザイナーとして参加したプロジェクトの様子は、こちらの投稿をご覧ください。

VFXの場合も大掛かりなものではなく、人物の背景の風景をCGに差し替えたり、双眼鏡に写り込んだクルーを消すなどのVFXを手掛けました。

▶︎私がVFXその他で参加したプロジェクトの様子は、こちらの投稿をご覧ください。

学生映画の場合は予算が限られており、それだけで生活できるほどの収入にはなりませんでした。

▶︎その他、仕事の探し方についてはこちらの投稿をご覧ください。

OPTの感想

「ハリウッドで映画の仕事をした」というと少し言い過ぎな印象ですが、「ロサンゼルスエリアで短編映画などに関する仕事をした」のは確かですので、いい経験ができたと思います。

フルタイムの仕事に結び付けられればもっとよかったと思いますが、そこまでの力はありませんでした。

日本に帰国して数年後に世界的な新型コロナウイルスの流行があり、あのタイミングで帰国しておいて良かったのかもしれません。