ニューヨークフィルムアカデミーの撮影プロジェクト イヤー1フィルム(Year One Film)

NYFA Year1 location

当ブログ形式ウエブサイトでは、英語留学、英語学習、映画留学、映画制作、サンフランシスコやロサンゼルスでの生活や観光などを中心に、一般的な事柄や投稿時の時事ネタも織り交ぜつつ、私の約5年間のアメリカ滞在を振り返りながら、概ね当時の出来事の順番で投稿しています。

ニューヨークフィルムアカデミーの撮影プロジェクト
イヤー1フィルム(Year One Film)

ニューヨークフィルムアカデミーロサンゼルス校でのMFA Filmmaking(映画制作コースの日本でいうところの修士)の一年目後半のセメスター2では、1年の締めくくりであるイヤー1フィルムの制作が主要なプロジェクトで、その制作に必要なことをセメスター2前半の講義形式の授業やワークショップで学びつつ準備をしていきます。

イヤー1フィルムは15分までのショートフィルム(短編映画)で、プリプロダクションから撮影、ポストプロダクションまで実際の小規模映画制作に沿った行程で行われます。

プリプロダクション


●脚本の制作

まずプリプロとしては、Screenwriting IIの授業で、インストラクターの講義やクラス内のディスカッションを参考にしつつストーリーを開発していき脚本を練ります。MFA Filmmakingの2年の講義の中では何人かのScreenwriting(脚本)のインストラクターの授業を受け、インストラクターが変わると説明の仕方や使うキーワードは多少異なりますが、3幕構成でストーリーを作っていくのは同じです。

私は普段から書きためてあったストーリーアイデアをもとにして、出来事や設定の様々なバリエーションを考え、かためていきました。

●プロデュースワーク
プロデュースワーク(主にペーパーワーク)も重視されます
。これはYear1の撮影に限ったことではありませんが、パーミッション(撮影許可)を取る手続き、保険加入の手続き、ユニオンに所属する役者を使う場合は所定の事務手続きが必要となります。

その他小規模映画撮影に必要な事務処理をし、ショットリストやオーバーヘッド(撮影計画上面図)などディレクティング面でのプリプロもし、撮影前にリストどおりに書類などを揃え、インストラクターのグリーンライト(撮影許可)を得る必要があります。

●ロケーション
ロケーションも自分で確保するほか機材のためのトラックやドライバーの確保も必要となります。サウンドステージ(撮影スタジオ)をレンタルし、セットを発注する学生もいます。これまでの撮影プロジェクトと違い比較的準備期間があるので、それらにじっくり取り組むことができます。

私はかなり時間をかけてロケハンやAirbnb上でのリサーチをし、Airbnbで見つけた場所2箇所を撮影用に貸してもらい、一部は学内のスタジオを使い、一部は商業エリアの屋外ロケーションを借りました。ロケーション探しには一緒に組んだシネマトグラフィーの学生も協力してくれました。彼はサンフランシスコの語学学校でも一緒だった人です。NYFA Year1 location

▶︎映画制作とAirbnbについてはこちらの投稿もご覧ください。

●衣装や小道具
ユニバーサルスタジオの衣装や小道具のセクションから衣装や小道具をレンタルし、一般の小道具レンタル店も利用し、一部は自分で購入しました。

▶︎ニューヨークフィルムアカデミーとユニバーサルスタジオについてはこちらの投稿もご覧ください。

▶︎ロサンゼルスエリアで撮影小道具(prop)や衣装を調達する方法についてはこちらの投稿もご覧ください。

●キャスティング
役者のオーディションをし、ストーリーに会ったキャスティングができました。テーブルリード(本読み)も行いました。

▶︎ロサンゼルスエリアでアクターのキャスティングをする方法についてはこちらの投稿もご覧ください。

撮影

クルーは引き続きクラスメートですが、自分で役割の依頼をするほか、ほとんどの場合プロデューシングやシネマトグラフィーの学生に参加してもらい、外部のスタッフを雇う学生もいます。この辺は、自分のストーリー、予算、考え方次第です。

セメスター1フィルムでも一つのまとまった作品を作りましたが、カメラはシンプルなHDデジタルカメラであるPanasonic HMCを使い、音声収録もブームマイクをカメラに接続する比較的簡易的な方法で録音しました。イヤー1フィルムではカメラはRED SCARLETを基本としてフィルムカメラやCANON 5Dを選ぶこともでき、選択肢が増え、音声はカメラとは別にブームマイクやラベリアマイクを使い、レコーダーEdirol-44で録音します。それらは授業やワークショップを通して学びます。

▶︎アメリカの映画学校で使うカメラについてはこちらの投稿もご覧ください。

その他の基本的な道具類は三脚、ACキット、Cスタンド、照明器具、ブームマイク、ワイヤレスマイク、アップルボックス、フラッグ、ドリー他です。シネマトグラフィーの学生が参加する場合、KINOライトも使用可能です。

▶︎アメリカでの撮影機材についてはこちらの投稿もご覧ください。

イヤー1フィルムの撮影は約3ヶ月間の期間(2013.8/7〜10/29)で、一人につき1週間が割り当てられ、たいていの場合3-4日間で撮影します。自分の撮影以外にも5つ以上のプロジェクトにクルーとして参加する必要があります。撮影ではインストラクターは常には立会いませんが、見に来る場合もあります。

ポストプロダクション

撮影後はIntermediate Film Post Productionの授業の中で複数のインストラクターの助言をうけつつ編集を練っていきます。

私は自分で多少の合成作業も行い、音楽も音楽家を探して依頼し、キャスティング、ロケーション、衣装や小道具など、様々な要素がバランス良く仕上がったと思います。セメスター1 Filmに比べるとかなり前進したと思います。

完成したショートフィルム

ワーナーブラザーズでの上映会

完成した作品は後日ワーナーブラザーズ内のシアターで上映します。一般公開ではなく1回のみの内部的上映会ですが、希望者はアクターや外部のクルー他ゲストを呼べます。4Kで撮影しても提出・上映はHDサイズです。

▶︎ニューヨークフィルムアカデミーとワーナーブラザーズについてはこちらの投稿もご覧ください。