ニューヨークフィルムアカデミーで制作した短編映画 変遷

ニューヨークフィルムアカデミーで制作した短編映画 個人的な変遷

ニューヨークフィルムアカデミー(New York Film Academy略してNYFA) ロサンゼルス校の2年間のMFA Filmmakingコースで制作した短編映画のうち主要なものを、時系列で紹介します。

NYFAのカリキュラムは、教室での講義形式の授業、ワークショップ、そして実際の撮影プロジェクトによって成り立っていますが、総じて実践的で、徐々に難易度が上がっていく撮影プロジェクトを進めるために必要なことを、その前の授業で学んでいく印象です。

▶︎ニューヨーク フィルム アカデミーの授業内容 1年目概要はこちらの投稿をご覧ください。

▶︎ニューヨーク フィルム アカデミーの授業内容 2年目概要はこちらの投稿をご覧ください。

プロジェクト概要
10分までのセリフなしの作品を作る。クラス内で4人のチームを組み、チームメンバーがそれぞれ順番に自分の作品を監督し、他のメンバーはクルーとなる。10日間の期間で、一人につき2日間の撮影。役者、ロケーションは自分で確保。編集後、後日授業で講評。

感想など
セリフなしの作品のため技術的な難易度は高くないのですが、セリフなしでストーリーを伝える必要があります。映画学校初期のこじんまりした作品ですが、うまくまとまったのではないかと思います。

プロジェクト概要
セメスター1の締めくくりの10分までの作品。クラスメートがクルーとなる6人のチームが基本だが、シネマトグラフィーの学生に参加してもらったり、外部のスタッフを雇う学生もいる。10日間の期間で、一人につき2日間の撮影。役者、ロケーションは自分で確保。編集後、後日ユニバーサルスタジオ(アミューズメントパーク内ではない)のシアターで上映する。(1回のみ。希望者はゲストを呼べるが、一般公開ではない)

感想など
留学前に考えてあったSFアクションのストーリーを簡略化して制作したものです。本来長編を想定したストーリーのため内容をかなりはしょる必要があり、CGや合成も必要となりますが課題のスケジュール的にそんな作業は想定されていません。映画学校半年目の10分の作品のプロジェクトで作るには少々野心的すぎるというか無謀だとも思いましたが、私はCGや合成などの経験を活かしたいと考えていて、そのためにわざわざ日本からCGソフトやAfter Effectsなどの入ったパソコンも持ち込んでいるため、チャレンジしてみようと思いました。

自分のやりたい方向性が明確に出た、しかしはっきりと力不足を感じる出来でした。

撮影も、演技のディレクションも、音声の収録も、編集も、全てが学生映画っぽく、また、CGや合成もプリビズ(制作の初期段階でシーンの検討のために作られる簡易的な映像)そのままのようなクオリティでしたが、時間的にもこれが限界でした。

その後オープニングタイトル部分をリメイクしたのですが、結局更新はせずそのままにしてあります。

プロジェクト概要
1年目の締めくくりの15分までの作品。プリプロダクションから撮影、ポストプロダクションまで実際の小規模映画制作に沿った行程で行われる。

クルーは引き続きクラスメートだが、自分で役割の依頼をするほか、ほとんどの場合プロデューシングやシネマトグラフィーの学生に参加してもらい、外部のスタッフを雇う学生もいる(自分のストーリー、予算、考え方次第)。約3ヶ月間の期間で、一人につき1週間が割り当てられ、たいていの場合3〜4日間で撮影する。

撮影後は授業の中で助言をうけつつ編集を練っていく。編集後、後日ワーナーブラザーズ内のシアターで上映する(1回のみ。希望者はゲストを呼べるが、一般公開ではない)

感想など
ロケーション探しにかなり時間をかけ、キャスティング、衣装や小道具などにもこだわり、自分で多少のVFX作業も行い、音楽も音楽家を探して依頼し、様々な要素がバランス良く仕上がったと思います。セメスター1 Filmに比べるとかなり進歩したと思います。

卒業制作(Thesis)

「Thesis」は学位論文の意味で使われることが多いと思いますが、映画学校の映画制作のコースにおいて「Thesis」または「Thesis Film」とは、卒業制作のことです。 卒業制作といっても、2年目の最後になって制作するのではなく、関連することを学びつつ2年目はほぼThesisの準備、撮影、編集に使われます。通常の大学院での修士論文への取り組み方と共通する流れではないかと思います。

プロジェクト概要
30分までの作品。プリプロダクションから撮影、ポストプロダクションまで実際の小規模映画制作に沿った行程で行われる。後日ワーナーブラザーズ内のシアターで上映する(1回のみ。希望者はゲストを呼べるが、一般公開ではない)

▶︎卒業制作についてはこちらの投稿とこちらの投稿もご覧ください。

感想など
渡米前に考えたストーリーを学校の授業の中で短編映画としてアレンジして制作しました。学内提出までにまとめはしましたが、撮影前の準備不足や、本来撮影時に適切に指示すべきことをできていなかったり、驚くほど様々なトラブルがあって予定どおりの撮影ができずクオリティに影響し、それらをVFXで補うことにして卒業後も何年にもわたって取り組んだため、自分の生活に大きな影響を与えました。

▶︎ロサンゼルスで経験した、短編映画制作時の様々な困難やトラブルとその対処 についてはこちらの投稿やこちらの投稿をご覧ください。

以下は学内上映バージョンです。

卒業後OPTでアメリカ滞在中も日本帰国後も引き続き修正・バージョンアップを行い、映画祭に応募し始めました。その後いくつかの映画祭で選ばれ、ラスベガスの映画祭では賞をいただきました。

▶︎ラスベガスの映画祭に選ばれ、上映され、受賞した様子はこちらの投稿をご覧ください。

しかしさらにクオリティを上げる必要を感じていたため、再編集し、VFXを追加・更新し、音楽効果を加えました。映画祭に応募し始め、その後またアメリカの映画祭で選ばれました。

▶︎一連の経緯についてはこちらの投稿をご覧ください。

以下はその改訂版です。大幅にバージョンアップしたため厳密には「ニューヨークフィルムアカデミーで制作した短編映画」にはあたらなくなっていると思います。