世間には多様な券売機がありますが、その中でも某大手牛丼チェーン店の券売機は使いづらいと感じていたら、以下の動画でもその件が話題となっていました。
▶消費者の心理を騙すあくどい手口で無理矢理売上を立てている?業績変化の裏側を暴露します。
https://youtu.be/VijpjZBE9dM?si=TNpPzhR4cQzRMQVK
その動画では使いづらさの具体的な内容までは深堀りされていませんでしたが、この牛丼店の券売機の使いづらい部分は以下です。「UIの設計・デザイン」「券売機の性能」「運用方法」全てに渡って問題があります。
●同じような商品(写真)があり、自分の頼みたい料理が画面のどこにあるのかわかりづらい(商品企画、UI の設計・デザイン)
メニュー(料理の種類)が多数あることは望ましいと感じる人もいると思うのでそれとトレードオフですが、UIの設計・デザイン次第でわかりやすくなるかもしれません。
それでも現在は一時期に比べたらわかりやすくなったようにも思います。
いつも同じ物を頼むなら券売機の画面上の場所を覚えてしまえばいいので、このことだけならさほど問題ではないのですが、後述のように「同時期であっても店舗によって項目のレイアウトが異なる」「比較的頻繁に項目のレイアウトが変わる」ことによって、このわかりづらさが際立ってしまっています。
●安い商品はページの下の方までスクロールする必要がある(商売優先のUIの設計思想)
まあ、これは商売上仕方がないかもしれません。これも「ページの下の方までスクロール」すれば出てくることが決まっているならさほど問題ではないのですが、「同時期であっても店舗によって項目のレイアウトが異なる」「比較的頻繁に項目のレイアウトが変わる」ことによって、この不便さが際立ってしまっています。
●スクロールすると、自分にとっては関係のない部分が反応して選ばれてしまうことがある
これは世の中の多くのタッチパネル全般に起こりうることだと思いますが、タップ(一瞬押す)操作と、ドラッグ(押したまま指を移動させる)操作によって挙動が変わってきます。スクロールするつもりでパネルに触れた時、すぐ反応して注文するつもりのないメニューが選ばれてしまうことがあります。
●追加の小皿や飲み物も選択させるようにボタンが出てきて、不要な人にはジャマ(商売優先のUIの設計思想)
メインの料理を選択した後にその流れで追加の小皿などをオーダーしたい人には便利だと思いますので、仕方がないかもしれません。
●同時期であっても店舗によって項目のレイアウトが異なる場合があり、覚えている位置に選択したいボタンがなく探す必要がある(運用方法)
●比較的頻繁に項目のレイアウトが変わるため、覚えていた位置に選択したいボタンがなく探す必要がある(運用方法)
●支払い方法を段階を追って細かく選択する必要がある(UIの設計)
これもUIの設計・デザインでわかりやすくすることはできるかもしれませんが、このチェーン店特有というより、世の中に様々な支払い方法が出てきた弊害とも言えますね。
●商品(料理)の選択を一旦辞めて(キャンセルして)商品を選び直すと、前回の選択が残っていることがある
これはおそらく、自分が「完全なキャンセル」をしていなかったのだと思いますが、支払う時にいつもより高い値段になっていて驚いたことがあります。
●図体がでかい割に動作がもっさりしている(券売機の性能)
●そのくせ余計なアニメーションに尺を使っている(UIの設計)
もしかしたらこのアニメーションは、機械的な処理に時間がかかる部分をごまかすための時間稼ぎでしょうか?
●引き換え券が出てきてからしばらくして明細が出てくる(券売機の性能)
明細がいらない人は引き換え券だけ取ってその場を離れてしまうので、明細が残っていることがよくあります。
●時々エラーが起きてピーピー鳴る(券売機の性能)
私は経験ありませんが、別の人の時にエラーが起きた現場は何度か見ました。
一つ一つはささいなことでも、それがこれだけあると、結果的に「使いづらい」印象になります。しばしばお年寄りが券売機の前でまごまごしている様子を見ます。
上記動画でも、「こんなに券売機の悪評が出るの珍しいなぐらい出とる」「おすすめ商品ばっかり最初に出てくるのが良くない」と説明されています。
以前は、券売機の周辺に使い方を説明するメモがいくつも貼られていた店舗もあり、かなりカオスな状態でした。券売機の周辺に店舗側が使い方のメモを貼るようでは、その券売機のUIの設計・デザインは失敗していると言っていいと思います。
UIの問題だけではありませんが、優秀なデザイナーが再デザインしたらどうなるでしょうか。