日本はサバイバルゲーム、デスゲーム系の映画やコミックが多くないか?
刺激のある設定が目につきやすいためか、日本ではサバイバルゲーム、デスゲーム系の映画やコミックをしばしば目にします。好き嫌いは分かれると思いますが、こういった映画やコミックが生まれるのにはいくつか理由があるのではないかと思います。
・制作側は、刺激的なストーリーを作りやすい
目標達成に失敗した場合に何かを失うリスクをステークといい、ストーリー作りでは高いステークが良いとされますが、失敗したら命を失うとなればステークは非常に高いです。主人公をはじめとする登場人物たちは、否応なく文字通り命がけで目の前の状況に対処していくことになり、それが物語を牽引します。
・観客の現実生活での不安や不満の感情の矛先、はけ口として機能している
映画の観客やコミックの読者は、刺激的なストーリーに惹かれる以上に、現実の競争社会で不安や不満を抱えており、その感情の矛先、はけ口としてサバイバルゲーム、デスゲームのストーリーに惹かれるのかもしれません。ただし、本当に身の危険を感じるほどに追い込まれている場合はデスゲームの話を見たくはないかもしれませんが。
Japanese films and dramas about survival games and death games
網羅はできていないと思いますが、日本のサバイバルゲーム、デスゲーム系の映画やドラマをリストアップし、過去に見たものも含めいくつか見てみました。以下紹介します。
映画によっては、内容が「ゲーム」のカテゴリーからやや離れるものであったり、強制的に参加させられるストーリーだったり自分から参加する人もいるストーリーだったり、ゲームを成立させるための舞台設定や映画の演出方法も様々です。デスゲームではなくギャンブルやお金に絡む内容のものも含みます。リストの全てを見たわけではなく、認識が間違っているものもあるかもしれません。
・小説の映画化 コミックもあり
・デスゲーム
■ストーリー(あらすじ)
ある中学生のクラスが無人島で最後の一人になるまで殺し合いをするクラスに選ばれ、主人公の男子生徒は、早々に命を落とした親友が好きだった女子生徒を守りながらゲームから脱出しようとする。
解説・感想
「ゲーム」という表現が適切かわかりませんが、理不尽な殺し合いをさせられるデスゲームとなっています。生徒それぞれの性格・特徴や普段のいじめや恋愛に関する人間関係が生き残るための行動に影響し、殺し合いという極限状況の中でも、誰が誰のことを好きというような会話が出てきます。
一方、生徒から嫌われ、ナイフで刺されたこともある以前の担任がその殺し合いを進める役割として参加しますが、その彼もある思いを抱えており、嫌われている娘に最後に電話で話すセリフに、この映画のテーマが表現されているのかもしれません。
多くのデスゲーム系の映画やコミックのストーリー中、ゲーム参加者(参加させられている人たち)へゲーム内容を説明する映像や音声が、命をかけたひどいゲーム内容に比較してやけに明るい口調であったり使われる文字がひらがなであったりする演出がしばしば見られます。この映画でもゲーム内容を説明するビデオのお姉さんが子供番組のような明るい調子の喋り方をします。こういった演出はこの映画が最初でしょうか。
ビートたけしさんが元担任を演じており、ハマり役だと思います。この映画で主演の藤原竜也さんは、後述の『カイジ』や『インシテミル 7日間のデス・ゲーム』でも主演をつとめています。また、ビデオのお姉さんを『新世紀エヴァンゲリオン』の惣流・アスカ・ラングレー役の宮村優子さんが演じています。
・オリジナル ノベライズあり
・デスゲーム
・コミックのドラマ化
・お金を奪い合うゲーム
・小説の映画化 コミック、ドラマもあり
・一方的に追われ捕まると殺されるデスゲーム
■ストーリー(あらすじ)
佐藤の名の人が追いかけられ殺されるパラレルワールドに迷い込んだ佐藤姓の青年が、その世界の父親や、元の世界では痴呆状態だがその世界では通常状態の妹、元の世界では不良になってしまい対立している友人などと協力して逃げる。
解説・感想
デスゲームと表現するのが適切か微妙ですが、気づくとパラレルワールドにいて、その世界の「王様」の命令で佐藤姓の人が一方的に追われ捕まると殺される世界で、主人公達は逃げます。
こういった、ことさら人間ドラマに寄らないSFやアクションなどの映画を見るのも楽しいものです。
しかし自分の意志と関係なく突然パラレルワールドに来てしまい追いかけられる身となった主人公の心情や葛藤が表現されています。
潤沢な予算があったわけではないと思われる規模で、普通の街が主なロケーションとなり、王宮の中の表現もチープで、なおかつ今ほどデジタルの映像制作技術が発達する前の作品で、一部静止画や小規模なVFXも使うものの目立ったカラコレもせず、それ相応の内容だと感じます。しかし作り手目線も入っているかもしれませんが個人的には好きなタイプの映画です。
ただ、後半に捕まって王様の元に連れてこられた妹の口から王様の正体や真実がセリフで語られ、しかも極めてパーソナルな出来事であることがわかり、ストーリーとしては尻つぼみ感があります。冷静に見てしまうと、起きていることと真実のチグハグ感もあります。
元の世界で痴呆状態で入院している主人公の妹に医師がセクハラをします。この医師が非道な人物であるのはストーリー上の必然性があるのですが、私なら直接的なセクハラエピソードにはしないかもしれません。
最後は続編に繋げられる終わり方をしています。
続編では主人公の佐藤翼役の石田卓也さんは続投し、妹役の谷村美月さんや友人の佐藤洋役の大東俊介さん(その後大東駿介に改名)は続投していません。石田卓也さんと大東駿介さんは、『罪と悪』(2024)で16年ぶりに共演したようです。
『バトル・ロワイアル』の紹介中で、「多くのデスゲーム系の映画やコミックのストーリー中、ゲーム参加者(参加させられている人たち)へゲーム内容を説明する映像や音声が、命をかけたひどいゲーム内容に比較してやけに明るい口調であったり使われる文字がひらがなであったりする演出がしばしば見られます」と書きました。この映画では鬼(の役割の人たち)は黒い仮面をかぶっており、仮面下部の造形が笑っているような印象になっています。また、鬼ごっこの開始や終了がサイレンと共に街中のアナウンスで流れる演出となっています。
・コミックの映画化
・カードゲーム、デスゲーム
■ストーリー(あらすじ)
自堕落なアルバイト暮らしをしている青年が、知人の連帯保証で借金を背負い、勝てば借金がチャラになるというゲームに参加し、理不尽で卑劣なゲーム内容に怒りつつ勝ち進み生き残っていく。
解説・感想
カードを使ったじゃんけんやビルの高いところを結ぶ鉄骨渡りなどの、わかりやすいゲーム内容と、主人公の感情や勝った戦略のネタバラシをセリフや解説アニメ(ストーリー中のものではなく、映画の観客用のもの)で表現してわかりやすいことが特徴です。盛り上がる部分は音楽でも盛り上げています。最初のじゃんけんは負けても工事現場で強制的に働かされるだけですが、鉄骨渡りは失敗すれば落下して死亡するデスゲームです。3つ目もカードゲームで、負けると地下労働となっています。
・コミックのドラマ化 シーズン1の続編
・お金を奪い合うゲーム
・ドラマの続編 劇場版
・お金を奪い合うゲーム
■ストーリー(あらすじ)
正直者の女がお金を賭けた騙し合いのゲームに参加し、聞いたルールの中で全員が平等に勝つ方法をとるように他の参加者達に提案するが、毎回誰かが裏切る。
解説・感想
コミックをドラマ化したストーリーの決勝戦が描かれた劇場版です。映像や演出がドラマ的だと感じます。
・小説の映画化
・デスゲーム
・映画第1作の続編
・デスゲーム
■ストーリー(あらすじ)
佐藤の名の人が追いかけられ殺される別のパラレルワールドに飛ばされた佐藤翼(さとうつばさ)が、元の世界では痴呆状態だがその世界ではレジスタンスのリーダーをしている妹の佐藤愛、元の世界では不良になってしまい対立している友人佐藤洋(さとうひろし)などと協力して逃げつつ戦っている。
一方翼が元いた世界で、ケンカ(実際には、入院をした時の洋の方便だと思われる)をして入院していた病院から退院して帰る途中の佐藤洋が、特別病棟から別の施設に連れられる最中の女(愛)が怪しい人物から逃げて来たのを見て彼女を連れて逃げ、町中で逃げている時、そのほぼ同じ場所に翼が鬼3匹と共に転送されてくる。
逃げる途中の翼は愛を連れている洋と会い、パラレルワールドの話を信じない洋も一緒に鬼から逃げるが、警察からも追われる。
解説・感想
映画第1作の続編ですがストーリーの続きではなく、前作の最後に別のパラレルワールドに飛ばされた主人公がまた逃げつつ戦い、さらに元の世界に「鬼」たちと共に転送されてきてしまいます。
映画第1作と同じく、柴田一成さんが監督と脚本を手がけています。
リアル鬼ごっこ(1作目)
製作費:1億円(ウィキペディアより)
興行収入:
3億5000万円(キネ旬総研白書「映画ビジネスデータブック2009-2010」(2009年8月14日発行)P193より)
5億円『リアル鬼ごっこ2』関連記事(2010年6月5日)より
上記関連記事内で、「前作のヒットにより、製作費も少し増えた」と書かれています。
いくつかの点で前作よりグレードアップし、面白くなっています。
・さまざまな場面が描かれ、映画ばえする多様なロケーションが使われています。パラレルワールドでは廃墟でのアクションシーンから始まり、地下のアジト、元の世界では日本の普通の街や関係ない人の家の中でも逃げ回り、廃工場では「鬼」から隠れながら逃げるなど、場面のバリエーションが増え、より複雑で面白くなっています。
・前作ではパラレルワールドで王様の指示によって鬼に追われる話のため、周囲の人もそれを知っている世界でしたが、今回は普通の(元の)世界にマスクをした変な姿の「鬼」が現れ主人公達が追われるため、周りの理解が得られず変なことを言っていると思われてしまうという話になっています。鬼を見る普通の人々のリアクションも面白いです。
・洋が病院から愛を連れ出して逃げているため、鬼だけでなく警察からも追われます。
・その警察の中にも佐藤姓の青年がいるのも面白い点です。
・前作では笑っているような造形だった「鬼」のマスクが今回は防毒マスクのような「悪い」「怖い」印象のデザインのマスクとなり腕に強力なスタンガンが仕込まれている設定となり(前作では人間を裂くことのできるワイヤー)、怖さが増しています。
翼が転送されてくる時などの映像表現は単なる光で、この映画においてはそれでいいと感じます。
リアル鬼ごっこ3・4・5が新三部作として公開されています。柴田一成さんは企画・プロデュースにまわり、前2作と異なる世界を舞台としてキャラクターが変わり、出演者・監督も変わっています。
2015年の映画『リアル鬼ごっこ』はタイトルだけ使ったオリジナル脚本作品です。
・小説の映画化
・デスゲーム
■ストーリー(あらすじ)
フリーターの男が時給11万2000円のアルバイトに参加し他の9人の参加者と共に隔絶された場所の建物に行くが、「事件」が起きたら誰かが「探偵」となり多数決で決められた犯人は「投獄」され、7日目を迎えるか生存者が2名になり継続不可能と判断されたら終了というルールが説明される。翌朝一人が殺されており一人が犯人として投獄され、みな疑心暗鬼になっていく。
解説・感想
実験の真相がわからずスリルと緊張感があり、参加者の部屋の箱に入れられているそれぞれ異なる凶器、ルールを説明する人形や「ガード」と呼ばれるロボットの存在など、舞台装置の雰囲気は楽しめますが、誰が犯人という判断がみんな早とちりで浅はかな推測や感情を元にしており、謎解き、犯人探しの面白さはありません。疑心暗鬼になることで事態が悪化する様子を描いたとも言えます。登場人物どおしに本人たちが知らなかった繋がりがあるのかと思いましたがそれもありませんでした。
・3D映画版
・デスゲーム
・デスゲーム
・コミックの映画化
・デスゲーム(異形の化け物との戦い)
■ストーリー(あらすじ)
電車に轢かれて死んだはずの大学生2人が謎の黒い球体「GANTS」のある部屋で目覚め、異形の星人たちとの戦いを強いられる中、それぞれ自分の存在意義に向き合う。
解説・感想
原作は奇想天外な発想のコミックで、読んだのはだいぶ前ですが面白かったです。
それぞれの理由で死んだ人たちが直径1mほどの謎の黒い球体GANTZ(ガンツ)が置かれた部屋に召喚され、武器などを受け取ったあとまた外に転送され、キッチュで奇想天外な「星人」達と戦います。ネギを持った異形の子供のネギ星人とその親と思われるネギ星人、子柄な人間の姿だが頭部がロボットでガッチャンガッチャンと走り口から波動砲を発射する「田中星人」、巨大な金剛力士像が動き出すおこりんぼう星人など、それぞれの「星人」達は外見も特徴もばらばらで、戦い方も変わるため飽きさせません。
また、GANTZそのものや、GANTZから提供される武器、そして着るとパワーアップする戦闘用ボディスーツなどの小道具が面白くビジュアル的にもキャッチーです。
映画では原作から要素を選んで構成しており色々違いがあるようですが、この奇想天外な世界観をかなりうまく表現していると思います。
一方、戦う「星人」がCGで作られ後で合成されるシーンは、撮影時には敵がいない状態でアクションと演技をする必要があり、タイミングを取るのが大変だったのではないかと思います。また、CGの制作と撮影された映像との合成もかなり大変だったのではないかと思います。
そういう演出なのか合成や編集の限界だったのかわかりませんが、さっさと撃てばいいのにみんななかなか撃たないことがあります。映画制作上あらかじめ決められているそのシーンの流れに沿うために、演出上「まだそこでは撃てない」ということがあると思いますが、テンポを読者が脳内補完できるマンガや文章と違い、映像は出来上がった映像のテンポで見ますので、表現したいこととのズレが生じるかもしれません。
映画やアニメでしばしば見られますが、一つ明らかに演出上の都合だと思うのは、戦闘中のエモーショナルなシーンでは敵が襲ってこないことです。
『バトルロワイヤル』についての説明でも書きましたが、この作品でも球体からラジオ体操の歌が流れて指示がはじまったり、その指示はひらがなまじりでたまに文字が裏返るなどのキッチュで人をくったような表現が見られます。
余談ですが、特にGANTZの部屋では引きのカメラフレーミングの時、カメラから遠い登場人物のセリフが遠くに聞こえます。想像ですが、登場人物がそこそこ多いことと、ボディスーツだとピンマイクのトランスミッター(ワイヤレスマイクの音声を無線で飛ばす機械)を隠せないなどの理由でガンマイクで録音したのではないかと思います。
・映画2部作の完結編
・デスゲーム
・コミックの映画化第2弾
・ギャンブル
カイジの2作品目はギャンブルがテーマでデスゲームではありませんが紹介します。
■ストーリー(あらすじ)
また借金を負って地下労働をする青年が、仲間の期待を負って地上でギャンブルをしようとし、新しい協力者も得てモンスターパチンコ台に挑戦するが、過去のゲームの関係者たちもそれぞれの思惑を抱えて現れ翻弄される。
解説・感想
今回は基本的に裏カジノでの大型パチンコをめぐる話で、そこに挑む主人公と、彼の周りに現れる過去のゲームの関係者の誰を信用していいか駆け引きの内容となっています。前作の役者に加え個性派の役者も増えてコミカルな要素も加わり、リアルで緊張感のあるシリアスさよりも、わかりやすくサクサク見られる内容となっています。
前作同様、登場人物の感情や戦略のネタバラシをセリフや解説アニメ(ストーリー中のものではなく、映画の観客用のもの)で表現してわかりやすくなっています。
・『ライアーゲーム』のスピンオフドラマ
・お金を賭けたゲーム
・『ライアーゲーム 再生』のスピンオフドラマ
・デスゲーム
・小説の映画化
・デスゲーム
・デスゲーム
・小説のドラマ化
・デスゲーム
人狼という複数人参加の会話によるパーティーゲームを元にしています。細かいルールははしょりますが、人狼は、概ね以下のようなゲームです。
参加者は、人狼数人と残りの村人の役割に分かれ、村人は誰が何の役割か分かりません。毎晩人狼は村人を一人殺し、昼にはそれぞれ嘘を言ったりして駆け引きをし、毎日全員が集まり、人狼と思われる者を投票で決め、処刑します。間違って村人を処刑してしまう場合もあります。全ての人狼が処刑されれば村人の勝ち、村人の人数が人狼の数以下になったら人狼の勝ちです。村人の中には特殊な役割を持つ者がいて、駆け引きを複雑に(ゲームとしては面白く)しています。
デスゲームは作り手側が刺激的なストーリーを作りやすいと書きましたが、人狼を元にしてデスゲーム映画としたのは一つのアイディアだと思います。他にも制作上のメリットがあると思います。
●(ストーリーしだいだが)ロケーションが少なくてすむ
●人狼ゲームの行われる場所が屋内であれば、撮影上、天気の影響を受けづらい
しかし、上記のメリットと同時に、映画にする上での難しさ、ハードルも抱えていると思います。いくつかあります。
●人狼ゲームのルールが複雑なため、人狼のルールに馴染みがない観客にはストーリーがわかりづらい
●人狼ゲームが概ねことばの駆け引きで進んでいくため、その駆け引きを映画の見どころにするためには演出と演技が重要で、それがないと単に感情的になったり殺したりする話になってしまう
人狼のルールを知らない観客にも理解してもらって映画を楽しんでもらうためにも、演出力が必要になるだろうと思います。
ストーリー中、初めてこのゲームに参加させられた登場人物はルールについていけず混乱しますが、その混乱した様子が嘘である場合には、その登場人物がうまくミスリードするのかミスリードが下手か、適切に演出、演技する必要があります。
ストーリー中では役割の割り当ては無作為ですが、観客側からは、どの役者がどの役割を割当てられ、どのタイミングで退場するかを想像する見方をできますね。
・小説の映画化 ドラマ、コミックもあり
・デスゲーム
・コミックの映画化
・デスゲーム
・デスゲーム
■ストーリー(あらすじ)
突然知らない場所の無人の建物で目覚めた高校生10人が、殺す役割(人狼)2人とそれ以外の役割(村人他)を割当てられたゲームに参加させられる。
解説・感想
変わった映画だと感じます。
カメラワークは、多くの映画では観客にカメラマンの存在を感じさせないように撮影すると思いますが、この映画では意図的かどうかわかりませんが手持ちカメラで手ブレし、フォーカスがずれたり一人の表情をずっと追っていたり急なズームインやズームアウトもするため、ストーリーの中にカメラマンがいるかのように感じます。
シーンの切り替わりで音楽が途中で途切れたり荒削りな編集となっていますが、その荒削りさが、ラフなカメラワークと合わさり独特な生々しさを出しています。
音楽について指摘しましたが、基本的には音楽は少なめです。
上記の特徴の中で見るせいか、演技というよりただキレて叫んだりめそめそする様子も自然でリアルに感じ、映画というより、殺し合いのゲームのドキュメンタリー番組を見ているような印象です。
『今際の国のアリス』でアリスを演じている土屋太鳳(つちやたお)さんが、この映画でも主演の脈絡なく歌を歌う奇行をする人物を演じています。この歌は土屋太鳳さんが作詞・作曲したようです。
・コミックの映画化
・デスゲーム
■ストーリー(あらすじ)
退屈を持て余す男子高校生が、授業中に突然担任の首が飛んで現れた生きたダルマの行う「ダルマさんが転んだ」から始まるゲームに巻き込まれ、失敗すると死ぬそれぞれのゲームを生き残っていく。
解説・感想
生きたダルマや生きた巨大な招きネコなどの荒唐無稽な物が現れ、なぜそうなったかわからないまま、失敗したりうかうかしていると死ぬデスゲームに巻き込まれ逃げられずみんな死んでいく中、主人公は成り行きや機転によって生き残っていきます。
ニュース映像で、同じことが世界各国で起きていることがわかりますが、描かれるのは主人公達だけです。 世間の人々の様子も描かれますが、ゲームに巻き込まれている人達とのストーリー上の絡みはありません。
演出によってはトラウマ級になり得るストーリーだと思いますが、あまりシリアスさやドラマ的な作り込みはなく、マンガ的な印象のまま進みます。
目が血走り、ニヤリとしたりするダルマの他、登場するものがよくできており、リアルで違和感がないです。 血の代わりに赤いビー玉が飛び散る表現にすることによって、凄惨さを和らげていると同時にキッチュでマンガ的な世界観を作っています。(後半はもう少し生々しくなります)
結局何だったのか明らかになりません。
・ボーカロイド楽曲の映画化
デスゲーム
・デスゲーム
・小説を元にしたコミックの映画化
・デスゲーム
・デスゲーム
・小説の映画化
・カードゲーム デスゲーム
・コミックのフルCGアニメ映画化
・デスゲーム(異形の化け物との戦い)
■ストーリー(あらすじ)
親がおらず弟と暮らしている青年が駅のホームで通り魔に殺されるが、直径1mほどの謎の黒い球体のある部屋で目覚め、言われるままに用意された黒いボディスーツを着て他の人たちと大阪に転送され、ありえない状況を理解しながらも弟の元に帰るために妖怪の化け物達と戦う中で、周りの人を必死で助けようとする。
解説・感想
キャラクターも含めフルCGのアニメ映画です。ハイテクな武器や乗り物を駆使し、日本の妖怪に着想を得た化け物達と戦うのが今作の魅力です。様々な点でCGであることが活かされていると思います。
アクション
CGによるキャラクターはモーションキャプチャーによる動きや表情などよくできているもののやはり人形っぽさはあり、キャラクターの芝居という点では生身の役者に叶わない面はあると感じます。しかし、生身の人間だとスタントマンを使っても不可能と思われるアクションがあってCGが活きています。
カメラワーク
実写では極めて困難又は不可能なカメラの演出ができるのはCGのメリットだと感じます。例えば、地面スレスレを高速でカメラが移動したり、空中の被写体に高速でカメラが寄るようなカメラワークが見られます。
浮遊する未来型バイク
込み入った構造とデザインのバイク型の乗り物に人が乗った状態で浮遊しながら高速で移動するのも、実写ではほぼ不可能だと思いますので、CGならではの魅力があります。
夜のシーン
実写では夜のシーンは観客が気付かないようなライティングをしていることがありますが、それでも明るさが足らずノイズが乗ったり暗くなり過ぎる場所が出てきます。CGの場合はうまくコントロールされて画面がクリアで見やすいです。
巨大な化け物やロボット
実写映画でもどのみちCGを使わないと表現できないと思いますが、巨大な化け物や巨大なロボットもCGならではです。
その他
原作はどうだったか確認していませんが、今作のその他の特徴としては、戦いの古参が新人に説明することで観客も状況を知ることができ、自然です。
ストーリーは総合的にわかりやすいです。
転送時の本人視点の映像が表現されているのは実写版にはなかった点だと思います。
・デスゲーム
・コミックのドラマ化
・借金返済のためのゲーム
・借金返済のためのゲーム
・借金返済のためのゲーム
・デスゲーム
・デスゲーム
・ギャンブル
・デスゲーム サスペンス
■ストーリー(あらすじ)
人狼ゲームの運営側のスタッフの一人が、ゲームに集められた人の中にかつて家庭教師をした教え子を見つけ、昔からの知り合い以外の運営スタッフ達には気づかれないように助けようとする。
解説・感想
運営側とゲーム参加者側の両方が描かれます。ストーリーはゲームの進行を追いながらも、主人公(運営側のスタッフの一人)が助けようとする人に直接接触できない中、ゲームの進行を予測しながら他の運営スタッフ達には気づかれないように、指示する内容や指示する方法を色々考え実行していく様子が見どころとなっています。
・コミックのドラマ化
・デスゲーム
■ストーリー(あらすじ)
ニートでやる気がなく家族からも疎まれている若い男が数少ない友人たちと渋谷にいる時、突然周囲から自分たち以外の人が消え、失敗すると死ぬゲームに他の参加者といっしょに参加させられ、それぞれのゲームを生き残っていく中で生きることの意味に向き合う。
解説・感想
主人公たちが渋谷にいる時に突然自分たち以外の人が消え、デスゲームに参加せざるを得ない状況になります。原作を読んでいませんのでシーズン2以降どうなっていくのか分かりませんが、シーズン1を見た限りでは、このゲーム世界は一種のパラレルワールドのように見えます。たくさんの人がいる都会でデスゲームが行われたら大混乱になってゲームどころではなくなるでしょうし、今作はドラマのため上映時間が長く、場所も内容も異なるいくつものゲームが出てきますのですので、パラレルワールドにするのは一つのアイディアだと思います。
▶︎『今際の国のアリス』シーズン1 各話のあらすじとゲーム内容についてはこちらの投稿をご覧ください。
▶︎『今際の国のアリス』のVFXについてはこちらの投稿もご覧ください。
追記:その後『今際の国のアリス』シーズン2も見ました。
▶︎『今際の国のアリス』シーズン2 各話のあらすじとゲーム内容についてはこちらの投稿をご覧ください。
・コミックの映画化
・命もかける賭けゲーム
■ストーリー(あらすじ)
賭けに立会い代償を取り立てる秘密組織の頂点を賭けて負け、追放された青年が、ひょんなことから出会った青年に乞われて相棒にし再び組織の頂点を狙う。
解説・感想
ゲームとしてデザインされたものではなく、個々の賭けに立会人として秘密組織が関わる構造です。命がかかるものも多いです。銃を持った敵に追われるアクションシーンなどもありますが、コミカルな表現も入れ、シリアスなリアルさは犠牲にしてエンタメ映画として制作されているように見えます。華のあるキャラクターが多く、楽しんで見ることができます。
▶︎Netflixのデスゲームドラマ『今際の国のアリス』『イカゲーム』比較
▶︎映画『ブレードランナー』の原作小説『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』の感想とタイトルの意味考察(ネタバレあり)
▶︎観客が選択肢を選ぶだけでなくストーリーの一部になるインタラクティブ映画『ブラック・ミラー:バンダースナッチ』(ややネタバレあり)