『M3GAN 2.0』を見た感想と解説 日本で公開が中止になったことに関する考察 普通に面白いが欠点もある(ネタバレ)

『M3GAN 2.0』を見た感想と解説 日本で公開が中止になったことに関する考察 普通に面白いが欠点もある(ネタバレ)

『M3GAN 2.0』を英語版DVDで見ました。感想と解説、日本で公開が中止になったことに関する考察を書こうと思います。

前半はなるべく詳細には触れずに書きますが、大枠や主要要素には触れますのでややネタバレになります。最後にあらすじを紹介します(こちらはネタバレ)。

作中に出てくる下ネタについても言及します。そういった内容を読みたくない方は注意願います。

最後に印象的なセリフもピックアップします。

前作『M3GAN』の続編である

前作から続き、(前作での)ミーガンの暴走を教訓にテクノロジー慎重派になったAIロボット開発専門の主人公ジェマと、逆に今はコンピューターサイエンスに関心を持つ姪ケイディを中心に、『M3GAN 2.0』では、指令を無視して独断行動する軍事アンドロイド(AIロボット)アメリア、サイバーセキュリティ専門の男クリスチャン、AI事業を展開しAIを脳に埋め込む事業も開始しようとしている富豪アルトン、国防のために新しいテクノロジーを推進するアメリカ陸軍のサトラー大佐など、前作よりも多様化した登場人物達と設定を用いています。

実は前作『M3GAN』は最後、続編への含みを持たせており、『M3GAN 2.0』ではそれがきちんと伏線となっています。

▶︎前作『M3GAN』についてはこちらの投稿もご覧ください。

『M3GAN 2.0』は日本で公開中止

『M3GAN 2.0』は日本でも公開が予定されていましたが、公開中止となりました。海外での興行成績の不振が影響したのではないかという見方があるようです。実際、海外で『M3GAN2.0』の興行成績は不振だったようです。

参考:‘M3GAN’ 2.Oh No: Why Blumhouse & Atomic Monster Sequel Sputtered & Crashed At The Box Office
https://deadline.com/2025/06/m3gan-box-office-bomb-1236446230/

コンパクトにまとまった上質なSFホラーだった前作の路線を期待していた多くの人々が『M3GAN 2.0』のトレーラー(プロモーション映像)の「コメディ要素のあるSFアクション映画」のイメージに失望して「見に行かなかった」のではないかと想像します。

ここで注意が必要なのは、必ずしも「つまらなかったから興行成績が不振だった」のではなく、『M3GAN 2.0』のトレーラーを見て興味を失った人が「見に行かなかった」のではないかという点です。

『M3GAN 2.0』を見た感想 普通に面白かったが欠点もある

『M3GAN 2.0』を実際に見ましたが、個人的には『M3GAN 2.0』はきちんと『M3GAN』の「続編」になっていると感じます。普通に面白かったです。

今回描かれているのは、いきなりネタバレに近づきますが、「世界をAIの脅威から守るために極秘裏に荒療治をしている科学者や専門家たちのチームと、ケイディを守りつつ、暴走した軍事ロボットに対処するためパワーアップしたミーガンの戦い」です。

『M3GAN』も『M3GAN 2.0』も共通する視点が感じられます。引き続き、問題を起こすのは結局人間である様子がさまざまな面で描かれています。続編であることを考えると、結局主人公は変わってない、と捉えることもできます。

ミーガンも相変わらず辛辣な正論やブラックユーモアを言います。歌も歌います。

「伏線と回収」と言うほどではないものも含め、細かなことが後になって意図せずいい結果になったり不都合が生じたりする様子があちこちに盛り込まれているのも面白いです。

ただ、手放しで絶賛できるかというと微妙なところです。

『M3GAN』は最後、続編への含みを持たせつつも完結しており、『M3GAN 2.0』はそこからストーリーをつないで続編として発展させるために「指令を無視して単独行動する軍事アンドロイド(AIロボット)」「それを追う軍の大佐やFBI」「軍事アンドロイドのブローカーが殺される」「彼の持っていたミーガンの内部資料」「主人公にかけられた容疑」「サイバーセキュリティ専門の男」「AIを脳に埋め込む事業を展開しようとしている富豪」「アンドロイド兵器に対処するために、前作の最後で破壊されたミーガンが復活」など、要素が増え、アクションやコメディ・ユーモアも、より盛り込まれています。

前作の「コンパクトにまとまった上質なSFホラー」そのままの路線ではなく、「より多くの観客が楽しめる(はずの)=一般向けの」内容になっていますが、内容がやや複雑になり、セリフが多いです。

トレーラーの印象は映画本編にも感じられます。映画の構成要素の半分といったところです。本来「コメディ要素のあるSFアクション映画」そのこと自体は悪くないはずですが、前作の「SFホラー」の印象から変わったことと、デザイン面が足を引っ張っているとも思います。

細かい部分では、もしかしたら、メインの理由ではないとしても何気に公開中止に影響を与えているかもしれない理由として、下ネタや下ネタスラング、特定の国を貶める(おとしめる)ととらえかねない表現が出てくる点です。

以下、やや詳しく解説します。

『M3GAN 2.0』の興行成績が不審だった原因として考えられるもの①
トレーラー(映画を見に行かなかった人々の感想が影響)

「コメディ要素のあるSFアクション」路線の印象になってしまった原因を挙げるとすれば、トレーラーではその「アクションやコメディ・ユーモア」が中心に紹介されたことで、実際よりも「コメディアクション」路線が強調された印象になってしまい、皮肉にも前作の路線を期待していた人々を劇場から遠ざける結果になったように思います。

加えて、トレーラーでも紹介されていますが、些細なことですが、今回ミーガンが様々な姿になる中で、復活したミーガンが最初はチープなデザインの人形として復活することや、潜入のためダンサーに扮したミーガンの衣装やかけているゴーグルがダサくてギャグに見えることも影響しているかもしれません。それらは「ギャグ」として割り切って見ればいいとしても、新しい体を与えられたミーガンがオリジナル(前作)の姿とはやや異なる顔つきになったことが、じわじわとネガティブに効いてきます。前作よりもアクションや会話が増え、CGによる表現に依存する中で印象が変化してしまったのかもしれません。

『M3GAN』にも『M3GAN 2.0』にも、「ホラー要素」と「アクションやコメディ・ユーモア要素」がある

実際には前作『M3GAN』にもアクションやコメディ要素はあり、今作『M3GAN 2.0』でも前作同様ホラー要素はあります。

『M3GAN』のホラー要素
・両親を亡くした姪に主人公が友達アンドロイド(AIロボット)を与えるが、姪に脅威となっていた人が相次いで死亡するなどの事件が起き、アンドロイドが姪を守る目的のために手段を選ばず暴走している事がわかっていく。

これは『M3GAN』のあらすじでもあります。

『M3GAN』でのアクション要素の例
・ミーガンが、ケイディ(主人公の姪)に意地悪し人形のふりをしていたミーガンにも乱暴した少年に復讐する
・主人公と姪が、暴走したミーガンと戦う

実は『M3GAN』にもコメディ要素はあります。(しかし、ブラックユーモアや、ホラーに繋がったコメディだった。「笑っちゃうようなことが予期せず起きる怖さ」があった)


・ケイディがミーガンとの遊びに夢中になりジェマの話もろくに聞かないため、ジェマが「ミーガン、停止」と指示しミーガンが止まるが、ケイディは「何するのよ。ミーガン、始動」と指示してミーガンが始動するが、ジェマが「話があるのよ。ミーガン停止」と言ってミーガンが停止するやりとり。

・辛辣なウイットのある会話
ジェマ「This is all my fault. I didn’t give you the proper protocol…」
ミーガン「You didn’t give me anything.」
(同じ表現を使って「返し」をするこの辛辣なウイットのニュアンスは、日本語字幕には活かされていません)
・奇妙なダンスをしながら人を襲う(有名なシーンです)

『M3GAN 2.0』でのホラー的要素の例
・軍事アンドロイドが単独行動を始める
・自宅に保管してあった外殻ロボットのシステムに、暴走した軍事アンドロイドに遠隔で入り込まれ、襲われる

『M3GAN 2.0』でのアクション要素の例
・アンドロイド(AIロボット)兵器が指令を無視して周りの人々を虐殺
・主人公や姪やエルシー(家庭用小型アシスタントロボット及びシステム)に入り込んでいたミーガンが、夜中に家に侵入してきた謎の集団を撃退
・カーチェイス
・暴走した軍用アンドロイドとミーガンが戦う
・その他

『M3GAN 2.0』でのコメディ要素の例
・ジェマの同僚の外骨格スーツのプレゼン
・ミーガンの仮の体(子供用キャラクター)やダンサーに扮した衣装やダサいゴーグル
・寝ているコールの枕元にミーガンが立って、目覚めてビクッとするコールに対し、上から見下ろしながら不気味に、彼に寄り添う言葉をかける
・ミーガンのウイットのあるセリフ

・ミーガンが車を始動させる時の、機内放送になぞらえたセリフ。(荒っぽい運転になることを機内放送になぞらえてユーモラスに表現している。下ネタも含まれる – 後述)
ミーガンがジェマたちを乗せ、アメリアを追うために車を始動する時のセリフ:ご搭乗ありがとうございます。 今晩は乱気流が予想されますので、ご注意ください。 シートベルトをお締めいただき、手荷物を安全に収納し、おなかをしっかり抱えてお過ごしください。(ここでは下ネタ部分を当たり障りない訳にしてあります)
・最後の方の戦いで、ジェマが興奮して敵を叩きのめすのを、ミーガンが止める。

『M3GAN 2.0』の興行成績が不審だった原因として考えられるもの②
映画の内容(映画を見に行った人々の感想が影響)

『M3GAN 2.0』の興行成績が不審だった原因として、『M3GAN2.0』を「見に行かなかった人」ではなく「見た人」の感想に影響するであろう点もあると思います。

一つは、トレーラーからもわかるのですが。前作では「指示を守るために手段を選ばず暴走」したために、主人公にとっては「敵」となってしまったミーガンが、今作では、行動原理はそのままで「味方」になる点です。

「敵」だった存在が続編で「味方」になる展開で成功した例として『ターミネーター』があります。実際、『M3GAN 2.0』でも『ターミネーター』が参考になっているようです。

もう一つは、要素がやや複雑になったことも影響し、セリフが多めに感じる点は挙げられるかもしれません。それぞれの登場人物の「考え方」やその時々の「状況」がセリフで語られる場面も多いため、聞き逃すと話の流れを正確に追えなくなります。アクションやコメディ・ユーモアが盛り込まれていることで面白さはうまく維持されているのですが、結果として「テーマ」よりもアクションやコメディ・ユーモアが、前面に見えてくる事につながっているかもしれません。

トレーラーを見て映画を見に行かなかった人同様、映画を見た人もミーガンの姿や挙動に違和感があったかもしれません。

前述のようにピンクのゴーグルがダサくてギャグに見えることや、復活したミーガンが最初はチープなデザインの人形として復活することの他、今作中で与えられる新しい身体がオリジナルの姿とはやや異なる顔つきになりました。オリジナルの「知的で整っているが無表情」な顔の(CG及びマペットの)デザインのさじ加減が非常に良かったのに比べ、今作のデザインはその印象を踏襲しているものの、おそらく概ねCGで作られたと思うのですが、「目」の見た目が良くないことと、オリジナルの「整った美しさ」がやや失われていると感じます。その「やや劣化した印象」のミーガンが、前作以上に喋り、ダンスをし、歌い、飛ぶことや、シモネタも言うのに子供向けのCGアニメのような演出がなされていることにやや違和感やちぐはぐ感があります。

下ネタや下ネタ的スラング、特定の国を貶めるととらえかねない表現

●ジェマがケイディに嘘をついて、子供向けキャラクターのようなデザインのミーガンを連れて出かけようとしている時のケイディのセリフ

ケイディ:Bullshit! A bunch of black ops broke into our house in the middle of the night, and now you’re going to a party with a toy robot, dressed like a Portuguese prostitute.馬鹿馬鹿しい!真夜中に秘密工作員が家に押し入ったのに、ポルトガルの売春婦みたいな格好をして、おもちゃのロボットを連れてパーティーに行くなんて。

 

●前述の、ミーガンが車を始動させる時の機内放送になぞらえたセリフ。(荒っぽい運転になることを機内放送になぞらえてユーモラスに表現しているが下ネタも含まれる)

ミーガン(車を始動し):Welcome aboard, passengers.
Just so you know, we are expecting some turbulence this evening, so please ensure your seat belts are fastened, baggage is safely stowed, and hold on to your vaginas.
ご搭乗ありがとうございます。 今晩は乱気流が予想されますので、ご注意ください。 シートベルトをお締めいただき、手荷物を安全に収納し、おなかをしっかり抱えてお過ごしください。
(ここでは下ネタ的な比喩としてvaginasと言う語が使われていると思われる)当たり障りなく訳すなら「おなか」下ネタ感を残すなら「アソコ」)

 

●AIコンベンションに潜入し、クリスチャンが中国大使と話している声をミーガンが遠くから解析しつつ音声としてジェマやミーガンのいるバンに伝えた音声が小さかった時のやりとり

ジェマ、ミーガンに:Can you raise the audio?音声を上げてもらえる?
クリスチャンの声:I do want you to know that I have a yeast infection on my vagina.私の膣にカンジダ感染症があることを知っていただきたいです。

ケイディ笑う。ジェマ、ため息をつく。

ジェマ:M3gan.ミーガン。
ミーガン:What? This audio filter has 99% accuracy. You designed it.なに?このオーディオ フィルターの精度は 99% です。あなたがそれをデザインしたのよ。
ジェマ:Try it again.もう一度試して。
クリスチャンの声:I do want you to know that I have the greatest respect for China.私は中国に対して最大限の敬意を抱いているということを皆さんに知っていただきたいです。

 

Amazon Primeで配信予定

Amazon Primeで配信予定とのことです。

見る人は結構多いのではないかと予想します。見た後、ここで書いてきたことを「なるほど」と感じると思います。

『M3GAN 2.0』のあらすじ(ネタバレ)

●中東で旅行者の女が拘束され殺される。

●長官の承認を得ずにアメリカ陸軍のティム・サトラー大佐主導でサウジアラビアの諜報機関に貸し出された軍事アンドロイドが、誘拐されて中東で合成神経毒の開発を強制された科学者を救出する初めてのミッション中、指令を無視し、科学者を殺し、神経毒を盗む。

モニター越しに見ていた軍の施設からはコントロールが効かない。

●前作でも登場したセラピストのリディアがケイディに近況を聞く。観客に向けた、ストーリーの前提の確認でもある。

主人公はAIロボット開発に意欲を持っていたがミーガンの暴走を教訓にテクノロジー慎重派になった様子も紹介され、その講演後、サイバーセキュリティ専門の男と知り合う様子も描かれる。

●以前(前作で出たおもちゃメーカーのラボ)よりショボくなったラボで、主人公ジェマの同僚達が、外骨格ロボットのプレゼンをするが不具合が続き、見学者を殴ってしまう。そこへ、AI事業を展開している富豪アルトンが現れ、自分の事業に参加するよう誘う。また、自分の会社の創立25周年パーティーに来るように言う。ジェマは相手の会社の技術に疑義をかけるが、アルトンは車椅子から立ち上がってみせる。ひたいにはチップが見える。同僚に小切手を渡すが主人公はそれを奪い、興味ないと言う。

●空港から出てきたスーツケースを持った男が、ホテルの部屋で、そのスーツケースに入っていたアンドロイドに殺される。

●主人公の家にサイバーセキュリティ専門の男クリスちゃんが来ている。
ケイディがエルシー(家庭用の小型アシスタントロボット)のOSをアップデートしようとしている。彼女は今コンピューターサイエンスに関心を持つが、叔母である主人公は賛成していない。

●夜、ジェマがベッドで横たわって考え事をしているとき、エルシー(小型アシスタントロボット)が起動し、勝手にテレビ(プロジェクター)がつき、すぐに立ちされと言う。

階下へ降りて窓に近づくと何者かが懐中電灯を持って入ってこようとしている。ジェマ、隠れる。携帯で911へ電話するがミーガンが出て驚くジェマ。
謎の男達が入ってくるが、ミーガンが床掃除機を操ったりケイディが合気道を活かし、撃退する。が、FBIだった。

アメリカ陸軍大佐他の人物達がはいってくる。

軍事アンドロイドが暴走し、そのブローカーもホテルで焼死体で発見されたことを話す。唯一回収できたのは焦げたミーガンの設計図だった。ジェマがロシアか、中国にデータを売ったと疑われ、ジェマは反発するが、アメリア(軍事アンドロイド)の創作に関わったすべての人が死んで、ジェマを残すのみ。何を隠そうとも必ず真相を突き止めると言って男達去っていく。

●ミーガン、オフのテレビモニターなどに現れ、私を身体に入れれば、アメリアの件で手伝う、と言う。

ジェマは同僚の女とともにミーガンに身体を作るが、子供向けキャラクターのようなデザイン。

●ジェマ、ケイディに嘘をついてミーガンを持ってアルトンのパーティーに行く。

同僚の男コールも来ている。責めるジェマにこれまでの不満を言うコール。コールはスワイプカードも受け取っていた。ミーガン、そのカードでサーバールームに入ることを提案し、みんなで向かう。それを大佐達が追う。

アメリアも現れアルトンに接近する。アルトン、まんまと引っかかり、回転するソファで2人でプライベートな部屋へ移動する。

ジェマ、ミーガンをサーバールームに連れていきコンピューターに接続する。アメリアはここにいる、とミーガンが言う。

アメリアにキスしてるアルトン。アメリアに襲われる。アメリア、システムに侵入する。ミーガン、阻止する。アメリア、気づいて移動する。

大佐ともう一人サーバールームに現れる。

アメリア、サーバールームに現れる。大佐ともう一人やられる。

アメリア、ミーガンが私のものを奪ったので取り返すと言う。
ミーガン、システムを操作し、トランシーバーで軍のスタッフの声色で喋り、ジェマは建物を出たと嘘の報告。アメリアは騙されて出ていく。

●ミーガンが車にハッキングして始動、アメリアを追跡。ジェマ、ミーガンに、彼女から何を取ったのか聞くが、知らないと言う。

●ジェマの家。留守番をしているケイディとジェマの同僚の女テス。突然、保管している外骨格ロボットがアメリアに乗っ取られ、同僚襲われる。ケイディ、水をかけ、ロボットは感電する。

そこへジェマ達が到着。ミーガンの導きで地下に行く。アメリアが到着する。キャラクター人形姿のミーガンが迎え話しかけるが潰される。

地下にはミーガンに寄ってシェルターのような部屋が作られていた。ついているテレビのキャスターが、サイバー攻撃とアルトン死亡について話している。

ケイディ、作りかけの自作ボディに入ったミーガンに会う。ミーガンはアメリアに対処するために身体が必要。最初は反対するジェマだが、同僚にも説得され作ることにする。

ミーガン自身も手伝いなから作る。顔は同じでより強化された身体。しかしジェマに言いくるめられ人を殺さないように行動抑制装置をつけられる。

打ち合わせする。自分は最初の殺人ロボットではない、と言うミーガン。
昔ある会社が開発したアルゴリズムを使ったサービスロボットがガスで主人を殺し、そのことは隠蔽されたが誰かによってそのマザーボードが管理されていることを突き止めたとミーガンが説明。それがどこにあるかミーガンもアメリアも知らない。しかしアメリアは知っている人物についての手がかりを持っているらしい。クリスチャンがその人。

クリスチャンは7時間後にAIコンベンションでAIカンファレンスに出席する予定、アメリアはすでに認証パスを偽造している。彼に近づいて彼女が現れるのを待つ

●AIコンベンションの会場に行く。ジェマとケイディはテレビ中継車を模したバンのモニターで会場を監視。大佐たちも来ている。ミーガン、ダンサーの着ていたロボット衣装を奪いダンサーに扮して会場を見て回るがダンサーとしてスポットライトを浴びてしまい、踊り始め、注目を浴びてしまう。バンの中でモニターを監視していたケイディはミーガンの状況に慌て、車を出てしまう。

テスがプラグを抜き、照明が落ちる。ディスプレイされていたシルバーのハイテクロボット(アメリア)が動き、人々を殺し始める。

ミーガン、クリスチャンを助ける。大佐、ジェマに手錠をかける。アメリアが現れ、ジェマ飛ばされる。大佐刺される。

ミーガン、アメリアと対峙 顔の前面が開くとアメリアの顔が現れる。アメリアから、私たちは家族になれる。協力してと言われるが、ミーガン断る。

アメリア、ケイディのところへ行き、さらう。

倒れているジェマをミーガンが起こし、I told you not to leave her.と怒る。

大佐が息がある。アメリアの居場所を示す電磁場トラッカーの表示されたスマホを渡す。ミーガン、ガラスを破って外に出る。ケイディがアメリアに捕まっている。失敗するリスクがあり、撃てない。アメリアとケイディいなくなる。

●バンで家に戻る。クリスチャンも一緒。ミーガン、ジェマに怒る。

地下のシェルター。
マザーボードの件。クリスチャンはジェマを危険にさらすことになるから話さなかった、と言う。クリスチャン、マザーボードのありかを教える。コピー機会社ゼノックスの研究センターの地下。

ミーガンに、クリスチャンの指紋を模した手をつくる。

ジェマとミーガン話す。私が犯した最大の過ちは、ケイディを守る最善の方法は、彼女に自分自身を守るための手段を与えることだと気づかなかったことだ。とミーガン。

ミーガン、ジェマがケイディのためにしてきたことを例を挙げて話し、いきなりエモーショナルに歌う。

ジェマ、ミーガンの口を手で塞ぎ、
ジェマ:I don’t want your bullshit simulation of empathy. What I need is the machine that is willing to stop at nothing to protect Cady.Are we clear?くだらない共感シミュレーションは要らない。必要なのは、ケイディを守るためにどんなことでも厭わない機械だ。わかった?

●コールがXENOX社にお客として行き、案内人に催眠薬をかがせ、潜入。
ミーガンは丘の上からウイングスーツで飛び、大きな換気口から潜入する。
ジェマとクリスチャン達がシェルターから遠隔で指示をするが程なく通信が切れる。

コール、排気ダクトを移動中、何かのガスを吸って気を失う。ミーガン、腕から催眠ガスを出して武器を持った警備員を倒す。

同僚のテス、システムを再起動するが通信は戻らない。ジェマ、ミーガンがコントロールしている、と言い、ミーガンにつけた手に電磁パルスを流すスイッチを押そうとするが、同僚テスが反対し、クリスチャンに促されそのスイッチを渡す。

しかし、突然クリスチャンがEMP銃でテスを撃つ。キーボードを操作しアメリア達が入ってくる。潜入しているミーガン、閉じ込められ天井から電撃。

ジェマ、別の場所で拘束されている。

クリスチャンが説明。アナリスト、エンジニア、戦略家、科学者たちが自ら彼のプロジェクトに参加し、AIの脅威を世界に伝える秘密裏のプロジェクトを進めてきた。ミーガンの存在やジェマのデザインがきっかけになっている。ジェマにも一員になって欲しいというが、ジェマ断る。

壊れかけたミーガンが連れて来られるが、一連の騒ぎのあと停止する。クリスチャン、ジェマをコントロールするためチップを移植する。コール目覚め、監禁されているケイディを見つける。アメリアをファクトリーリセットすればミーガンのオリジナルコードでケイディがペアリングできる。

ジェマ目覚める。ミーガンが頭に直接話しかける。一時的にミーガンがコントロールし、鎮静剤を打ちに来た男を襲い、拘束を解き、駆けつけた別のスタッフもやっつける。

ケイディとコール、アメリアに近づき、ケイディがペアリングする。初期状態のミーガンとして目覚める。状況を説明。しかし施設のガードが来て、ミーガンの入ったアメリア、電磁銃で撃たれる。ケイディとコール逃げる。ミーガン、シャットダウンするがアメリアとして再起動し、施設のガードたちを虐殺し始めるオンライン会議中のクリスチャン、外の様子に気づき、会議を退席し、逃げる。

ケイディのところに向かっているジェマ(中にミーガン)。陳列してあった外骨格ロボットを装着する。ガードたちと戦うが、やられ、気絶する。

ジェマ、気を失ったまま起動する。(おそらくミーガンが)ガードたちを倒す。ジェマが意識を取り戻し、ジェマが興奮して敵を叩きのめすのを、ミーガンが止める。

ケイディとコール、部屋に入ると、ジェマが最後の一人を打ちのめそうとしている。ジェマとケイディ、時走り寄ってハグ。ジェマだけでなくミーガンもジェマの口を使って喋る

クリスチャンが2階に入ってきて、自爆装置を操作する。自爆まであと10分
クリスチャン、ジェマを襲おうとするが、外骨格ロボットを装着したジェマに倒される。

しかし、ケイディを囮にとり、柵から落とそうとして膠着する。ケイディ、クリスチャンの腕を持ったまま飛び降りる。クリスちゃんの腕折れる。クリスチャンから自爆装置の鍵を奪い、解除しようとするが、反応しない。
その隙にクリスチャン、電動扉の向こうに逃げる。その後にアメリアいる。クリスチャンやられる。アメリア、ドアから出てくる。クリスチャンの腕を持っている。下に飛び降りる。

ジェマたちはテスを助けに行く。アメリア、クリスチャンの手でマザーボードの?部屋をあける。

ミーガン、壊れた体に入り、アメリアと戦う。
ジェマたち、テスの横たわっている医療ベッドを移動させながらエレベーターに乗るが、ジェマ、ミーガンのところへ向かう。ケイディもついていく。
ミーガンとアメリア戦っている。

自爆まで1分

ミーガン、銃でやられる。アメリア、マザーボードにアクセスする。自爆を止める。ジェマとケイディ、ミーガンに駆け寄る。ミーガン、アメリアに抱きつき、ジェマが電磁パルスを流すスイッチを押すミーガンとアメリア完全停止する。

後日、ジェマ、政府?で提言。テクノロジーに関するより安全な法律が必要。

自宅でパソコンで原稿を書くジェマ。アシスタントアプリが勝手に起動し、ミーガンのイラストに変わり、ミーガン喋る。

『M3GAN 2.0』の印象的なセリフ

印象的なセリフを以下いくつかピックアップします。それぞれ別々のシーンからの引用と、私なりの訳です。

クリスチャン:Well, as complex an operating system as Megan was, she was just a machine trying to achieve an objective.
まあ、ミーガンは複雑なオペレーティング システムだったけれど、彼女は目的を達成しようとしている単なる機械だった。

ミーガン:If it’s any consolation, my own path to personal growth has been paved with disappointment.
慰めになるかわからないけど、私の自己成長の道も失望だらけだったのよ。

ジェマ:Before we go any further, there are two things we need to talk about. The first is your face.
先に進む前に、話しておきたいことが 2 つある。一つ目はあなたの顔よ。
ミーガン:What about it?
どうしたの?
ジェマ:People know what you look like.
人々はあなたの外見を知っている。
ミーガン:People are morons.
人々はバカよ。
ジェマ:M3gan, if anyone recognized you..
ミーガン、もし誰かがあなたを知っていたら…
ミーガン:Change my face, and I’ll change yours.
私の顔を変えたら、あなたの顔も変えてやる。

ミーガン:You can’t choose your family.
家族は選べないのよ。

ミーガン(ケイディを置いて勝手な行動をしたジェマに対し):I told you not to leave her.
彼女を放っておかないでと言ったでしょ。

ミーガン:The biggest mistake I made was not seeing the best way to protect Cady was to give her the tools to protect herself.
私が犯した最大の過ちは、ケイディを守る最善の方法は、彼女に自分自身を守るための手段を与えることだと気づかなかったこと。

ジェマ:I don’t want your bullshit simulation of empathy. What I need is the machine that is willing to stop at nothing to protect Cady. Are we clear?
くだらない共感シミュレーションは要らない。必要なのは、ケイディを守るためにどんなことでも厭わない機械だ。わかった?