ニューヨークフィルムアカデミーの撮影プロジェクト9 POV (Point of view)

ニューヨークフィルムアカデミーの撮影プロジェクト9 POV (Point of view)

ここではニューヨークフィルムアカデミーの撮影プロジェクト、POV (Point of view)について紹介します。

今回は自分で考えた短いシーンを、二つ(二人の登場人物それぞれ)の視点から監督、撮影します。

この課題での視点とは、一人称視点のゲームや映画のような、目の前に自分の手が見えるような視点で撮影するということではなく、ある登場人物の体験をその人の立場で表現するという意味です。

これも面白い課題だと思います。

実のところ私はこの課題の趣旨、演出について完全に理解できたわけではないかもしれませんが、一つの出来事を、登場人物の誰の視点で見せるのか、複数の視点で交互に見せるのか、又は第三者的客観的な視点で見せるのかによって観客からの見え方がかわるため、演出の意図によってそれをコントロールできるとより面白くなります。複数の視点で交互に見せると、それは第三者的客観的な視点になるのかもしれません。

授業で習ったことではありませんが、これはたとえば、犯人と刑事のストーリーを、犯人の視点で表現すれば、いかに刑事に見つからずに逃げるか、刑事に出会ってもいかに犯人だと気づかれないようにするか、犯人だとわかってもいかに逮捕を逃れるかという表現になるでしょうし、刑事の視点で表現すれば、観客も犯人がわからない中、いかに犯人を見つけるか、怪しい人物がいたらその人物が犯人だといかに証拠を見つけていくか、犯人だとわかればいかに捕まえるかという表現になると思います。これを第三者的客観的視点で表現すれば、観客は誰が犯人か分かっている中で、犯人と刑事の駆け引きを表現することになるのだと思います。

次の撮影プロジェクトSemester1Filmで、短いながらセリフのある短編映画をようやく始めて作るのですが、私は今回のPOVでその一部のシーンを制作しました。これも事前にインストラクターからそうしても良いと案内されたと思いますが、次のプロジェクトのためのテストにもなり、問題なければそのままそのシーンを使えるため一石二鳥です。

再び4人のチームで、2日間でチームメンバーがそれぞれ順番に半日使って自分の作品を監督し、他のメンバーはクルーとなります。役者、ロケーションは自分で確保します。私はこれまで見た他のクラスメートの作品に出ていたアクターも含め、イメージに合う学内外のアクターに依頼しました。

撮影時インストラクターはありません。

カメラはPanasonic HMCで、その他の道具類は、三脚、ACキット、照明器具、ブームマイク(カメラに接続して録音)です。

HDサイズ、カラーで撮影し、編集後、後日授業で講評します。

私は、アパートの壁に黄緑色の紙を貼って簡易的なグリーンバックを作って撮影し、あとで別に撮影した背景などと合成しました。今回割り当てられている撮影時間は半日のため、部屋のシーンだけでなく次のSemester1Filmプロジェクトで屋外で撮影する予定のシーンの一部もグリーンバックで撮影し、背景の写真と合成しました。

MFA Filmmakingコースの概要はこちらの投稿をご覧ください。