NYFA(New York Film Academy)卒業後、多くの留学生はOPTを利用して仕事をします。OPT(Optional Practical Training)というのはアメリカにおいて所定の留学終了後の外国人に与えられる労働許可で、申請して認可される必要があります。
▶︎OPTについてはこちらの投稿をご覧ください。
フルタイムの仕事につく事、つまり就職することは容易ではありませんが、ロサンゼルスエリアは常に何らかの映像プロジェクトが行われていて、フリーランスで単発の仕事をする機会はあります。
中でも、これがある意味ロサンゼルスエリアの現実だと思うのは、その「仕事をする機会」のうちの一定の割合は、学生映画だということです。
ロサンゼルスエリアには映画・映像業界で仕事をしている人はたくさんいますが、学生映画のプロジェクトにも積極的に参加して生活費の足しにしている人は多いのではないかと思います。
自分自身のプロジェクトでもクラスメート以外に外部からプロダクションデザイナーや撮影クルー、音楽家などを雇ったのと同様、自分も卒業後に学生映画の仕事をすることがありました。
これは旧クラスメートから持ち込まれた案件で、中国人留学生のショートフィルム用のプロダクションデザイナーとして参加しました。このプロジェクトではプロダクションデザイナーといっても何かセットや大道具・小道具のデザインをするわけではなく、必要な小道具を調達し、各ロケーションでセットドレシングをする役割でした。
細分化した役割名としてはプロップマスターですが、小規模な撮影のため役割が細分化しておらず、アート部門の上位の役割名のプロダクションデザイナーという表現になっています。
▶︎アメリカの映画制作の役職と仕事内容についてはこちらの投稿をご覧ください。
New York Film Academyでは映画制作を学びましたが、広くデザイン、大道具・小道具、内装などに対応できるのは、子供の頃から様々なものづくりをしてきたことや美大出身であることが活きていると思います。
このプロジェクトでは、郵便ポスト、花、カーテンなどを調達し、別の人が用意した小道具も合わせてセットドレッシングをしました。
郵便ポストなどはユニバーサルスタジオのレンタル部門でレンタルしました。
▶︎ロサンゼルスエリアで撮影小道具(prop)や衣装を調達する方法についてはこちらの投稿をご覧ください。
▶︎ユニバーサルスタジオについてはこちらの投稿もご覧ください。
セットドレッシングとは、ロケーションに対して、すでにある家具を移動したり小道具を配置したりして撮影用のシーンを整えることです。
部屋のシーンでは人が住んでいるアパートの部屋を利用したのですが、殺風景で重い雰囲気だったため、カーテンを掛け替え、テレビをどかし、様々なものを再配置して、柔らかく温かい雰囲気にしました。ちなみにこの場所のセットドレッシングは私が全てをやったわけではなく、クルーが協力して行いました。
元の状態セットドレッシング後元の状態セットドレッシング後
カフェのシーンも既存のカフェを借りて撮影しましたが、やはりカーテンをかけたり花の鉢を置いて柔らかく温かい雰囲気にしました。
郵便ポストも必要だったため、ユニバーサルスタジオのレンタル部門でレンタルして使用しました。