映画や演劇をテーマにしたマンガを紹介します。映画を作ったり出演する側の人々を描いたマンガと、映画を見るのが好きな観賞する側の人々を描いたマンガがあり、それぞれ切り口が違って面白いです。映画や演劇というよりも芸能界をテーマにしたマンガを含みます。
発行:株式会社KADOKAWA
漫画:ななふじ
原作:Sirius
ストーリー原案:タカヒロ
キャラクター原案:Mika Pikazo
2023年5月26日①巻初版発行
ストーリー
演劇が世界規模の大ブームになった世界で、役者を目指す少女が劇団のオーディションに合格し、ライバルとの関係に悩みながら自分のやり方を見つけていく。
TVアニメとゲームアプリを主軸としたメディアミックス作品のコミカライズ版で、路線としては『ガラスの仮面』や『アクタージュ act-age』同様、スターを目指す少女が友人やライバルに囲まれながら、成長していくストーリーです。
アニメ調の絵柄でシリアスにならずややコミカルなタッチが特徴です。
発行:株式会社芳文社
著者:じゃが
2023年5月12日①巻第1刷発行
ストーリー
人事異動で、13歳のしっかり者の少女タレントのマネージャーになった27歳の男が、その娘から好意を持たれ距離感の近い彼女の気持ちを測りかねる一方、物心ついた時には父親がおらずひとりっ子で母親の帰りが遅い彼女の方も、最初は自分の感情がはっきりとは分からないながらも、自分の気持ちに素直に彼に接する。
「映画・演劇をテーマ」からやや離れていますが、13歳の少女はテレビドラマで演技力が話題になった子役の女優、27歳の男は芸能事務所の経理から営業に異動になった彼女のマネージャーで、二人の関係を中心に描かれています。
少女の方は彼に好意を持っているのですが、父親の替わりなのか、兄への憧れなのか、好きなのか、最初は自分の感情がはっきりとは分からず、一方男の方は距離感が近い彼女にドキドキしながらもビジネスパートナーとして、人として支えようとします。
お互いに相手に対する思いやりや気遣いがある中、少女の方は自分が相手に好意を持っていることを自覚して自分の気持ちに素直に彼に接しますが、おそらく無自覚な(描き方としては自覚的な)魔性の女の資質もあり、13歳と27歳、しかもタレントとマネージャーの関係ということで、わかり合おうとするほど危うさをはらんでいきます。
しかしシリアスになりすぎず、男側の視点と少女側の視点の両方がほのぼのとしたタッチで描かれているのが特徴です。
発行:株式会社集英社
著者:藤本タツキ
2022年7月9日第1刷発行
ストーリー
余命いくばくもない母親に頼まれて母が死ぬまでの日常を撮影し映画として文化祭で発表するが不評を買い自殺しようとした中学1年の少年が、その映画が面白かったという女子学生に自殺を止められ、リベンジのため泣かせる映画の制作を目指し、二人で映画を見まくり彼女を役者として彼の自伝的映画を作る。
表面上は、ストーリーを見せるよりも叙情性を表現したような内容で、コマ割りの方法も内容もかなり実験的とも思えるマンガです。
ほぼ全編スマホのカメラを通した一人称視点で描かれ、コマの縦横比も基本的には映画の画面のような横長の縦横比となっています。同じフレーミングのコマを繰り返して時間の経過をあらわすような表現も多用され、あたかも映画のショットのカメラフレームの中で人物が動いたりセリフが話されたりしているような表現となっているのが特徴です。
一方で、主人公の日常も彼の作る映画用の内容も常にこの「スマホで撮られた映画の画面のような横長のコマ」で表現されているため、どこからどこまでがリアルな状況で、どこからどこまでが演出されたものなのか、わからないような内容になっています。
一つわかるのは、いずれにしても「映画の画面のような横長」のコマは主人公が自分のスマホで撮った想定だということです。彼が先生に怒られているシーンも横長の画面ですが、棚のダンボール箱越しのショットになっています。つまり、主人公は棚のダンボール箱の間に自分のスマホを置いて自分が怒られているシーンを撮っていることになります。
しかし、よくよく考えると、これもリアルな状況か演出されたシーンかわかりません。
実際、主人公が撮影した母親の様子は、死ぬまでの様子を撮影するという賛否ある内容ではあるものの、余命いくばくもない母親との関係性が叙情的に描かれていますが、実際にはプロデューサーであった母親に半ば撮影を強制され演出も指示されダメ出しされていたことが後に父親から明かされます。
横長のショットでも、そのフレーミングのカメラ位置にわざわざスマホを置いて撮影したとは考えづらいショットもあります。
後半、その女子学生の絵梨も不治の病であることが明かされ、泣かせるリベンジは成功します。しかし何かが足りないと感じる主人公は、その後他の人と結婚して娘ができても絵梨の映画を再編集し続けますが、また新たな展開が訪れます。
かなり実験的な印象のあるマンガです。
発行:株式会社秋田書店
著者:たらちねジョン
2021年8月25日①巻初版発行
2022年7月25日③巻初版発行
ストーリー
夫と死別し専業主婦だった65歳の女が、映像専攻の男子美大生と出会い、映画を撮りたい自分の気持ちに気づき、彼のいる大学の映像科に入学する。
男子学生との間で生まれる主人公の情感が詳しく時に誇張されて表現される反面、それ以外のことや実際にあったことに関しては極めてサラッと描かれている印象です。
例えば主人公うみ子は、映画館で出会った男子学生カイ(海)を女の子だと勘違いしていたこともあってビデオデッキを直してもらうために自宅へ呼び、直ったデッキで一緒に映画を観ますが、映画館からの主人公の様子を見ていた彼に「うみ子さんさあ、映画作りたい側なんじゃないの?」と言われ、言われた主人公の心情が、家の廊下の自分の足元を波がさらう絵として表現されます。
続けて彼は主人公の肩に手を置き顔を近づけ、「今からだって死ぬ気で映画作ったほうがいいよ」と言います。これも実際に彼が主人公の肩に手を置き顔を近づけたのかもしれませんが、廊下の足元に波が現れる表現をしているのと同様、自分の肩を押されたような主人公の心情を表現していると見ることもできます。
主人公は、カイの忘れ物を届けるためにオープンキャンパスを訪れ、その後受験をし、入学までしてしまいます。
①巻の後半では、カイは「うみ子さん、映画、老後の趣味って言ってましたよね。…そういう思ってもないことを言ってしまった時、後悔しないんですか。」と言いますが、これも、出会って比較的間もない学生が65歳の人に言う内容としては内面に立ち入っており、なぜ彼が「主人公は思ってもないことを言った」と思うに至ったのかが描かれておらず、これもカイが実際にそう言ったというよりもむしろ主人公の心象を表現しているとも取れます。
カイとの間で生まれる主人公の情感が誇張されて表現される一方、それ以外のことや実際にあったことにはサラッと描かれています。
例えば、必修の基礎科目を受講する(あるいは学生生活全体の?)主人公の居心地の悪さが描かれますが、覇気のない学生とのやり取りや他の学生からじろっと見られる様子が数コマ描かれるだけで、居心地の悪さはモノローグで語られるだけです。
男子学生カイと関わる内容でも、主人公の情感以外の実際にあったことなどは極めてサラッと描かれている印象です。
主人公がスマホで何気なく撮った日常の映像を彼が「すごい面白い」といって周りの学生たちに披露するエピソードでは、主人公が電車の窓から何か風景を撮っている様子は描かれますが具体的に何を撮ったかは描かれず、また、毎日の料理を撮ったことがセリフで語られますが、その料理自体は描かれません。その男子学生の「すごい面白い」という感想も、何をどう面白いと感じたのか説明されません。
その他にも彼女の何気ない言葉が彼を傷つけていた様子などが描かれますが、全般的にさらっと表現されている印象です。
①巻のあとがきによると、著者のたらちねジョンさんは学生時代映像を学んでいたそうですが、サボり癖のある学生だったため、改めて映像の勉強をするほか、映像作家、友人知人、母校、現役学生などに取材をしたそうです。
以下のサイトにたらちねジョンさんのインタビューが掲載されています。
好書好日
https://book.asahi.com/article/14497800
発行:株式会社KADOKAWA メディアファクトリー
著者:杉谷庄吾【人間プラモ】
若い実力派女性映画プロデューサー、ポンポさんの周辺にいる若手監督、女優の卵達が、ポンポさんに相談しながら、自分の夢に向かって努力していく話です。複数巻出ており、それぞれの巻で異なる人物のストーリーが中心となっています。
可愛いめの絵柄で比較的ほのぼのした雰囲気で描かれますが、物語は骨太です。要所要所に擬音語や擬態語が大きめの描き文字で使われているほか、吹き出しのセリフの文字にも時折大きな文字が使われ、ストーリーにリズムと力強さを与えています。
1巻は、ポンポさんの映画会社でアシスタントとして働きながら監督を目指す青年ジーンと、工事現場などで働きながら女優を目指す若い女ナタリー・ウッドワードの話が中心となっています。
ジーンは撮影の現場で様々なことをノートにメモする熱心な青年です。
ナタリーは最初、ポンポさんの次の企画のオーディションに望みますが、「地味!」「失格!」と言われ、次のカットでは「うえーん!」「今度こそーっ!」と言いながらまたビルの高所作業をする姿が描かれます。
その二人がポンポさんに抜擢され新人監督と新人女優として奮闘する内容です。
最後の方にちょっとした仕掛け(演出)があり、感動的です。この仕掛けは以降の巻でも踏襲されていますが、やはり1巻目で初めて見る時が印象的です。
2巻では、1巻で監督として大成功を納めたジーンに、アクション超大作の続編監督のオファーがあります。しかしジーンは、一流の役者、一流のスタッフ、贅沢なセット、贅沢なロケに居心地の悪い思いをして吐きながら撮影を終え、一度は「きちんと」編集するものの、それをひっくり返してしまいます。
ポンポさんの会社を辞めたジーンは、結局ポンポさんに助けを求めて脚本の書き方を教わり自分の脚本を書き上げ、それを気に入った人気女優ミスティアから主役にして欲しいと言われ、ミスティア自身が資金集めに奔走し、撮影が始まります。
3巻では、引退していた大プロデューサーであるポンポさんのおじいさんが復帰するため、ポンポさんはなんと「年相応に学校にでも通っていなさい」と言われ学生になります。
可愛いめの絵柄で描かれているためポンポさんの年齢が不詳で、ここでも学年の説明がないのですが、「学校にでも通っていなさい」と言われてすぐに授業に参加していますので、ポンポさんは映画会社の「偉い人」のため試験免除で大学か大学院に入れたのか、さすがに高校生ということはないのではないかと思いますが実は高校生なのか不明です。
映画プロデューサーポンポさん行きつけのダイナーで働く女優志望のフランチェスカ、通称フランちゃん中心のストーリーになっています。
フランちゃんは『映画大好きポンポさん2』でも登場しています。『映画大好きフランちゃん』ではフランちゃんがそのダイナーでポンポさんに出会うところから始まります。
オーディションに落ち続けているフランちゃんが、ポンポさんやその周りの脚本家や監督などに出会い、刺激を受けつつオーディションを受け続けますが、同じくオーディションに落ち続けていた後輩がオーディションに受かり、フランちゃんは落ちます。
タマシイが抜けたようになったフランちゃんは、ポンポさんの助言で力を取り戻し、ポンポさんから主演のオファーを受けます。
見た目がかわいいことで男子にチヤホヤされるとそれを妬む女子達から嫌われるので、地味なかっこうをして目立たないように生きている女優の卵カーナちゃん中心のストーリーになっています。
オーディションに落ち続けている彼女は、難解なSFの脚本を書いている男デュラントと知り合い、映画化されたら自分をヒロインにしてほしいという条件で、彼をポンポさんに紹介し、企画を持ち込みます。
しかし彼はポンポさんから、企画も脚本も「トゲトゲでヘタクソで専門用語が多すぎ」の素人芸で、カーナちゃんに手伝ってもらって書き直してくるように言われます。
1巻のあとがきによると、著者の杉谷庄吾さんは、アニメ製作会社でデザインや企画用の漫画を描いている方のようです。
発行:株式会社KADOKAWA BRIDGE COMICS
著者:ねじがなめた
2018年12月7日①巻初版発行
ストーリー
映画監督になることを夢見る青年が、映画のサード助監督として様々な人とかかわり、悩みつつ、日々の仕事に取り組む。
こだわりやくせの強い監督、ベテラン助監督、後輩アシスタントなどが登場します。主張が強くわがままでぶつかりがちな後輩がシナリオコンテストで入賞し、先を越されます。
著者紹介によると、著者のねじがなめたさんは趣味が映画観賞で、80年代の角川映画や90年代の伊丹十三作品が好きとのことです。
このリストを作っていて気づいたのですが、これら映画に関する漫画は、株式会社KADOKAWA発行のものが多いです。KADOKAWAは映画製作をしていますので、映画に関するマンガが多いことに直接的又は間接的に関係しているのではないかと思います。
著者のねじがなめたさんは角川大映スタジオのほか、映画関係で働く多くの人に取材したようです。
発行:株式会社講談社
著者:野原多央
2018年9月12日①巻発行
発行:株式会社ホーム社
発売:株式会社集英社
著者:服部昇大
2018年8月29日①巻第1刷発行
ストーリー
誰かと映画の話をしたい高校生の男が作って部長を務める「映画について語る若人(わこうど)の部」に、映画鑑賞が趣味だが映画の好みがマニアックな女子学生、邦吉映子(くによしえいこ)通称「邦キチ」が入部し、毎度映画について語り合う。
語り合うというよりも、邦キチのマニアックな知識に、毎度部長があ然としたり、タジタジとなったり、ツッコミを入れたりするコメディです。他の登場人物たちもユニークです。
部長にとって邦キチがなくてはならない存在になっていくのですが、恋愛未満なところが魅力です。
しかしSeason4(4巻)では元日の部長のアパートの部屋に着物を着た邦キチが現れ「新年のご挨拶にと伺ったら鍵が開いていたもので」と言い、その後一緒に初詣に行きます。Season5(5巻)では邦キチが誘って二人で海に行きますが、海での遊びを楽しんでいる最中にも映画談義になります。
恋愛未満と言っても仲が良いため微笑ましく、ほぼラブコメですね。
著者の服部昇大さんは、『6代目 日ペンの美子ちゃん』も手がけています。
発行:株式会社小学館
著者:篠房 六郎
2018年7月30日①巻発行
ストーリー
熱帯夜なのに女子校の寮の自分の部屋のエアコンが壊れて眠れない女子学生が、ひょんなことからポンコツセクシーな先輩の部屋で毎晩一緒のベッドに誘われるようになり大人の階段を登ることを夢見るが、毎回先輩からヘタで退屈な映画レビューを聞かされ、寝てしまう。
①巻を読んだ限りでは、女子校とその寮が舞台となっているため映画の説明部分意外には男の登場人物が出てこない百合風味のコメディです。
発行:株式会社集英社 ジャンプコミックス
原作:マツキタツヤ
漫画:宇佐崎しろ
2018年5月7日①巻第1刷発行
2020年7月3日⑫巻発売
ストーリー
母親を亡くし父親は家を出ていったため貧乏で弟と妹の面倒を見ている少女が、映画監督に才能を見いだされ、友人達やライバルに囲まれながら、女優としての才能を開花させていく。
現代版ガラスの仮面といった印象のマンガです。若手トップ女優の少女がライバルとして描かれます。
時代を反映してか、ガラスの仮面よりもコミカルな要素というか表現が多く見られます。
原作者の逮捕により、『アクタージュ act-age』は8月11日発売の週刊少年ジャンプ2020年36・37合併号の掲載を最後に、連載終了(打ち切り)とのことです。
発行:株式会社小学館
著者:小林有吾
2017年10月30日①巻発行
発行:株式会社KADOKAWA エンターブレイン
著者:マクレーン
2017年1月30日①巻初版発行
ストーリー
映画の趣味が異なる若い友人グループが、学校や家や日常の様々な場所でそれぞれの映画のうんちくや意見をぶつけ合う。
各話のタイトルは例えば次のようなものです。
第一話「キャラクター」
第二話「ゾンビ」
第三話「クラトゥ バラダ ニクトー」
第四話「ジャー・ジャー・ビンクス」
登場人物達は多彩です。
イケメンのシェリフ、兄を慕い映画を愛するシェリフの妹トト、温厚で目が細く、ホラーが苦手なヒデキ、昭和のヒーローのような風貌だがあまり映画を見ていないまさみ、ザンバラ髪で子供のような体格だが時々映画への思いから目が血走るごんぞうなどの仲良しグループのほか、「映画や小説、漫画などはね、テーマやメッセージ性がないとダメなんだよ」と言い、映画に対する独自の思い入れが強いシニカルな男、村山、ズボンが下がってパンツが見えているのをおしゃれだと言い張るザコ助、レンタルビデオ店の店長、店長に惹かれているがつっけんどんなお姉さんのナカトミさんなど、キャラが立った個性豊かな登場人物達ばかりです。
名前も洋風だったり和風だったりバラバラですが、ザコ助だけは明確にニックネームです。
ラフな線で描かれ、一種の日常系ともいう印象のマンガですが、ほんわかした日常ではなく、おすすめというか、それぞれが見るべきと思っている映画について熱く語ります。『○○』は見たよな?、とか、『○○』は見るべきだ、というセリフが多く、ごんぞう意外にも目が血走る描写が頻繁に出ます。
発行:株式会社KADOKAWA/富士見書房
著者:ビリー
2017年1月7日①巻発行
ストーリー
映画好きで熱い青春がしたい高校の男子新入生が、顔はいいが性格が「残念」な3人の先輩女生徒達に丸めこまれて映画研究部に入り、振り回される。
映画は字幕か吹き替えかという議論、
主人公のことが気になって仕方がなく、いつもテンパる同級生の女子も関わってきて、どこまでもドタバタが続きます。
発行:株式会社新潮社
著者:安田 剛助
2016年12月9日①巻発行
発行:株式会社白泉社 ヤングアニマルコミックス
著者:アサイ
2016年1月5日①巻第1刷発行
ストーリー
休日の楽しみは映画館かレンタルかソフトか有料チャンネルで映画を見て、その感想を自分のブログ「1人でキネマ」に書くことという三十路の独身女が、映画の趣味やオタク趣味が周りの人と合わず、日々戦う(内面的に)。
会社の同期の女が訪れ親友発見かと思われますが、その後離婚して押しかけてきて居候する彼女は基本的に映画に興味がなく、主人公の空回りは続きます。
発行:株式会社小学館
著者:大瑛ユキオ
2012年12月27日①巻発行
発行:株式会社白泉社 花とゆめコミックス
著者:仲村 佳樹
2002年7月25日①巻第1刷発行
2022年6月20日㊽巻発売
ストーリー
幼なじみの人気歌手である男に振られた女が、復讐のため、芸能界でのし上がろうと奮闘する。
「男」「女」と書きましたが、男の方は①巻の時点で16歳、主人公の女も同級ではないかと思います。少年と少女です。しかし絵柄としては少なくとも20代半ばから後半くらいに見えます。①巻の第1刷が20年前の2002年です。30〜40年ほど前の少女マンガでは今に比べてキャラクターが大人びて描かれていた印象ですが、20年前でもそうだったのかもしれません。
イケメンの描き方が、顔が逆三角形でアゴが細く、時に11等身くらいに描かれます。
主人公は、俺と来てくれと言われ中学を出てすぐ幼なじみの男と上京して、高校には行かずアルバイトをして、物語のはじめでは一緒にくらしています。このマンガが描かれた時代も影響しているかもしれませんが、背伸びをしたい年頃の少女の目線や妄想をてらいなくマンガの設定として描いているように感じます。
芸能界で困難を克服しながらのし上がっていくストーリーとしては、『ガラスの仮面』や『アクタージュ act-age』と共通する部分もありますが、それらと異なるのは主人公がハイエナのごとくパワフルで、それがコミカルに描かれている点です。
連載20周年を迎え、巻数も現在㊽巻と、同じ花とゆめコミックスの『ガラスの仮面』の㊾巻に迫っています。
発行:株式会社小学館
著者:細野 不二彦
1986年8月1日発行
発行:株式会社白泉社 花とゆめコミックス
著者:美内すずえ
1976年4月20日①巻第1刷発行
2012年10月5日㊾巻第1刷発行
ストーリー
父親がおらず貧乏で、母と中華料理屋で住み込みで働き芝居を見ることが好きな少女が、かつての大女優に女優としての秘めたる才能を見いだされ、数々の逆境にあう一方正体不明の支援者に金銭的にも気持ちの上でも支援され励まされながら、女優としての才能を開花させていく。
映画監督と女優を両親に待つ才能あふれる少女がライバルとして描かれます。
芝居を続ける中、様々な不幸な境遇やひどい仕打ちにあいますが、それらを乗り越えていく狂気じみた姿に心打たれます。
連載が始まったのが1976年で現在㊾巻まで出ていますが、その後最新刊がずっと発行されず、作者の存命中に出るのだろうかと心配する声が見られます。
▶︎『ガラスの仮面』を含む、昭和のおすすめ少女マンガについてはこちらの投稿をご覧ください。