監督:ドレイク・ドレマス
ジャンル:ドラマ ラブストーリー
アメリカ留学中にアメリカ人クラスメートと恋人同士になったイギリス人の女が、彼と一緒にいたいために学生ビザ失効後も帰国せず、知り合いの結婚式で一度イギリスに帰ってまたアメリカに来たが不法滞在歴があるため入国できず送還され、それぞれの国で仕事につき遠距離恋愛をするが、二人の気持ちは揺らぎ始める。
この映画は撮影に一眼レフカメラCanon EOS 7Dが使われています。長編映画としては低予算で、即興的なシーンを撮影しやすいことが7Dを選んだ理由とのことです。全般的には一眼レフカメラで撮影されたと聞かなければわからないと思います。
CANONのEOS 7Dのページ
https://global.canon/ja/c-museum/product/dslr802.html
Canon デジタル一眼レフカメラ EOS 7D ボディ EOS7D
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レンズは別に必要です。「今日、キミに会えたら」ではZeissウルトラプライムレンズが使われています。
シーンの中で親密さの感覚を維持するため少数の撮影クルーが雇われ、最大で20人ほど、サンタモニカのシーンなどでは役者の他は監督、シネマトグラファー、ブームオペレーターの3人のみで撮影されたとのことです。
撮影用の照明はあまり作り込まず、ロケーションの実際の自然の光や照明(シーンの中にあるスタンドなど)の光を活かしているように見えます。照明の光のある屋内のシーンはムードがあります。カラコレをしていると思いますが、色合いがラブストーリーにあっています。また、屋外も屋内も、逆光のシーンは美しいです。
パブのシーンなどでは友人と会話をしている時も主人公だけが際立つように撮影しており、会話の相手ははっきり写していません。主人公が遠く離れた恋人の存在を意識しているように見えます。
手前の柱など越しのショットが見られます。初めてのデートのシーンで、二人を同時に映さず、手前の柱で相手側を隠すように柱越しに代わる代わる映しています。親密になる前の二人の距離を表しているのかもしれません。
撮影で惜しいと感じる部分もあります。
手持ちカメラを多用していますが、特に前半は比較的揺れがあるので、ジンバル(カメラの揺れを軽減するための道具)を使っていないのかもしれません。みずみずしい演技なのですが、カメラのぶれがもったいないと感じます。もっとも、人によっては気にならないかもしれません。
手持ちのせいか、意図的か、時々、画面が垂直でなく、やや斜めになっているショットがあります。
役柄に合ったキャスティングで、演技も自然で本当の恋人同士に見えます。シリアスな話ですが、彼女の両親もいい人で彼を自然に受け入れ、二人が口論するシーンもありますが、重くなりすぎず微笑ましく見ていられます。重い話が好きな人には物足りないかもしれません。
2010年に「ウィンターズ・ボーン」で評価され、その後2012年に「ハンガー・ゲーム」で主演を務めたジェニファー・ローレンスが、2011年のこの映画では主人公の彼の浮気相手役で出演しています。
セリフはほぼ完全に俳優によって即興で行われたとのことです。特に2人の主人公の親密なシーンを撮影するときは、2人の俳優がより快適に感じるように、しばしばクルーは現場から外されて最長30分の即興テイクで撮影されたとのことです。30分のシーンということではなく、最長30分即興で演じてもらい、いい部分をピックアップしたということだと思います。このことによって、主人公2人の自然な親密さが表現できたのだと思います。
アメリカとイギリスが舞台となっており、アメリカ側の舞台はロサンゼルスで、サンタモニカのビーチもロケーションとして使われています。
同じくロサンゼルスが舞台のiPhoneで撮影された映画「タンジェリン」と両方見てみるのも面白いと思います。
恋愛の感情を追った印象で、少女漫画を読んでいるような感じです。監督は女性だろうと思ったのですが、男性でした。
出典・リファレンス
https://en.wikipedia.org/wiki/Like_Crazy
https://www.telegraph.co.uk/culture/film/starsandstories/8668333/Felicity-Jones-rising-star.html