ニューヨークフィルムアカデミー、ロサンゼルスキャンパスの、2年間のMFA Filmmakingコースの卒業式についてと、アメリカの映画学校に通った感想を書こうと思います。
留学・アメリカ滞在は、間違いなく自分の人生におけるハイライトの一つと言っていいと思いますが、物事にはプラスの面とマイナスの面があるのは世の常です。
卒業制作(Thesis)の撮影後、編集室や自宅で編集を進め、その途中段階をインストラクターにチェックしてもらう授業や、キャリアについて考える授業などを受講しつつ短編映画を完成させ、ワーナーブラザーズのシアターを借りた学内の上映会が終わると、卒業式となります。
卒業制作については、以下の投稿をご覧ください。
▶︎ニューヨークフィルムアカデミーの撮影プロジェクト 卒業制作(Thesis) 1
▶︎ニューヨークフィルムアカデミーの撮影プロジェクト 卒業制作(Thesis) 2
▶︎キャリアについて考える授業についてはこちらの投稿をご覧ください。
卒業式では、アメリカの卒業式でおなじみの衣装と帽子を学校から借りて後日返却します。
当日は学校が借りた会場へ行って、卒業式に望みます。一人ひとり名前が呼ばれ、壇上で卒業証書を受け取ります。
式のあとは簡単なパーティーというか食事会が開かれます。
卒業後OPTをする人は引き続き学校との関わりはありますが、それでも、忙しく充実した映画学校の学生としての生活も、この卒業式をもって終わります。
OPT(Optional Practical Training)というのは、アメリカにおいて所定の留学終了後の外国人に与えられる労働許可で、申請して認可される必要があり、就ける仕事は留学で専攻した分野に関連した職種に限られます。
▶︎OPTについてはこちらの投稿をご覧ください。
プラスの側面はいくつかあります。
■人生の中で一度はやりたいと思っていた、海外で生活することができたこと
■英語を習得できたこと
■世界中から集まった人達と様々な授業や撮影プロジェクトを共にし、自分で作ったストーリーを元にロサンゼルスエリアのアクター達と一緒に短編映画を作れたこと
■そこで制作した短編映画がその後いくつかのアメリカの国際映画祭に選ばれ、賞もいただくことができたこと
■副産物的に、アメリカ引越しにあたり、海外に引越しでもしなければやらないであろう、大幅な部屋の掃除や所有していた物の棚卸しと処分ができたこと
■世界中から集まった人達と様々な授業や撮影プロジェクトを共にし、自分で作ったストーリーを元にロサンゼルスエリアのアクター達と一緒に短編映画を作れたこと
語学留学も楽しかったですが、やはり、本来の目的であった映画留学が非常に有意義でした。
世界中から集まった人(クラスメート)達と様々な授業や撮影プロジェクトを共にし、自分で作ったストーリーを元にロサンゼルスエリアのアクター達と一緒に短編映画を作る、という経験は日本にいたらできませんので、とても楽しく有意義でした。
卒業制作では、渡米前に日本のテレビ局で仕事をしていた頃に結局実現できなかった自主的な映画企画のストーリーを、短編にアレンジして制作することもできました。それが、日本で勤めていた会社をわざわざ辞めてまでアメリカ留学をした目的の一つでもあり、年齢が上がって制作の現場から離れ「このままの状態で会社務めを続けるのはありえない」と感じていたため、そこから自分の思う方向に舵を切ったのは、結果的に非常によかったと思います。
その短編映画は日本帰国後も継続して段階的に修正・バージョンアップ作業を続け、その後いくつかのアメリカの国際映画祭に選ばれ、賞もいただくことができました。会社を辞めて映画留学をしたことで実現した成果です。
▶︎テレビ局の子会社の社員としていろいろあがいていた内容を含む、私の留学前の経歴についてはこちらの投稿をご覧ください。
■そこで制作した短編映画がその後いくつかのアメリカの国際映画祭に選ばれ、賞もいただくことができたこと
▶︎アメリカの映画祭で選ばれ、上映され、そして受賞した様子はこちらの投稿をご覧ください。
▶︎その後さらにバージョンアップをし、改訂版がアメリカの映画祭で選ばれ、上映されたことについてはこちらの投稿をご覧ください。
アメリカの映画学校に通ったことを含む留学やアメリカ滞在は、間違いなく、自分の人生におけるハイライトの一つと言っていいと思います。
■副産物的に、アメリカ引越しにあたり、海外に引越しでもしなければやらないであろう、大幅な部屋の掃除や所有していた物の棚卸しと処分ができたこと
元々、後に備えて書類や資料をなるべく残しておこうとするタイプであることに加え、私の世代は社会人になってしばらくたつまで世の中にパソコンが普及しておらず書類や資料を残す場合は基本的に紙だったので、膨大な量の紙の書類や資料がありました。
本やコミックが好きで複数の本棚に収まりきらずあふれていました。
カセットテープ、CD、VHS、DVDがそれぞれ山のようにありました。
パソコンを使い始める前のB1サイズやB2サイズの作品と画材や道具類、立体作品とその制作道具、複数のパソコンやモニター、スキャナー、プリンター、ハードディスク、各種ケーブル、MOなどの周辺機器とディスク類、ソフトウエアやマニュアルなどが山のようにありました。
完全ではないもののこれらを整理できたのはよかったと思います。
▶︎渡米前のアパート整理の苦労についてはこちらの投稿をご覧ください。
しかし、物事にはプラスの面とマイナスの面があるのは世の常です。「映画学校に通った感想」というよりも語学留学も含め留学全般についてですが、マイナス面もあります。
ざっくりと以下の点です。
■かなりのお金がかかったこと
■卒業制作に様々な困難がありクオリティに影響し、それを修整するために長期間に渡って時に仕事より優先して自分でVFX作業をしたため、留学でかなりのお金を使ったこととも連動し、その後何年にも渡って自分の生活に大きな影響を与えたこと
■帰国後にも様々な困難があったこと
■お金がかかった
▶︎留学にかかった費用についてはこちらの投稿をご覧ください。
お金がかかったのは、大きく以下の理由です。
もともと4年間の留学プランでそもそも長期だったこと
▶︎私の留学プランについてはこちらの投稿をご覧ください。
ニューヨークフィルムアカデミーに入学できるまで、語学留学に当初予定していた1年を超えて15ヶ月かかったこと
▶︎私の語学留学の延長についてはこちらの投稿をご覧ください。
ニューヨークフィルムアカデミーの安くない学費
▶︎ニューヨークフィルムアカデミーの学費についてはこちらの投稿をご覧ください。
あまり節約できなかったこと
▶︎節約についてはこちらの投稿をご覧ください
卒業制作の制作中にあった困難の一部は、ある意味お金で解決したこと
これには、途中で急遽スタッフを雇ったことや、撮影後に、あるロケーションのオーナーから、家具などにキズをつけられたというクレームを受け、結果的に保険で支払ったものの、自分の負担分は自分で支払ったこと、などが該当します。
困難については以下の投稿をご覧ください。
■卒業制作の修整
卒業制作の修整には非常に時間がかかりました。ある期間はまた仕事をせずに取り組んだため、生活に大きな影響がありました。
修正については、以下の投稿や、
▶︎ロサンゼルスで経験した、短編映画制作時の様々な困難やトラブルとその対処 1
姉妹サイトの以下の投稿をご覧ください。
▶︎M1 MacBook Air (2020)でBlenderが使えるか
■日本帰国後の苦労
これには、日本とアメリカの文化の違いによるもの、帰国時にすでに年齢が高かったことによるもの、前述の、留学で多くのお金がかかったことによるもの、卒業制作の修整によるものが複合的に影響していると思います。
▶︎留学から日本帰国後の苦労についてはこちらの投稿をご覧ください。