私はアメリカに約5年滞在した時やその後またアメリカへ行った時に、様々な民族的バックグラウンドの人と出会ってきましたが、そこで感じたのは人の性格や考え方は結局人それぞれだということです。
一方で、なんとなくそれぞれの国や民族的バックグラウンド特有と思われる性格の傾向はあるようにも思います。
ここでは映画制作と黒人についてお話ししようと思います。
映画俳優として活躍している黒人は少なくないですね。
モーガン・フリーマン
「ショーシャンクの空に」「セブン」「ミリオンダラー・ベイビー」「ダークナイト」など、様々なジャンルで安定した存在感を出すモーガン・フリーマンはアメリカの黒人俳優です。
ウィル・スミス
「メン・イン・ブラック」シリーズ「バッドボーイズ」シリーズ「インデペンデンス・デイ」「アリ」などで有名なウィル・スミスもアメリカの黒人俳優です。
デンゼル・ワシントン
「マルコムX」「トレーニングデイ」「デジャヴ」「アメリカン・ギャングスター」「フライト」などで有名なデンゼル・ワシントンもアメリカの黒人俳優です。
ローレンス・フィッシュバーン
「マトリックス」シリーズや「マン・オブ・スティール」などで有名なローレンス・フィッシュバーンもアメリカの黒人俳優です。
ジョン・ボイエガ
「スター・ウォーズ」シリーズでフィン役のジョン・ボイエガは、イギリスの黒人俳優です。
その他多数。
黒人監督は、黒人俳優ほど有名な人はいない印象です。
デンゼル・ワシントン
デンゼル・ワシントンは監督をすることもあります。
スパイク・リー
人種差別をテーマにした社会派の映画で知られています。
F・ゲイリー・グレイ
伝記的音楽映画「ストレイト・アウタ・コンプトン」(“Strait Outta Compton”)の監督として、アメリカの中でも特に治安の悪いエリアとされるロサンゼルスのコンプトンを舞台にヒップホップ・グループ、N.W.Aの結成から脱退、再結成までを描けたのは、彼が黒人であることが背景にあると思います。
▶︎コンプトン地区を含む、ロサンゼルスで治安の悪いエリアについてはこちらの投稿をご覧ください。
ジョーダン・ピール
アフリカ系アメリカ人です。映画『ゲット・アウト』では、人種差別とホラーを組み合わせています。主人公の黒人の描き方、たたずまいがリアルだと感じます。
▶︎『ゲット・アウト』を含む、怖い映画リストについてはこちらの投稿をご覧ください。
アメリカの映画学校では黒人のクラスメートもいましたし、その後も黒人の映画制作者と出会う機会もありましたが、黒人のアメリカ人は多くの場合優しく面倒見がいいと思います。
他の国や民族的バックグラウンドの人にも優しく面倒見がいい人はいますが、黒人のこの感じは、シャイで相互依存気質の側面を持つアジア系の人に感じるものとも仲間うちの結束が強く相互援助気質の側面を持つアラブ系の人に感じるものとも違います。
一方、性格というよりアイデンティティの部分ですが、今も人種差別の歴史の影響を感じることがあります。
アメリカでは少なくとも表向きは人種差別をしてはいけない前提となって久しく、例えば子供向けアニメにも様々な人種のキャラクターが登場しており、それは実際の学校や身の周りの生活を反映していると同時に、番組制作上の教育的判断を表しているのだと思います。しかし、自分と違う者、よそから来た者を敬遠するメンタリティーはおそらく人間の根源的なもので、建前と本音の違いが存在する場合もあるのではないかと思います。
学校でも通常は、国籍も人種という面でも皆平等かつ対等で、それは別に無理してそう振る舞っているわけではなくごく自然にそうなっていると思いますが、ふとした時に、人種差別の影響を意識する場面に出会うことがあります。
ニューヨークフィルムアカデミーでの2年間のコースの最後の頃ですが、卒業後のキャリアに関することを考えるクラスがあり、ある時黒人の講師(女性)に対して黒人のクラスメート(男性)が、「黒人がこの業界で活躍していくことの難しさに不安があるがどう思うか。」と質問をしました。たしかその時の答えは、黒人である自分もずっと仕事をしているし本人次第だ、というようなものだったと思いますが、黒人学生の質問から、そういった気持ちが黒人の中にあるということに改めて触れた事として印象に残っています。
また、別の機会にアメリカで出会った黒人の映画制作者(女性)は、私が「黒人文化に興味を持っていたり好きな日本人は多い。」と話すと、非常に興味を持って聞いていました。そして、黒人が日本に行ったらどのように受け取られるのかということにも関心があるようでした。そこにはやはり、人種差別があるかもしれないという気持ちがあるように思います。
私の感じた学生達のお国柄についてはこちらの投稿をご覧ください。(一部当投稿と内容がかぶります)