これまで主に撮影プロジェクトについて紹介してきましたが、その撮影自体は、特に最初のうちは土日に行うようにスケジュールが組まれており、平日は、徐々に難易度が上がっていくそれぞれのプロジェクトを行うために必要なことを軸に、映画制作の様々な面を教室での授業で学んでいきます。
ニューヨークフィルムアカデミーのコースは、私の在学中に学期の分け方が変わったのですが、当初は1年が2学期(セメスター1、2)に分けられていました。
セメスター1で受講する授業は以下です。(カッコ内は私の解釈による訳)
Film Aesthetics I A(監督術)
Film Aesthetics I B(監督術)
Cinematography I(撮影技術)
Digital Editing I(編集)
Digital Production Workshop(デジタルカメラ撮影ワークショップ)
Screenwriting I(脚本)
Acting for Directors(アクティング)
Critical Film Studies I(映画研究)
Film AestheticsはDirectingの授業のため監督術と訳しましたが、直訳すると「映画美学」です。主にScreenwritingやEditingの授業、後半はそれらに加えてProducingの授業と連携しながらも、基本的にはFilm Aestheticsの授業及びインストラクターが、撮影プロジェクトの進行や作品の評価を担っています。
授業では、次にやる撮影プロジェクトの説明や、そこで必要なカメラや照明器具などの知識、使い方の講習のほか、参考となる映像を見ながら映像演出の考え方などを学びます。
一方、Semester1Film、Year1Film、Thesis(卒業制作)など、主要な撮影(制作)プロジェクトのためのスクリプトは、ScreenWritingの授業で開発していきます。
Actingの授業もあるのは面白いと思います。自分で演じてみると演じることがどういうことなのかが分かり、監督として演技をつける上で勉強になります。
授業の時間は必ずしも固定しておらず、例えば9:15am〜12:00pmにその日一つ目の授業、1:00pm〜3:45pmに二つ目の授業というのが一つのスタンダードですが、撮影前のミーティング的な授業内容の場合、その日は4:15pm〜7:00pmのみということもあります。そういった場合、それ以前の時間で様々な準備をしておくことが織り込んであると思います。
ニューヨークフィルムアカデミーのLA校はいくつかの建物のフロアに分かれていて、それぞれの授業は概ねメインの建物内の教室で行われますが、どの建物のどの教室が使われるかも必ずしも固定はされておらず、学生用のイントラネット上や各建物ロビーのモニタ上のスケジュール表を毎回確認して教室に向かいます。いつも通りだろうと思って確認を怠ると、教室どころか建物が違っている場合があり、車やバスでの移動が必要になって遅れてくる学生もいます。
教室は一部を除いて、学生及び教員用の机や椅子が並ぶ以外はホワイトボードとモニターが正面の壁に設置されているだけです。机は教室によって異なります。四角いテーブル状の2〜3人用の机の他、アメリカ風の(?)、簡易的な板状の机がついた椅子が並ぶ教室もあります。編集室の机はIKEAの安い机が使われていました。
BRICK BUILDING内の教室その他(RIVERSIDE BUILDINGオープン後引き払いました)
2014年からのメインキャンパスであるRIVERSIDE BUILDING内の教室その他
ノートパソコンを持ち歩いて授業でも使う学生が多かったです。ほとんどがMacbookでした。やはりアメリカでも、というか世界中のあちこちから来ているので世界中の映画学生達にとって、WindowsではなくMacが主流のようです。
ある学生は紙のノートは使わず、授業のポイントをノートパソコン上でメモしていましたが、あるインストラクターから、授業を聞かずにネットでも見ているのではないかと疑われて、授業の内容をメモしていると説明していました。
Screenwritingの授業ではスクリプトの読み合わせがあり、学生それぞれインストラクターとクラスメート用にプリントアウトを配りますが、メールで配布して読み合わせする場合もあるのでノートパソコンはある方がいいです。ただ、私はたいていスマホで済ませました。
学生には入学時にメールアドレスが付与されます。