民泊仲介サイトのAirbnbはポピュラーになり、人それぞれ様々な滞在期間で利用していると思いますが、映画制作に関連してもいくつかの利用方法がありますので紹介します。
ここではアメリカでの経験をもとにお話ししますが、日本を含めどこの国でも同様だろうと思います。
Airbnbウエブサイト
www.airbnb.jp
“2019年8月10日には、この日だけで400万人を超えるゲストがAirbnbを通じて宿泊しました。
やや古いデータですが、別のサイトの情報によると、Airbnbの収益は、2010年に700万ドルでしたが、2017年には26億ドルとなっています。
https://www.quora.com/How-much-revenue-is-Airbnb-making
・ロケーションとして使う
・クルーの滞在/宿泊場所として使う
・映画留学生が住む場所として使う
映画には部屋のシーンが多用されます。Airbnbは家や部屋のロケーション探しの方法としても有効で、私も何度かAirbnbで見つけた場所で撮影しました。
撮影用ロケーションは値段が高い場合が多いため、Airbnbで部屋を探して自分のイメージする場所がリーズナブルに借りられれば、検討する価値があります。
ただし撮影での利用を想定していないオーナーが多いと思いますので、撮影可能かどうか借りる前に問い合わせる必要があります。問い合わせても断られることが多いため、何ヶ所も問い合わせる必要があるかもしれません。
晴れてOKの返事があっても、いくつか注意点があります。
●借りる前に下見をする
ひとつは、通常、ホテルや民泊を利用するにあたって事前に下見はしないと思いますが、撮影で使おうとする場合は通常のロケハンと同様、借りる前に下見をさせてもらうべきだと思います。必要なシーンが撮影できるか、撮影時にカメラや照明機材を置いてクルーやアクターなど大勢の人数が作業、待機するスペースがあるか、入り口から機材を持ち込めるかどうかなどをチェックする必要があります。
●ロケーションリリースの書類にサインをもらう
これは撮影及びそこで撮影した映像の使用の許可書類です。撮影ロケーションとして貸し出しているところは慣れていると思いますが、Airbnbの物件のオーナーはそうではないと思います。
●キズに注意する
もう一つは、キズに注意することです。これには2つの側面があります。
ひとつはもちろん、撮影時にキズをつけないようにすることです。撮影を想定していない物件ではなおさら注意が必要です。万が一の場合に備えて保険にも入っておくといいと思います。
もう一つは、自分達の利用前にすでにキズなどがあった場合、写真にとっておいてあとから自分たちのせいにされないようにすることです。私は撮影後、撮影でキズをつけられたとオーナーからクレームがあったことがあり、使う前からあったキズを撮影前に写真に撮ってありましたので、最終的には保険会社に入ってもらい、オーナーとの交渉に使いました。
2013年に知り合いの日本人映画制作者がロサンゼルスで撮影した時に、数人のメンバーが撮影機材とともに滞在できる物件を知らないかと相談を受け、当時は今ほど有名ではなかったAirbnbの利用を勧めました。彼らは結果的に一軒家を見つけて滞在しました。
撮影時の滞在のためには、ホテルは値段が高いことが多い上に多数の機材を保管するのに適しません。アパートは契約までのプロセスに時間がかかり、借りる期間も基本的には1年単位などになってしまいます。Airbnbには様々な物件が登録されている上に、利用も簡単です。撮影時の滞在にAirbnbを使うのは便利だと思います。
ただし、機材も持ち込むのであれば、ロケーションとしての利用の場合同様、キズをつけないように注意が必要です。
映画制作そのものではありませんが、そして映画留学に限りませんが、留学生が住む場所として利用するのもいいのではないかと思います。アパートに住むには、現地で物件を探したり契約したりする手間と時間がかかり、住んでみて何か不満が出てきても簡単には引っ越しできませんので、Airbnbであれば手軽だと思います。