映画『ゴールデンカムイ』あらすじ・感想・物語の背景を解説(タイトルの意味・二百三高地・北海道のゴールドラッシュ・アイヌ)

映画『ゴールデンカムイ』あらすじ・感想・物語の背景を解説(タイトルの意味・二百三高地・北海道のゴールドラッシュ・アイヌ)

映画『ゴールデンカムイ』(2024)のあらすじ紹介と感想、そして、タイトル『ゴールデンカムイ』の意味のほか、キャラクターや、背景となる二百三高地・北海道のゴールドラッシュ・現在のアイヌと和人の混血などについて調べましたので解説します。最後にやや詳細にストーリーを紹介します。

なお、アイヌの女アシリパの「リ」は実際には小さい「リ」で表現され、白い狼(エゾオオカミ)のレタラの「ラ」は小さい「ラ」で表現されますが、ここでは「アシリパ」「レタラ」と書きます。

あらすじ

日露戦争における二百三高地の戦いで生き残り「不死身の杉元」と呼ばれた元兵士の青年杉元が、アイヌから奪われたあと隠された金塊の話を聞き、偶然出会ったアイヌの女アシリパの助けを借りて探すが、金塊のありかを示す入れ墨(刺青)を掘られた脱獄囚たちのほか、第七師団や土方歳三たちも金塊を探しており、争奪戦が起きる。

『ゴールデンカムイ』の意味

タイトルの「ゴールデンカムイ」は、英語の「Golden」とアイヌ語の「kamuy」を組み合わせた造語とのことです。
参照:ウィキペディア

「カムイ」は神、神様を表しますが、もう少し正確にいうと「神様」とは少し異なり、畏怖の対象としての「自然」を表しているようです。

「カムイ」はよく、アイヌ語で「神」のことだといわれます。まちがいではないのですが、人間よりもはるかにえらい「神様」とは、少しちがいます。(略)すごく身近なのだけれど、人間の力がおよばないところを持った存在、尊敬して、感謝しながら利用もする相手、中には悪さをするヤツもいる、そんな「自然」が「カムイ」なのです。

参照
国土交通省北海道開発局の資料「時をこえて十勝の川を旅しよう!」の第3章(PDF)「十勝のアイヌ文化と川」の(p134–135)3「カムイとともに」より
https://www.hkd.mlit.go.jp/ob/tisui/kds/pamphlet/tabi/pdf/03-03-kamu

同資料の章ごとの掲載ページ(国土交通省北海道開発局)
https://www.hkd.mlit.go.jp/ob/tisui/kds/pamphlet/tabi/ctll1r00000038me.html

第3章「十勝のアイヌ文化と川」pdf
https://www.hkd.mlit.go.jp/ob/tisui/kds/pamphlet/tabi/ctll1r00000038me-att/03all-p107-152.pdf

「神」と「kamuy」の発音が似ていますが、これは少なくとも言語的な共通起源は確認されていないようです。偶然か借用語かもしれないということですね。

アイヌ語と日本語がもとは同じ言葉だったという人もいます。しかし、今のところ正しいアイヌ語の知識と研究方法に基づいて、十分な根拠を示している説はありません。「カムイ」と「神」のように似た言葉も多少ありますが、それらは借用語かもしれません。

参照
北海道博物館アイヌ民族文化研究センター編集『ポン カンピソシ』(アイヌ文化紹介小冊子)より
https://www.hm.pref.hokkaido.lg.jp/wp-content/uploads/2025/01/pon_kanpisosi1-1.pdf

感想

二百三高地の戦い、不死身の杉元、アイヌが集めたが和人の男に強奪されたあと隠された金塊、そのありかを示す網走監獄脱獄囚の入れ墨(ストーリー中では刺青と表現)、アイヌの女との出会いと協力、入れ墨の入った皮を手に入れた杉本、金塊を探す脱獄囚達と第七師団など、ケレン味ある要素でできています。

私は原作マンガやアニメは見ていませんが、北海道の広大な雪の風景なども盛り込んだ撮影(VFXも含まれているかもしれませんが)、動物の自然なVFX表現、現実味と少々のケレン味のある演技、適切な音楽などによって、原作が「いい感じ」に実写として演出されているのではないかと想像します。

キャスティング

映画独自の側面としては、キャスティングがいいです。

杉元は好青年で、随所に見せ場が作られていますが比較的飄々(ひょうひょう)としており、彼が金塊を追う理由も、アシリパに聞かれて最初は「とにかくカネが必要なんだ」と答えるのみではっきりと明かさず(最後に説明する)、色々とピンチに会いますが「不死身」という前提もあって淡々と乗り切っていきます。

アシリパは違和感なく描かれています。
実際のアイヌの人々のキャラクターを知りませんので比較はできませんが、自然の中で生き、大型の獣と友人かつ守護神として付き合う様子など、フィクションかもしれませんが現実味が感じられます。

今作でイカれた鶴見中尉役の玉木宏さんは、個人的に、のだめカンタービレの千秋真一役の印象が強いですが、いい感じに役柄の幅が広がってきたと感じます。

土方歳三役の舘ひろしさんは、やはり、あぶない刑事シリーズの鷹山敏樹(刑事)役の印象が強いですが、歳を重ねてもにじみ出るアウトロー感が、土方歳三に活かされていると感じます。

高度なVFX

これも映画独自の側面ですが、ヒグマや白オオカミ(作中ではレタラという名)はCGで作られているようです。ヒグマを使って撮影などできませんのでCGを使うのはあたり前ですが、リアルな表現の難しい動物が違和感なく作られています。制作者の技術のたまものですが、VFX表現は随分進歩したと感じます。

動物だけでなく、実写のみでは不可能な、VFXと思われる印象的なカメラワークもあります。

月明かりがさし、女(アシリパ)が矢を撃ち、ヒグマにあたり逃げていくシーンがあります。

ここのカメラワークは、最初アシリパの前から回り込み、矢の方向を向いたあと、放たれた矢を追って移動します(矢はスローモーションになる)。

ステディカム又はジンバルでアシリパを回り込んで撮影し、矢を放ったあたりでそのまま矢の進行方向を想定してなるべく早く移動し、スタビライザーもかけてカメラの動きを安定させつつ矢を合成し、スピードの調整もしたのではないかと思います。あるいはもしかしたら矢を放ったあたりから背景も含めてCGかもしれません。

同じ(ような)表現で別のことを言うセリフの面白さ

原作から引き継がれているのだろうと思う部分としては、杉元とアシリパが同じような表現を使って別のことを言うのが面白いです。

アシリパ、リスを捕まえる罠を仕掛ける。
リスが好きということを違う意味で言う二人。

第七師団の男に追われた杉元とアシリパは二手に別れ、アシリパは一人の男に追い詰められますが白狼が現れ襲います。そのあとの杉元がまた現れたシーンです。

アシリパ、男に、「いいか、お前は隠れてろ、杉元に殺されるぞ」、と言う。
杉元、クマの赤ん坊に、「いいか、静かにしてろよ、アシリパさんに食われるぞ」、と言う。

キャラクターを解説・分析

原作から引き継がれているのだと思いますが、いくつか考察します。

杉本が不死身な理由3点

▶︎精神的側面
・失うものが(ほぼ)ない
家族を病気で失い、家を焼き、村を出た
幼馴染の梅子は寅次の嫁になった
幼馴染の寅次が、自分の犠牲になって戦死

・梅子の目を治すための金が必要という強い動機
(ただし、物語中では梅子が視力を失った経緯やそのことに対する過去の杉本や寅次の葛藤などは描かれていない)

▶︎生存戦略
・敵に殺される前に敵を殺す、というポリシー
杉本「戦場では、死なないために重要なことがあった。殺される前に迷わず殺すことだ。弱いヤツは食われる」

▶︎驚異的な治癒力
男(後藤竹千代)「あんた、不死身の杉元って呼ばれてんだってな」
杉本「なかなか死ねないもんだよ」

アシリパ、杉元の手の甲の傷がもう治りかけているのに気づく。
杉元「ああ…人より治るのが早いみたいなんだ」

アシリパ「不死身の杉元、どういう意味だ?」
杉本「深い傷を負ってもなかなか死ななかったからね」

(なぜ驚異的な治癒力があるのか、少なくとも映画1では描かれていない)

杉本に関わる2人の女性、梅子とアシリパの比較

杉本に関わる梅子とアシリパは比較することができると思います。必ずしもタイプが違う女性ということではなく、杉本の生きるステージによって、意味合い(どういう存在か)が異なるということです。

梅子:
過去、幼馴染、受動的、守る対象、生きてきた(そして金塊探しの)目的

アシリパ:
現在、異なる文化、能動的、互いに助け合う、共に生きる存在

物語の背景を解説

物語の背景を調べてみました。

二百三高地について

⚫︎二百三高地の場所
「二百三高地」は日本語で表現されているため日本の支配する地域のイメージがあり、歴史に疎い私には、ロシアとの戦争なので樺太にありそうに思いますが、現在の中国の大連市旅順口区という場所なんですね。 しかも、高地という表現から内陸部の山のイメージがありますが、地図で見ると、実際には黄海に突き出す半島の先端にあります。北朝鮮に比較的近いです。

⚫︎日露戦争の激戦地
ナレーション「日露戦争において、最も過酷な戦場となった二百三高地」

二百三高地での戦いは「旅順攻囲戦」最大の激戦地となったとのことです。

203高地(にひゃくさんこうち、にいまるさんこうち、ロシア語: Высо́кая Гора́、ヴィソーカヤ・ガラー)は、中国東北部の遼東半島南端に位置する旅順(現在の大連市旅順口区)にある丘陵。日露戦争の旅順攻囲戦では最大の激戦地となった。

出典:ウィキペディア

⚫︎日露戦争

日露戦争(にちろせんそう、ロシア語: Русско-японская война〈ルースカ・イポーンスカヤ・ヴァイナー〉)は、1904年(明治37年)2月[注釈 3]から1905年(明治38年)9月にかけて大日本帝国(日本)とロシア帝国との間で行われた戦争である。

出典:ウィキペディア

北海道のゴールドラッシュ

実際に明治30年代初期に北海道でゴールドラッシュがあり、全国から一攫千金を夢見て数千人が集まったとのことです。

こちらのサイトに詳しく解説されています。「北オホーツクのゴールドラッシュ」と表現されています。
北海道開拓倶楽部
https://www.hokkaidokaitaku.club/story/ShortShort/goldrush.html

現在のアイヌ民族の数と和人との混血
 
北海道が2013年に実施した「アイヌ生活実態調査」によれば、調査対象にした北海道に住むアイヌ民族の人数は、66の市町村に16, 786人となっており、日高振興局と胆振振興局管内とで70. 1パーセントを占めています。この調査の制約などから、調査結果で示されるよりもはるかに多くのアイヌ民族の数が見積られます。

出典:公益社団法人北海道アイヌ協会ウエブサイトの「アイヌの生活実態」より
https://www.ainu-assn.or.jp/ainupeople/life.html

⚫︎現在、アイヌと和人は混血しているか?
北海道大学の報告書(旭川大学短期大学部の菊池千夏助教)には、以下の表現があります。

ここには当然、社会全体でアイヌと和人の混血が進み、「アイヌ」とは誰か/何かが曖昧になってきていることも関係しているだろう。

出典:第7章 アイヌであることと被差別経験
https://eprints.lib.hokudai.ac.jp/repo/huscap/all/54993/AN00075302_31_04_27.pdf

北海道における2023年の「令和5年 北海道アイヌ生活実態調査」では「アイヌ」は以下のように定義され、混血が前提になっていると見て取れます。

この調査における「アイヌ」とは、「地域社会でアイヌの血を受け継いでいると思われる方、また、婚姻・養子縁組等によりそれらの方と同一の生計を営んでいる方」としている。

出典:「令和5年 北海道アイヌ生活実態調査」の実施結果について(概要)
https://www.pref.hokkaido.lg.jp/fs/1/0/6/5/3/1/6/7/_/R5%E5%AE%9F%E6%85%8B%E8%AA%BF%E6%9F%BB%E6%A6%82%E8%A6%81(%E5%AE%8C%E6%88%90%E7%89%88).pdf

『ゴールデンカムイ』のストーリー

テロップ。
「カント オロワ ヤク サク ノ
アランケプ シネプ カ イサム」
天から役目なしに降ろされた物はひとつもない

白くモヤのかかった山の風景。1904年 明治三十七年。日露戦争において、最も過酷な戦場となった二百三高地。

死体の山。塹壕の中から様子を伺う兵士達。

大砲を撃ち、進撃するが、どんどん撃たれていく。

敵の塹壕に入り込み戦う杉本佐一。
爆発があり全員倒れる(死ぬ)が、杉本だけ起き上がり、俺は不死身の杉元だ、と叫ぶ。

空撮。雪原を歩く杉元。

タイトル。
「ゴールデンカムイ」

二年後、北海道。
雪の間を流れる小川。

川で砂金を探して土を洗う杉本、そばにいる男が話す。迫害してきた和人に抵抗するためアイヌが集めた金塊を和人の男が奪って隠し、網走刑務所に捕まっても白状せず、囚人たちの入れ墨としてありかを彫った。

杉元が眠っている間に銃をとられ、こちらに向けられるが取り返す。男逃げる。

追ったが、男、倒れていてカラスが群がっていた。抱え起こすと、腹を傷つけられている。ヒグマらしい。何かに気づいて服をはだけさせると、全身に入れ墨。
筆文字のテロップ。
「網走監獄脱獄囚 後藤竹千代」

杉元、竹千代(の死体)をおぶって歩く。

杉本、クマと鉢合わせる。クマ吠える。
杉元倒れるが起き上がり、竹千代を担いだまま走る。

倒木に転んでクマが遅いかかろうとしたとき、誰かが矢(槍?)を放ち、クマに命中し倒れる。
振り向くとアイヌの若い女。
女、強い毒だがヒグマなら10歩は歩けるから離れろと言い、その後クマの毒矢の周囲を切り取る。
この時期に肉が食えるのはマタカリブ。アイヌ語で冬を徘徊する者。冬ごもりし損なって、気が荒くなっている危険なクマだと女が説明。
獲物を奪われたらどこまでも追いかけてきて取り戻そうとするからその男は置いていけと言われるが、それはできないと言う杉元。
女、なら、お前がマタカリブを倒すしかない。覚悟がないなら諦めろ。弱いヤツは食われる、と言う。
面白い話がある、と言う杉本。

時間経過。焚き火。

杉元、あんたはヒグマ猟に慣れてる。力を貸してくれ、と女に言う。

女、その殺されたアイヌ達の中に父親がいた、信じる、と言う。かがり火の明りでヒグマを討つことにする。
女、入れ墨が皮をはぐ前提で掘られていることに気づく。

夜、杉元の背後からヒグマが現れ襲われる。月明かりがさし、女、矢を撃ち、ヒグマにあたり、一旦は逃げたヒグマがまた襲ってきて、白オオカミも現れ戦うが、杉元、俺は不死身の杉元だ、と言って銃を上につきたてる。その上にヒグマ倒れる

白オオカミ成り行きを確認し、戻っていく。

杉元、ヒグマの下から這い出し、女、和人にしてはやるな、と言って手を伸ばす。杉元、その手を取り、名乗る。杉元佐一だ。女も名乗る。アシリパ。
崖の上に白オオカミがいる。

焚き火
ヒグマの内蔵を解体するアシリパ。杉元に胆のうを渡す。乾燥させれば薬として高く売れる。熊は捨てるところがない。杉元がしとめたんだから、全部お前に権利がある。
杉元: アシリパさんにも権利があるだろ。

犯人はまだ監獄で死刑にはなっていないはず。逆に金塊が見つかれば用済みになる。金塊を見つけることが、親父さんの敵討ちにつながるんだよ。
アシリパ、父を思う。
杉元、手を汚すのは俺がやる、俺と組んで金塊を見つけよう、と言う。
杉元、竹千代(の死体)の入れ墨にナイフを入れる。
カネが必要な理由をアシリパに聞かれ、杉元、しばし考え、とにかくカネが必要なんだ、と言う。
アシリパ「わかった。手伝う。ただ、人殺しはナシだ」

アシリパ、リスを捕まえる罠を仕掛ける。
リスが好きということを違う意味で言う二人。
アシリパ、杉元の手の甲の傷がもう治りかけているのに気づく。
杉元: ああ…人より治るのが早いみたいなんだ。

雪原を歩く二人
杉元: 脱走した囚人たちが金塊を探しているなら、内地の方には逃げず、この北海道のどこかにまだいる。大きな街で人に紛れたいはず。北海道で大きな街といえば、札幌、函館、旭川、そしてここ、小樽だ、と説明。

小樽の街を歩く二人。

「北のウォール街」と呼ばれる金融街でもあった港湾都市、小樽。

杉本、銭湯に行き、最近妙な刺青をした客見たことないか常連に聞くが、ないと言われる。

外。アシリパも入れ墨(ストーリー中では刺青)の絵を見せて聞き込み。そこへ、彼女をアイヌと見て男が絡んでくる。アシリパ殴る。杉元も男を捕まえる。入れ墨について聞く。
男: 同じことを聞いてきた男はいた。

山の中を歩く2人を2人組が追うが追手二人とも罠にかかる。網走監獄脱獄囚の笠原と白石。
白石、囚人どおしが殺し合いになったことを話す。
杉元、脅して聞き出そうとするが、殺すなら協力しないとアシリパに言われる。

白石達の入れ墨をアシリパがスケッチする。
アシリパ、入れ墨を彫った人物について聞き、笠原、のっぺらぼうのことを話す。

突然、笠原撃たれる。杉元とアシリパは隠れ、煙幕を張って逃げる。
男、罠にかからず杉元と争う。
第七師団の尾形百之助。
尾形: さっきの死体はおとなしく渡した方がいい。どれだけ危険なバクチに手を出しているのか、分かっておらんのだ!
戦う。
アシリパ「杉元殺すな」
尾形、相手が第一師団の”不死身の杉元”と認識。
やり取りの末、尾形、崖から落ちる。死んだようだ。不満げなアシリパ。
杉元:逃せば俺たちがヤツの仲間に追われるからこれで良かった、と言う。

アシリパ、不死身の杉元の意味を聞く。
杉元は深い傷を負ってもなかなか死ななかった。戦場で死なないために重要なことは、殺される前に迷わず殺すこと。弱いヤツは食われる。あんたも言ってただろ、と説明。
白石逃げ、杉本追いかける。二人、川に落ちる。極限に寒い。火を起こそうとして、冷たい水に入って弾を探そうとする杉元。白石、喉に隠していた。火を起こす。

白石、刺青は全部で24人分あることや脱獄を指揮した親玉について話す。
網走の監獄では猫をかぶって模範囚だったが、脱走のとき屯田兵から軍刀を奪い、あっと言う間に切り捨てた。函館戦争で戦った旧幕府軍の侍。新撰組の鬼の副長、土方歳三。
白石: 俺たちはのっぺら坊にこう指示されていた。”小樽へ行け”

牛山が部屋で女を抱いている時、土方歳三が入ってくる。牛山、その女に売られたと察するが、土方に、刺青を描き移せば殺し合わずに済む。手を組もう、と言われる。
第七師団とやり合う、と言う。

杉元、白石に、金塊は諦めてさっさと北海道を出ろ。刺青を狙ってるのは他の囚人たちだけじゃねえ。
白石: わかってる。陸軍最強の第七師団だろ。俺は日本中の監獄を脱獄してきた”脱獄王”白石吉竹さまだ。誰に捕まろうが煙のように逃げてやる、と言う。
白石去っていく。

リスを食べようとする杉本とアシリパ。
チタタプと言いながら叩く。
チタタプは生で食べるものだが、「お上品な」杉元のために汁物にして食べる。

味噌を入れたらうまいんじゃないかと言って見せるが、ウンコだと言って断るアシリパ。

杉元、味噌を溶かしてうまそうに食べる。
アシリパ「うわあ、ウンコ食べて喜んでるよ、この男」

場面変わって夕方?の雪原。
死んだと思われた尾形は、タンカ?に横たわっている。
男が馬に乗ってくる。
テロップ: 第七師団中尉、鶴見篤四郎
鶴見: 誰にやられた。尾形上等兵
尾形、相手の手に描く 
鶴見: ふ…じ…み

ヒグマの穴を見る杉元とアシリパ。
アシリパ、父親が毒矢を持って巣穴に潜り、一人でヒグマをしとめたことを話す。
アイヌの言い伝えにこういうのがある。”ヒグマは巣穴に入ってきた人間を決して殺さない”
杉元、絶対やだ、と言う。

アシリパが双眼鏡の反射に気付き、二人逃げる。
双眼鏡で見ていた(?)第七師団の谷垣源次郎を含め4人がスキーで追ってくる。
笹薮に逃げ込み、杉元、アシリパに荷物を渡し、捕まっても抵抗せずに奴らに渡して何も知らないふりをしろ、と言う。

笹薮に入ってきた第七師団の4人が、二手に別れた杉元達の足跡を見つけ、それぞれ追う。

アシリパを追った男、木の上のアシリパに気づく。アシリパ、日本語(和語)がわからないフリをし、飛び降りるが、刺青の皮膚の束を落とす。男に拾われ、その後日本語が分かることがバレる。
そこへ、白い狼が男に襲いかかる

杉元は男に止められ、仲間が近くで襲われたが怪しいヤツを見てないかと聞かれ知らばくれる。
しかし不死身の杉元とバレ詰められるが、杉元の後ろに例のクマの巣穴があり飛び込む。男の一人、巣穴に向かって(?)銃を撃つ。少ししてクマが出てきて男たち襲われる。クマも撃たれる。

杉元、穴から出てくる。クマの赤ん坊を抱えている。

白い狼(エゾオオカミ)のレタラが男に襲いかかっている。
アシリパ、それを止め撫でる。
お前は最後のホロケイカムイ(狼の神)なんだから、ウェンカムイなんかになっちゃだめ。

 

杉元来る。
アシリパ、男に、「いいか、お前は隠れてろ、杉元に殺されるぞ」、と言う。
杉元、クマの赤ん坊に、「いいか、静かにしてろよ、アシリパさんに食われるぞ」、と言う。

クマの赤ん坊はアシリパに見つかるが、食わない、コタン(村)で育てると言う。

村に行く。雪原の中に突然家がある。

アイヌの村の説明のナレーション

アイヌは好奇心旺盛で杉元を怖がらない
新しもの好き。

アシリパがフチ(祖母)へ、杉本を友人だと紹介する。
祖母から、初めてアシリパが連れてきた客だから私達はもてなそうと言われる。

屋内
いとこの女の子を紹介される。和人の言葉も話せる。オソマ(ウンコ)という名前。
小さいときには病魔が近寄らないように誰でも汚い名前で呼ぶ。アシリパもシオンタク(小さいク)(ウンコの腐った固まり)という名前だった。

おばあちゃん、アイヌ語で、杉本の旦那、この女の子(アシリパ)を嫁にもらってくれ、と言う。杉本、何て言ったかアシリパに聞くが、アシリパ嘘を言う。

カワウソのオハウ(鍋料理)

おばあちゃん、ヒンナヒンナと言いながら、料理を箸で掴み、首の後ろへ持っていく。アシリパ、首の後ろにいる自分の守り神にお供えしてる、と説明。
この村じゃ年寄りしかやってない、と言うアシリパに、杉本、最近の若いヤツは、と言って、おばあちゃんのマネをする。
食べる。
クセはあるが上品な味だと言う杉本に、
アシリパ、もっと美味しい部分がある、と言ってカワウソの頭の丸ごと煮を差し出す。
杉本、味噌を入れた方が合うんじゃないかと言って出す。
味噌をウンコだと思っているアシリパは慌てるが、杉本、おばあちゃんにも味噌を勧める。
アシリパ「憑き神様にウンコ供えさせやがって!」と言い、ストゥという制裁棒を付き出す。

夜、アシリパといとこ寝ている。杉本座って見ている。
アイヌの男、アシリパの大叔父が入ってくる。あんたは悪いヤツじゃないのだろう。だが、金塊探しには反対だ、と言う。

狼の遠吠えが聞こえる。
男: あの狼はアシリパと父親が、ヒグマに襲われているのを見つけて拾ってきた。” 白い”という意味でレタラと名付けた、と説明。
アシリパはレタラと山へ行った。だが2人は生きる世界が違ったのだ。

回想
少女時代のアシリパとレタラが小屋で寝ている時、狼の遠吠えが聞こえ、レタラ、遠吠えをして出ていく。
アシリパは、お前も私を一人にするのか!行かないでレタラと言って泣く。

回想から戻る
男: 杉本さんといるとアシリパは笑顔を見せる。あんたのおかげだ。

おばあさんも杉本の手をとって何かアイヌ語で話す。
杉本: わかったよおばあちゃん。アシリパさんはおばあちゃんに愛されてるんだな。村のみんなにも。

杉本、暗い中で座っている。顔は見えない(寝てる?)
アシリパとの回想又は夢。
二百三高地の戦いの回想又は夢
杉本、目を開いている。

杉本、明け方に外に出ていく。
アシリパ、起きる。杉本いない。何かを思う。

昼間、出かけるアシリパ。
雪の山々。

雪が降り薄暗い。
第○師団が山中に集まっている。
この雪ではこれ以上の捜索は困難。

和田大尉が来て、自分の部下を鶴見が勝手に引き連れて、1名は重体4人が行方不明であることに文句を言うが、鶴見に指を食いちぎられ、鶴見の息のかかった男に殺される。

町、白石が遊女街を物色し、ある店に入ろうとすると牛山が出てくる。
白石逃げる。牛山追う。第七師団?がいる。適当なことを言って逃げようとするが、銃撃戦になる。白石、危うく手投げ爆弾に巻き込まれそうになる。

鶴見が馬に乗って現れる。刺青の男がいたという報告があり、兵を集めろ、と指示。

白髪で帽子をかぶった男が歩いてくる。
建物の角が爆発し、白髪の男、建物の中に入る。通じました、と報告される。

鶴見、男の死体を確認するが、刺青はない。陽動だったようだ。

鶴見、銀行を見に行くと爆破され荒らされている。

白髪の男が刀を持って馬に乗る。
白髪: 時を超え我がもとに

鶴見が窓から顔を出す。白髪男と見合い、鶴見は相手が土方歳三だと認識しお互いに撃つが、土方、馬で走り去る。

杉本、そばを食べる。
第七師団の男が2人入ってくる。刺青のことを探っている人物を探しており杉本を覗き込む。杉本、男たちを蹴り出す。
外にはたくさんの第七師団。杉本やられる。殺されそうになったとき、誰かが拳銃を空に撃つ。鶴見。
歩いてくる。
鶴見: お前の寿命のロウソクは、私がいつでも吹き消せるぞ。
恐る恐る遠巻きに見ている人々。白石もいる

店で団子を食べる杉本と鶴見。
杉本だと言われるが、しらばっくれる。
鶴見に頬に団子の串を刺される

鶴見、生き延びる方法が一つだけある。私の下につくことだ、と言う。
杉本: あんたら何をする気だ。
鶴見、まずは軍資金だ。次に第七師団を乗っ取り、北海道を制圧。資源開発を加速させる。アヘンを知ってるか?もうかるぞ。
杉本、つきあってられないと言う。

アシリパ、白狼に杉本の靴下の匂いをかがせ、探している。

その杉本は頬に2本の団子の串。椅子に繋がれ暴行される。

白狼とアシリパはある家にたどり着くが白石だった。以前杉本達と会った時、靴下を取り間違えたらしい。脅して第七師団の拠点を案内させる。

杉本、相手2人を煽り、争いになる。

杉本が暴れまわり、騒ぎを聞いて来た他の第七師団の男達が双方を引き剥がす。それを窓から白石が覗いている。

白石、関節を外して鉄格子から入り込み、経緯と杉本を逃がす目的を話し、杉本の後ろ側を確認しているとドアが開く。先程戦った二人が拳銃を持ち洋平が入ってくる。浩平は外で見張り。洋平、杉本に刺される。

浩平がわめき、騒ぎを聞いた鶴見が来る。
洋平は死んでいて、杉本は内臓が出ている。洋平の手に剣。
杉本: 助けろ。刺青人皮でもなんでもくれてやるよ。
鶴見の指示で杉本、担架で病院に連れて行かれる。
鶴見、仲間に、私も馬であとを追う。死ぬ前に必ず刺青のありかを聞き出せ、と言う。
部屋に隠れている白石。

鶴見、洋平の死体を見て内臓を取られたことに気づく。

杉本、馬ぞりに乗せられるが一人落とし立ち上がり走るソリの上で戦う。一対一になるが二人とも落ち、縄に捕まる。

アシリパが走ってきてソリに飛び乗り、杉本を引き上げる。一味が捕まっているロープをアシリパが切る。

浩平が馬に乗って撃ちながら来る。

(タイミング忘れた)白石が家に火をつけ、騒ぎの中、第七師団の制服を着て刺青人皮を探す。

もう一人も馬に乗って撃って近づいてくるが杉本に落とされる。

浩平ソリに飛び乗り争う。アシリパ、棒を取り外し杉本に渡す。浩平を叩く。杉本、馬に飛び乗る。ソリ、離れ、浩平を乗せたまま雪の山に突っ込む。

鶴見が馬に乗ってくる。アシリパ、矢を放ち、馬にあたり、鶴見転げ落ちる。走って追ってくるが、諦める。

燃えるアジト。部下が刺青が奪われたと謝罪するが、鶴見が着ていた。それを見て白石、場を離れる。

雪原の上で向き合う杉本とアシリパ。
杉本、手に布で来るんだ荷物を持っている。杉本は勝手に出ていって気まずくアシリパは嬉しいような表情で二人近づくが、アシリパ、棒で殴る。
アシリパ、覚悟の上だと怒り、もっと慎重にならなければいけないのに急ぐ理由でもあるのかと聞く。杉本、幼馴染の寅次と梅子のことを話す。3人はいつも一緒だったが、家族が病気で死んだ杉本は自分も感染していることを懸念して、連れてってと言う梅子を置いて村を出た。
その後梅子は寅次と結婚式を上げ、戻って来た杉本はそれを見ている。
梅子は俺の嫁だぞ、絶対に渡さない、と言う寅次に、結婚おめでとう、と言う杉本。

その後二百三高地の戦場で、爆発で寅次が犠牲になり杉本は助かった。梅子の目を治すために腕のいい医者に梅子を診せてやりたいという寅次の言葉を聞く。
杉本は遺骨を持って梅子の元に戻るが駆け寄ってきた梅子は杉本をわからず杉本立ち去る。寅次との約束を果たし梅子の目を治してやりたい、だからカネが必要だと説明すり杉本。
アシリパ、生きているかぎり役目がある。私はなぜアチャが殺されなければならなかったのか真相を突き止める。お前は手に入れたカネで約束を果たせ。私達で金塊を見つけるぞ、と言う。

北海道の地図がキラキラと散っていくイメージ映像とキャスト名エンドロール。

刀を手入れしている土方歳三と、彼に資金と武器の調達を伝える元新選組、二番隊隊長 永倉新八。200貫の金塊で夢を見すぎという牛山に、200貫ではなく2万貫だ、国が作れる気がしてきただろうと言う土方。
テロップ:”現代の価値でおよそ8000億円”

永倉、鶴見中尉は情報将校らしく正確な金塊の量を把握しているだろうと言う。
映像では鶴見が外国人から拳銃など武器を受け取っている場面。
土方、これから北海道は戦場になる、と言う。

今後中心的となるであろう登場人物たちの様子の映像。

スタッフロールとともに、桜鍋を作っている杉本とアシリパ。
白石来て、第七師団も土方たちも出し抜いて俺たち3人で金塊山分けしようぜ!、と言う。

桜鍋を食べる3人。桜鍋を食べるのが初めてのアシリパに、白石が食べ方を教える。

桜鍋には味噌が入っていることを知り、(味噌がうんこだと思っている)アシリパは躊躇するが、意を決して食べる。おいしいと言う。

スタッフロールに合わせ威勢のいい歌。日本語のロック。