『ミミック』(1997)非常に怖く、よくできた面白いSFホラー映画 感想・解説と「ユダの血統」の名称の考察(ネタバレ)

『ミミック』(1997)非常に怖く、よくできた面白いSFホラー映画 感想・解説と「ユダの血統」の名称の考察(ネタバレ)

ホラーSF映画『ミミック』について書こうと思います。映画『エイリアン』(1979)に通じるモンスターパニックSFホラー映画です。

『エイリアン』と比較した怖さの特徴についてや、ストーリー中で遺伝子合成昆虫につけられた「ユダの血統」という名前についても考察します。

『ミミック』のストーリー

昆虫学者の女が、たくさんの子どもたちが犠牲になった病気を媒介するゴキブリを駆除するため、遺伝子を合成した昆虫を作り地下に放ち抑え込む。3年後、既に死滅しているはずのその昆虫が繁殖し進化していることを知り、先行して調査に行った夫や警官のあとから地下へ向かうが、人間サイズのものも生まれてヒトに擬態しており、襲われる。

基本情報

監督:ギレルモ・デル・トロ(『ヘルボーイ』シリーズ、パンズ・ラビリンス、『パシフィック・リム』他)
原作:ドナルド・A・ウォルハイム
脚本:マシュー・ロビンス、ギレルモ・デル・トロ、ジョン・セイルズ、スティーヴン・ソダーバーグ、マシュー・グリーンバーグ
出演:ミラ・ソルヴィノ
(スーザン・タイラー役)、ジェレミー・ノーサム(ピーター・マン役)他

「ミミック」の意味

「ミミック」:模倣する 擬態する

遺伝子合成昆虫が予定に反して進化巨大化し、人間に擬態するストーリーを表しています。

スーザン「昆虫は進化して捕食者に擬態するの。”ユダ” も捕食者に擬態した。人間よ」

 

主人公達が彼らを欺くためにその体液を体に塗って「擬態」する様子も含んでいます。

スーザン「私たちが擬態するの」

 

『ミミック』の感想と考察

怖い映画

■怖さの特徴
かつて自分が放って既に死滅しているはずの遺伝子合成昆虫がまだ生存してしまっているかもしれないと思い(巨大化しているとは思っていない)地下を探索する主人公とそのプロジェクトの依頼者である夫、お金をもらうために珍しい昆虫を捕獲しようとして地下を探索する無鉄砲な少年たち、人間大になった化け物の潜む場所にわざわざ潜り込んで、危険や恐怖の意識が全くなくその化け物の出す音を真似してスプーンをカタカタ鳴らす知恵遅れの少年など、それぞれの理由と方法で化け物に近づいていくのが怖いです。

登場人物や化け物の行動の論理的な整合性からやや離れ、観客を怖がらせる演出寄りになっていると感じます。

■『エイリアン』の影響
『エイリアン』の影響、又は参考にしているのは明らかだと思います。「人間サイズの昆虫のような化物が襲ってくる」「卵のある周辺の床に粘着性の糊のようなものがあり、靴の底に粘ってくっつく」「たくさんの卵を見つけるが、孵化し始めている」などが共通しています。『エイリアン』のエポックメイキングさは圧倒的なため、この映画は『エイリアン』ほど有名ではないかもしれませんが、非常に怖く、よくできた面白いホラーSF映画だと思います。

■昆虫の気持ち悪さ
『エイリアン』に近い怖さですが、全編にわたり不気味な気持ち悪さがあります。変異した昆虫の化け物がテーマで虫の気持ち悪さも怖さにつながっており、虫も実際に出てくるため、虫がだめな人は見られないかもしれません。

『エイリアン』では続編で水中を泳ぐシーンもありますが、『ミミック』では羽を広げて飛んできて襲われるシーンがあり、これは『エイリアン』にはなかったと思います。昆虫が飛んで来る気持ち悪さ、怖さがあります。

アリとカマキリの遺伝子を合成した昆虫が巨大化し人間に擬態しているという設定ですが、暗いシーンがほとんどで濡れて黒く光っていることもあり、巨大で俊敏なゴキブリが飛んで襲ってくるような印象と言えば、そのおぞましさがわかると思います。

それだけでなく、銃で撃たれ身体がちぎれても上半身の腕(カマ)を使ってゴソゴソと俊敏に移動し隠れます。

■音
アリとカマキリの遺伝子を合成した昆虫が人に進化し擬態し、昆虫らしくカタカタ(又はキチキチ)と音を発するのが怖いです。アリやカマキリは音を発するようですが、映画中で使われているカタカタ音とは異なります。人間サイズの昆虫が出す音のイメージ(想像)で映画の演出として作成した音だろうと思います。

アリの鳴き声の例
https://youtube.com/shorts/ePwyObpUX6U?si=QhHk29LKT4QseaCa

カマキリの威嚇音の例
https://youtube.com/shorts/A07-MxFhSOM?si=nkV3KGTFivSPryPZ

■雨
屋外は雨の降っているシーンが多いです。撮影時にたまたま雨が降ったのを利用したのか、雨が降っていなくても人工的に雨を振らせて撮影したか不明ですが、監督は自分の映画でしばしば雨を使うことをインタビューで話しています。
https://www.slashfilm.com/527051/film-interview-guillermo-del-toro-talks-pacific-rim-haunted-mansion-and-more/

■その他
牧師は引きずり込まれる時に隙間にお腹が引っ掛かり左右にふりながらむりやり引きずりこまれる様子は乱暴で人間の仕業ではないことが感じられ、しかし少年はその何者かが発するカタカタ音を真似することに夢中で、その2つの異常さが畳み掛けるような演出となっていて不気味です。

遺伝子操作で作った生物がまだ生き残っていて化け物になっている、というストーリーのかたわら、主人公が妊娠していなかったことが描かれ、生殖についてのセンシティブな感情が呼び起こされることも怖さに結びついています。

考察「ユダの血統」(Judas breed)の意味

遺伝子を合成した昆虫が「ユダの血統」(Judas breed)と命名されていますが、いかにも意味ありげな名前です。

「ユダ」(Judas)には、キリスト教の文脈において、英語圏では「裏切り者」の意味があるそうです。

参考
古代の文書『ユダの福音書』の鑑定と翻訳 ナショナルジオグラフィックウエブサイト
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/topics/n20060407_2.shtml
裏切り者ユダに対する見方が180度変わります。――荒俣宏
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/topics/n20060421_1.html

ユダ ウィキペディア

イスカリオテのユダ 聖書と歴史の学習館ウエブサイト
https://www.lets-bible.com/twelve_apostles/f12.php

そのためこの命名は、主人公が何かの期待を込めて命名したというよりも、ストーリー上メタ的に「裏切りのフラグ」として使われていると思われます。

病気を媒介するゴキブリを駆除するための「いいもの」だった遺伝子合成昆虫が、繁殖し進化して人間に擬態して人間を襲う「悪いもの」になる様子をフラグとして表していると思います。作中では、進化して襲ってくる彼らを「ユダ」とよんでいます。

しかし「ユダの血統」(Judas breed)は、脚本では異なる名前でした。後述します。

「裏切りのフラグ」としての命名は、他の類似する例として「プロメテウス」があります。

プロメテウスはギリシア神話に出てくる、人間を創造したとも言われる神ですが、人間に「火(=知恵・技術)」を与えたことで他の神々の怒りを買い、罰を受けます。

参考
プロメーテウス ウィキペディア

リドリー・スコット監督の映画『Prometheus』では、タイトルではフラグであると同時に映画のテーマそのものとして使われていると思いますが、ストーリー中、人類の起源を調査する宇宙探査船も「プロメテウス」という名で登場し「知を求めた結果、罰を受ける、裏切られる」(大変な目に会い、最後は破壊される)ことのフラグとなっています。

『ミミック』脚本からの変更点

『ミミック』の映画本編は脚本からのかなり変更されています。(June 19th 1996版)を参照しています。

■前述した「ユダの血統」(Judas breed)は原作では異なる名前でした。

脚本:「Judas Roach」あえて訳すなら(ユダのゴキブリ)(裏切り者のゴキブリ)
映画:「Judas Breed」(ユダの血統)

「Judas Roach」と表現されていた版の脚本では、スーザンは以下のように説明しています。

With the aid of genetic labs throughout the country, we recombined cockroach DNA with genetic information from termites and mantids. We were able to create a biological counter-agent. A new ally, if you will…

全国の遺伝子研究所の協力を得て、ゴキブリのDNAとシロアリやカマキリの遺伝情報を組み換えました。その結果、生物学的な対抗手段を作り出すことができました。いわば、新たな味方と言えるでしょう…

 

映画のセリフでは以下のように説明しています。

So, with the aid of genetics labs across the country, we recombined termite and mantid DNA to create a biological counteragent, a new species to be our six-legged ally… in wiping out the roach population.

そこで、全国の遺伝子研究所の協力を得て、シロアリとカマキリのDNAを組み換え、生物学的な対抗手段、つまりゴキブリを駆除する私たちの6本足の味方となる新たな種を作り出したのです。

 

遺伝子の合成の仕方の設定と、ネーミングの意味合いが変化しています。

「Judas Roach」が「ゴキブリ社会に送り込まれた裏切り者」という意味であるなら、「Judas Breed」が人間側に対する「裏切り」のフラグであることと、反対の意味になりますね。

■映画本編ではスーザンのアシスタントはレミー(Remy)ですが、脚本ではSIRIとなっています。名前が異なるだけでなく、役割なども異なっていました。

■その他、内容も色々と異なっていました。

かっこいいタイトルバック

この時代に一世を風靡したカイルクーパーのタイトルバックがかっこいいです。今見たら普通に感じるかもしれませんが、当時はパソコンが普及し始め様々な映像表現が試行錯誤された時代で、カイルクーパーは実写の動画や写真のほか文字にも動きをつけ、その表現は先進的でかっこよかったです。

『ミミック』のタイトルバックも、サスペンスフルな音楽と、”ニューヨークに伝染病” “犠牲者は子供”などのニュースのナレーションと思われる断片的な音声と、新聞又は雑誌の記事の切り抜きを背景に、うごめく虫の映像、ストーリー中で遺伝子合成に使われたカマキリが設定として出ることにちなんだカマキリの映像、主人公が昆虫学者であることから、昆虫の標本の写真、その他犠牲者を想像させる子供の写真などをコラージュして、観客をその世界に引き込みます。

『ミミック』の結末

あらすじはこのあとに紹介しますが、結末は以下の内容です。

地下でピーターが逃げ込んだ場所の床や天井に大量の卵。

パイプからガスが出ている。ピーター、ライターを持っている。卵から孵化し始めている。

オノでガス管を破壊する。「可燃性ガス」の表示がある。

扉の隙間から奴が入ってくる。ライターつかない。囲まれて、ライター落としてしまう。

オノで金属の床を叩き、火花散り、爆発する。自分は水槽に潜る。爆発がトンネルを伝い、スーザンも飛ばされる。

地上でもマンホールが吹き飛び、車が吹き飛ぶ。街中パニック。

地下でスーザンが起き上がる。
オスが来る。チューイ(少年)もいて奴が歩み寄る。スーザン、助けるため、自分の手のひらを切り、血を出す。奴が振り向く。スーザン、電車に向かって走る。奴が追いかけてくる。電車にぶつかる寸前にスーザンよけ、やつは轢かれる。

スーザン、少年を見つける。

消防士などが事故の処理をする地上。
保護され担架に座るスーザンと少年。

教授(博士)来る。

博士、地下を調べたがすべて焼けただれていた。あれでは生き残れない、と言う。スーザン泣く。教授去る。

ピーター、地下から階段をあがってくる。スーザンと抱き合う。

以下、あらすじを紹介します。

『ミミック』あらすじ

タイトルバック
ニュースナレーション:8歳の男児が救急車内で死亡
新聞記事のタイトル:”ニューヨークに伝染病” “死者の数は1000人に”
“犠牲者は子供” “ゴキブリがストリックラー病を”
ニュース音声:疾病対策センター(CDC)が、、
感染経路は空気感染ではない

昆虫学者の女スーザンが、たくさんの子どもたちが犠牲になった病気を媒介しているゴキブリの天敵として、遺伝子組み換え(アリとカマキリのDNAを合成)の昆虫を作り「ユダの血統」と命名し抑え込む。
それを依頼した、疾病対策センターに勤めるピーターがこの出会いをきっかけにスーザンと結婚したことも説明される。

3年後。

牧師が何者かに追われビルの屋上から落ちる。それを窓から見ていた知恵遅れの少年が、牧師の履いている靴の名前をつぶやく。牧師の傍らに怪しい陰が現れ牧師が引きずられるが、少年はその何者かが発する音をマネしてスプーンでカタカタ音を出すことに夢中になる。牧師は地下に通じる狭い隙間から中に引きずり込まれ、少年は「とても変な靴だ」とつぶやく。

教会で警察の捜査(何で捜査しているか不明。ピーターの同僚は牧師の所在が不明と話している)。

疾病対策センター(CDC)に勤めるピーターが現れ、同僚と地下を見る。天井の梁に何かの大きなフンがついていて回収されている。

MUSEUM OF NATURAL HISTORY(自然史博物館)で働くスーザンのところへ、少年たちが虫を持ってきて買い取る。

開いていた窓を閉めるが、通りからそれを見ている怪しい人影。

ピーターは同僚から、フンからボタンが出てきたことを伝えられる。
スーザンの同僚のレミー、博物館から自転車で帰るとき、フードをかぶった人物(表情見えない)にぶつかりそうになる。
スーザン、少年から受け取った箱を開けると、巨大(20cmほどに見える)なゴキブリのような昆虫。
「ユダの血統」は生殖能力がなく、半年で死ぬはずだったが、調べると、その昆虫は「ユダの血統」と共通点があった。
物音がしてスーザンが見に行くと、窓が空いており、昆虫がいなくなっている。器具を持って床を探すスーザン。
うっすらとカタカタと音がする。
「何者か」がスーザンのいる職場の窓から侵入し天井に潜んでいるが、スーザンの後ろに降り立ち、去る。
スーザン、「ユダの血統」が繁殖していることをピーターに伝える。

地下鉄では靴磨きの男が仕事をしているそばにチューイがいる。
ピーターやスーザンは少年達と虫を見つけた場所に入ろうとするがカギが変わっていて入れない。スーザンは少年に絵を見せながら卵嚢を見たことがあるか聞くが、ない、と言う。
ピーターとスーザン、少年達を帰し、地下鉄のホームからドアのカギを壊して使われていない汚れた空間に入る。
地下鉄の音に紛れてカタカタ音がする。
ロッカーの隙間の奥に空間がある。奴が潜んでいる。落とした懐中時計を拾おうと隙間に手を伸ばす。警官来る。スーザンとピーター、警官と揉める。その間スーザンはチューイに出会う。警官は、許可証があれば別だと言う。
少年たちが歩いてると繭のような卵を見つける。スーザンから受け取った絵と同じ。音がする。ナイフを入れるとそばから音がする。奴がいて襲われる。
スーザン、博物館で博士に意見聞く。博士は、生物学的に言えば生存は可能だろう、と答える。

靴磨きの家
少年は向かいの封鎖された教会からカタカタ音を聞き、家を出て潜り込む。奴がいる。少年はスプーンで音を真似ると、2体のそれが左右から少年のそばまで来る。

妊娠チェッカーを見ているスーザンにピーターが気づくが妊娠していなかった。スーザン、レミーから電話で呼ばれ出かける。
ピーターから今日は地下の調査だぞと言われるが、終わったらすぐ駅へ行く、と答える。

スーザンとレミー、レミーの知り合いの清掃員が回収した変なものを見に行く。人の子供ほどのサイズの、複数の足のある生き物の死体のようなもの。

朝、靴磨きの男の家、少年がいないことに気づく。

許可証をとったピーターと同僚が、警官に立ち会ってもらい地下の探索をする。

靴磨きの男、警察に電話するが2日後に捜査を始めると言われ、向かいの閉鎖された建物に行く。少年の作る針金細工が中に落ちてる。裏道のハッチを開け地下に入る。

レミー、教授のところへ例の死骸を持ち込む。

靴磨きの男、少年の名を呼びながら地下を探索する。カタカタ音がする。

地下。ピーターと同僚が引き続き警官と探索している。警官、地下についての噂話について話す。「ロングコート姿の殺人鬼の話も流れた」

レミーと博士、解剖している。
博士は、臓器が完璧に形成され機能していたことから気まぐれな突然変異ではないと推測。高度に進化した兵隊アリ、殺しのプロ。一匹だけで育つはずはなく巣があるはずだ、と言う。

スーザンも地下鉄の駅へ行く。

ピーター達が地下を進むと、フンのかたまりのような内蔵のような物が壁や天井にたくさんぶら下がっている。

スーザンが終了間際の地下鉄ホームで座って、生き物の死骸のポラロイド写真を見る。別々の写真を合わせると、人の顔のように見える。
スーザン:ピーターまだなの?
(メモ 待ち合わせしているつもりか?)
営業が終わって人がいなくなる。
しかし、人影が見える。時間を聞くが答えない。
それは人間サイズの化け物で、羽を広げ飛んで襲ってくる。捕まり、連れ去られる。
(メモ 博物館の研究室では襲われなかったのに、ここで襲われる理由が不明。スーザンの声に反応した?)

男たち、天井から下がるフンを回収。大きい昆虫が現れて警官が踏み潰す。足場が崩れ、警官とピーター階下へ落ちる。ジョシュ(同僚)が上に残される。階段はない。警官、ジョシュに、人を呼びにいかせる。

スーザン、汚れてビチャビチャな場所で目覚める。そばの死体に刺さっている鉄パイプを抜きとり、移動する。上を見ると外に人が歩いているのが見える縦坑があるが、助けてと言っても聞こえない。奴が現れ襲われるがパイプをさして逃げ、ハッチに入り、落ちる。

ジョシュが出口を探す。たくさんの卵嚢を発見。そばに奴がいる。天井のハッチから出ようとするがやられる。

スーザンが見上げると天井のハッチの上に人(靴磨きの男)がいてお互いに気付く。

地下の男達。ネズミがいないことに警官気付く。壊れた電車車両がある。物音がする。靴磨き(マニー)(おそらくここで初めてなまえを呼ばれ、観客に名前がわかる)が現れ、女性の博士を助けないと、と言う。

スーザンを引き上げ助けるが、サイリウムを落とし、気づいた「奴」が追ってくる。車両に逃げ込むが、「奴」が隙間に挟まる。警官が銃で撃つが、半分がちぎれて中に入る。恐る恐る引き出す。死んでいると思ったが動き出し、警官、ひっかかれる。

警官の足の手当をする。警官、大声で泣き言を言うが、奴らが集まってくるかもしれないためピーターに止められる。
靴磨き、奴の半身を引きずり出しひっくり返す。肺がある。昆虫に肺はない。

スーザン、”ユダ”の代謝を早めたら頻繁に繁殖をして何度も突然変異が起きたことを想像する。昆虫は進化して捕食者に擬態するが”ユダ”も捕食者である人間に擬態した。
奴の死骸の外殻を合わせると人の顔のようになる。
スーザン:人間に擬態して知らない間に軍団を作るわ。
靴磨き、おかげで孫がやつらにさらわれた、と言ってスーザン達に怒り、警官もピーターに止められても不満をわめき続け、車両の壁を突き破ってやつの脚が突き刺さり、驚く。
警官:囲まれた。

奴らが車両を囲んで襲ってくる。
血のにおいで興奮しているとスーザンが予想し、化け物の内蔵を取り出して、窓の割れた所や体に塗りたくる。仲間だと思って襲ってこないようにする。

去っていった。

トンネルは地上に通じていて車両を動かせれば脱出も可能だと警官が説明。この車両は耐久性には定評がある。
警官、マニーに、転轍機のスイッチのある部屋を説明し、線路を切り替えろ、と言う。ヒューズを接続し直せば電気を通せる。
ピーター、スーザンとケガをした警官を車両に残し地上に生還し”ユダ”を滅ぼすことを託す。
ピーターと靴磨きの老人が、奴の内蔵を塗りたくる。
スーザン:私たちが擬態するの。

ピーターと靴磨きの老人、それぞれの電源を入れに出る。老人、カタカタした音を聞き、チューイだと思う。

ピーターが電線をつなごうとする目の前に奴がいる。塗りたくったおかげでやり過ごす。

靴磨きの老人、少年を見つける。

スーザンと警官
スーザン、この線路は地上の駅に通じてることを確認し、”ユダ”も地上に出たらどこにでも巣を作れる、と言う。
巣には繁殖可能なオスが1匹しかいないはずで、そのオスを捕まえて殺せたら、メスは子孫を残せずに巣全体が滅びることを説明。

靴磨きと少年
少年、スプーンをカタカタやる。奴が現れ老人やられる。少年、怯えてアワアワする。

警官: 何かあったんだ。マズいぞ。
スーザン出る。

ピーター、メガネを差し込み電気が通る

スーザン、懐中電灯を見つける。時計?が落ちていて、靴磨きの老人も襲われたことを察する。少年がいる。

ピーター、車両に戻る。

警官、車両を走らせる。
車両がガタついて消化器か何かが倒れ、警官の傷口を打つ。車両止まる。

ピーターが車両のドアを叩くが、警官は、
ひどい出血だから”ユダ”が集まって来るから近づくな、と言う。
ピーター、スーザンはがいないことに気づき、靴磨きのところへ行ったことを警官が説明。

スーザン、少年が相変わらずカタカタやるのをやめさせる。スーザンと少年のところにピーター来る。

奴らが出てくるのが車両の警官から見える

スーザン達のそばにいる奴らが何かに気づく。
警官、歌いながら車両の外を歩く。襲われる。

ピーター、スーザンと少年を滑車(エレベーター)に乗せる。奴が天井のガラスを破ってくる。ピーター、自分は残り滑車を上げる。自分は隙間に逃げる。

奴が、自分のクワ状の足で滑車のケーブルを切って、滑車を落とそうとする。(メモ この辺は演出ですね)スーザン、つっかえをして落下を阻止する。奴はクワ(手)で網の扉を持ち上げる(メモ 演出ですね)。スーザン、自分が出たあとやつごと滑車を落とす。

ピーターが鉄板の扉閉めたが、バンバン叩かれる。
逃げ込んだ場所の床や天井に大量の卵。
パイプからガスが出ている。ピーター、ライターを持っている。卵から孵化し始めている。
オノでガス管を破壊する。「可燃性ガス」の表示がある。

扉の隙間から奴が入ってくる。ライターつかない。囲まれて、ライター落としてしまう。
オノで金属の床を叩き、火花散り、爆発する。自分は水槽に潜る。爆発がトンネルを伝い、スーザンも飛ばされる。

地上でもマンホールが吹き飛び、車が吹き飛ぶ。街中パニック。

地下でスーザンが起き上がる。
オスが来る。チューイ(少年)もいて奴が歩み寄る。スーザン、助けるため、自分の手のひらを切り、血を出す。奴が振り向く。スーザン、電車に向かって走る。奴が追いかけてくる。電車にぶつかる寸前にスーザンよけ、やつは轢かれる。

スーザン、少年を見つける。

消防士などが事故の処理をする地上。
保護され担架に座るスーザンと少年。

教授(博士)来る。

博士、地下を調べたがすべて焼けただれていた。あれでは生き残れない、と言う。スーザン泣く。教授去る。

ピーター、地下から階段をあがってくる。スーザンと抱き合う。
それを教授見る。少年も抱きついている。

多少の不明点、ストーリー上の都合(演出)などもある
上記のあらすじ紹介内にメモを記載したように、多少の不明点、ストーリー上の都合(演出)などもあります。