語学留学の利点と欠点

語学留学の利点と欠点

語学留学をするのと日本国内で英語を勉強するのとそれぞれ一長一短あり、どちらがいいかは人や状況によって変わってくると思います。ここでは、私の思う語学留学の利点と欠点をお話しします。

語学留学の利点

●日常の生活から切り放されて勉強に集中できる
おそらく日本にいたら、会社に務めるかたわらとか、高校や大学に通うかたわらとか、家事のかたわらに語学をしようとすると思います。勉強時間は限られ、例えば英語の勉強を日課にしていたとしても、仕事や家事が忙しくて勉強をパスする日が出てくるかもしれません。語学留学をすると学校に通うことが生活の中心になりますので、長期間に渡って集中しやすい環境に身をおくことになります。

語学学校以外でも英語を話す(話さざるを得ない)機会がある
語学には「勉強」と「訓練」の両輪が必要だと思います。スムーズに話すためには頭でわかっているだけでは不十分で、脳が英語を処理する訓練と同時に日本語では使わない口や舌の使い方の訓練も必要です。英語を話す機会が多いほど慣れていくため留学にはメリットがあります。

ただしこれは本人しだいという面もあります。海外旅行を想像すればわかるとおり、海外にいても日常の生活ではさほど現地のことばを話さなくても過ごせてしまいます。留学中であっても、たとえば授業中にあまり発言せず授業後もあまり英語を話さなければ、スピーキングの上達は困難になります。一方、上達のためネイティブスピーカーとたくさん話したいと考える学生もいますが、ホームステイか寮かアパートかによっても違いますが、学校以外では結局ネイティブと話す機会が少ないと感じている学生も多いです。ホームステイもホストペアレントの方針や相性によって全く状況が変わってくるようで、いろいろ会話の機会があったりあちこちつれていってくれたりするホストファミリーがある反面、単に宿泊場所を提供しているだけのところもあるようです。

●英語のニュアンスや日常生活での使い方をネイティブに聞ける機会が多い
ある程度基礎を理解して書いたり話したりできるようになってくると、「文法的には正しいけれども、そういういい方はしない」とか「その表現は硬い」という指摘を受けたり、逆にネイティブが文法を崩して省略している表現に気付いたりします。日々ネイティブスピーカーがそばにいる環境ならではだと思います。日本で英語学校に通っても同じかもしれませんが、友達付き合いなど日常での英語のコミュニケーションの機会が多いほど、そういった自然な表現に触れたり質問できる機会が増えます。

多様な国籍をもつ人達と友達になったり生の意見を聞いたりできる
留学生の出身国は、日本の他、韓国、中国、台湾、スイス、スペイン、フランス、イタリア、サウジアラビア、トルコ、モロッコ、チュニジア、チェコ、ロシア、ブラジル、ペルーなど多彩です。日本は外国人が増えてきたといってもこのような多彩な環境は想像できないです。

気候がいい場所で留学すれば勉強しやすい
例えば、サンフランシスコは気候がいいため勉強に向いていると感じます。夏は東京より涼しく湿度も高くなく、逆に冬は東京よりやや暖かいです。ただし、気温の変化が大きくしばしば強い風が吹くので、この気候が好きではない人もいます。

日本だと暑いか寒いか花粉が飛んでいるか雨が降っていることが多いので、一年の中でちょうどよい天気の日が少ない気がします。

留学先周辺や現地国内の旅行がしやすい
日本から何度も訪れると渡航費がかさみますが、すでに外国にいるメリットを活かして留学先周辺や現地国内の旅行をすれば日本から行くより少ない時間や費用ですみます。

留学の欠点

日常の生活から切り放される必要がある
これは利点と表裏一体です。学生なら留学が日本の授業の一環でない限り学校を休学することになるでしょうし、社会人なら会社を退社する必要があるかもしれません。退社して留学する場合、また、仮に休職が可能な場合でも、一般的には留学中は収入が途絶えることになります。

●費用がかかる
日本にいても海外にいてもどのみち生活費はかかり、日本の語学学校でも海外の語学学校でもどのみち授業料はかかりますが、渡航費などが余分にかかります。飛行機代などの交通費だけでなく、私の場合は日本のアパートを引き払って一部の家財はアメリカへ輸送し、一部の家財は日本でトランクルームに預け、日本帰国時にまた家財を日本へ輸送し、トランクルームからも帰国後のアパートに輸送しましたので、莫大な費用がかかっています。

▶︎留学にかかった費用についてはこちらの投稿をご覧ください。

英語の文法を英語で勉強するのは効率が悪い
日本語が100%理解できる状態で日本語で英語の授業を受けても100%理解して覚えられるわけではないのに、留学では今まさに勉強中の言語で説明を受けるため、授業で使われる言語が数十パーセントしか理解できなければさらに理解度が下がることになります。

ボキャブラリーを増やすのに必ずしも留学が必要ではない
一度聞いただけで覚えられるなら別ですが、通常は自習も必要になると思います。多くの単語を知っている留学生に勉強方法を聞いたことがありますが、留学中ではなく自国で高校生の頃覚えたそうです。

長時間かつ長期間の英語の勉強をすることで脳が非常に疲れ、放課後は眠くなり授業後にはさほど多くのことができない
日本で留学について調べている時は聞いたことがなかったのですが、個人差はあるものの、これは年齢にかかわらずほとんどの学生が感じているようです。それだけ訓練にもなっているのでしょうが、この疲れによって思うように学習が進められないこともあります。

▶︎長時間かつ長期間の外国語学習の脳への負担、留学での体調不良の原因と対処についてはこちらの投稿をご覧ください。

理想的学習法?

英語を母国語とする国において、文法は学生の出身国の先生(例えば学生が日本人の場合、日本人の先生)が教え、会話はネイティブの先生が指導するカリキュラムを試してみる価値はあると思うのですが、そんな学校は聞いたことがありませんね。

いきなり留学せず、文法は日本で日本人の先生から教わり、又はおさらいし、ボキャブラリーも増やしておき、そのあと留学するのがいいかもしれません。再度英語で文法やボキャブラリーの勉強をすることになりますが、おさらいをしつつ実際の会話の訓練ができると思います。