ストーリー開発の苦労と楽しさ

ストーリー開発

ストーリーを開発する出発点はごく基本的なアイディアから始まりますが、その基本的なアイディアは、特徴のあるキャラクター、エピソード、ビジュアルイメージ、ログライン、など様々です。

ログラインとは「どういう人物が何をする」話なのかを完結に表現する1つの文です。

最初からキャラクターやストーリーのイメージが明確な場合もあると思いますが、ストーリーを開発していく過程で明確にしていく場合も多いです。

ここでは選択肢についてお話しします。

ストーリー開発上の選択肢

ストーリー中の様々な要素に対して、通常はいくつかの選択肢が考えられます。登場人物にとっての選択肢というよりもストーリー開発上の選択肢という意味ですが、選択肢の選び方によってストーリーは変化し、また、それぞれの選択肢のかけ合わせのバリエーションは非常に多くなり、どの組み合わせが一番いいのかと考えることもあります。

ストーリー開発上の選択肢の例

・主要登場人物の性格、行動原理、欠点
例えば何かの事件や状況に巻き込まれて解決せざるを得ない状況に陥った主人公が、身体的に屈強な人物なのか弱々しい人物なのか、メンタルは強いのか弱いのか。

身体的に強くメンタルも強い主人公、身体的に強いがメンタルが弱い主人公、身体的に弱いがメンタルが強い主人公、身体的に弱くメンタルも弱い主人公、ここだけでもバリエーションは4つになり、それぞれのストーリーは変わってくると思います。

・主要登場人物の関係性
例えば男女のストーリーの場合、その二人はストーリーが始まった時点で他人なのか、友人どおしなのか、同僚なのか、近所の人なのか、カップルなのか。カップルの場合、恋人同士なのか夫婦なのか。あるいは、いわゆる友達以上恋人未満の関係なのか、どちらかの片思いなのか。

私が制作したあるショートフィルムでは、主要登場人物の男女は同じ会社の同僚で、男の側が相手のことを好きだけれど伝えられず、女の側はそれに気づいていて、まんざらでもないというか気になっている、というのが最初のイメージでしたが、結果的に夫婦にしました。元は長編用のアイディアだったものを短編にアレンジする上でわかりやすくするためと、ストーリーについてディスカッションしている時に、周りの人が、夫婦と解釈しがちだったためです。ここがアメリカであるために微妙な関係性より明快なほうが好まれるのかもしれません。

元となるアイディアが同じでも、登場人物の関係性によってストーリーが変わってくる場合もありますし、学生か社会人か、年齢はどのくらいか、若いのか年配なのかによっても関係性が変わり、ストーリーは変わってきます。

例えば、2人の主要登場人物が宇宙を救う話という基本が同じでも、反目し合う二人の男が宇宙を救うのか、若い男女が宇宙を救うのかでストーリーは変わってくると思います。

男女の性格、言いかえるとストーリー上の役割を逆にするとどうなるか考えるのも面白いです。

・行動の有無
主人公が何かをしようとして、実行する場合と思いとどまって実行しない場合、それぞれストーリーは変化します。

・世界観の設定
同じようなあらすじでも、世界観の設定によってストーリーは変化します。
例えば、未来の話でも、現在から地続きの近未来なのか、車が空を飛ぶ近未来なのか、宇宙旅行が盛んな世界なのか、滅びようとしている世界なのかによって、ストーリーは変わってきます。

選択肢の組み合わせの制限

ある選択肢を選んだ場合、別の要素で選べる選択肢が変わってくる場合もあります。そのため、途中で面白いアイディアを思いついても、そのアイディアを取り入れるとすでに考えていた内容と矛盾する場合もあります。その場合は書き直すか、選ぶ選択肢を再検討する必要があります。

ストーリー開発の苦労と楽しさ

このように、ストーリーを開発する過程では、ログライン、3幕構成などと同時に、登場人物のキャラクターや設定の選択のしかた、その組み合わせによってストーリーは変化し、それを考えるのは苦労する作業であり、楽しい作業でもあります。

三幕構成についてはこちらの投稿も御覧ください。